島田裕巳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
国内を旅行すると、何気なく寺社仏閣を訪れることあがあるが、寺と神社の違いを意識したことはなかった。仏教には根拠となる仏典があり宗祖があるため相対的に分かりやすいが、神道の祭神は実在したかどうかが曖昧なものもあり、神としての性質も変遷している。八百万の神がいる日本に住む者として、そうしたことを意識してこなかったことに恥じ入る。最近の靖国参拝の問題も同様。実在した人間を神として祀るというのも神道の特殊性だろう。
八幡・稲荷は日本書紀には登場しない渡来人によるもの。天神は菅原道真を祀った者だが、最初は祟りの神で、徐々に善神に変わってきた。伊勢は天照大御神を祀り、天皇と農業に強いつながりがある。春日は藤原氏とのつながりがあり、戦国武将はみな祀った。一般的には祭神を勧請することで信仰が広がっていったが、祇園は祭が重要な役割を果たしている。そうした神社の歴史を理解することは、日本を見直すことにもつながると思う。 -
Posted by ブクログ
宗教関係の島田氏の著作は前々から気になってはいたのだが、
彼のオウムに対する総括とでもいったものを一度きちんと調べ
オウム関係の著作を読んでからでないと、他の著作にはちょっと
手が出しづらいなと思っていた。その、着手するには少々気が重い
作業が億劫で今まで手にしていなかった著者の本を読んだのは
単に古書店で105円という安さで売っていたからだ。安直で申し訳
ない。
で、この本の感想だが、読み物として実に面白いものに仕上がって
いると思う。まず何よりもこれらの新宗教をまとめて取り扱うと
いう著作自体が珍しいのではないだろうか。それだけでも一読の
価値はありそうだ。
気になったのは著者の視点が、ややもすれば取り扱う宗教内部に
入り込んで「ミイラ取りがミイラになる」危うさを感じてしまう
ことか。まあ、それがこの本を読み物として面白くしているの
かもしれないが。
それぞれの宗教に関しての記述が正しいかどうか、そして10の
宗教の選択の仕方に問題がないのかどうか。そのあたりも本当は
きちんと検証されなければならないのだろうが、それはこちらの
手には余る大仕事である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分にとっての宗教って、自分と近いようで遠いようで、理解できなくて理解してみたくて…という矛盾する存在。
信じる人に会うたび、少しの嫌悪感と少しの羨ましさを覚えるのです。「いいなあ、信じることができて」と。
宗教をいまいち信じられない自分は、不条理や悲劇などに遭っていない、祈るという行為が発生する事態に遭っていない、ぼんやりと幸せを享受している人間なのだろう。
でも、最後の最後には、わたしも祈るのかもしれない。
自分ができる術をなくしたとき、最後の最後に自分でできることが「祈ること」というのは納得。
著者の宗教に対するあたたかい視点を感じられる作品。むやみに肯定するでも否定するでもない感じは好感がもてます。
島田先生の解説もよかった。
カルト教団とは「非常識でアブノーマルな宗教団体」ではなくて
「憲法に定められた基本的人権を守らない団体」という解説に目からウロコ。非常識でアブノーマルな宗教団体だと思っていたよ…。
でも、基本的人権を守らない、っていうのに妙に納得。
この定義では、報道で有名になったあの宗教団体もカルトにはならないのね…。勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
柳田国男の本を読んでから、八幡神に疑問があった。新聞の広告で知った本書を手に取る。
新書でさっと疑問解明ができるとは期待していなかったが。
東大寺建立に協力した八幡神が、各地の国分寺に勧請されたとのこと。これも八幡神社が増えた理由の一つなんだろうな。
出雲の大国主と三輪山の大物主は別の神だったものが習合したもの。成程。
住吉社への話の中で、安曇氏が志賀島で祀っていたのが底津小童命、中津小童命、表津小童命を祭神とする志賀神社とある。海神が子供とする信仰があったわけだ。中沢新一の「大阪アースダイバー」には朝鮮半島からの海民達の日神に仕える女神達の信仰が語られていたが、日光感精の神話は北方の新羅の神話で、朝鮮半島でも南方の海民の海神に纏わる神話はまた違うのではと思うが、まあ素人考えか。
諏訪の信仰と出雲に共通点が多い。国譲りには関係無しに、本当に出雲から侵入した歴史があったらしい。しかし、出雲国造や諏訪の大祝が神と見なされるのは、近畿のアマテラス系が出雲や諏訪の神を封印するための装置ではないかとも思える。
相変わらず余分なことも考えたが、頭の整理になったと思う。 -
Posted by ブクログ
≪目次≫
序章 日本の神々と神社
第1章 八幡ー日本神話に登場しない外来の荒ぶる神
第2章 天神ー菅原道真を祀った「受験の神様」の謎
第3章 稲荷ー絶えず変化する膨大な信仰のネットワーク
第4章 伊勢ー皇室の祖先神・天照大神を祀る
第5章 出雲ー国造という名の現人神の圧倒的存在感
第6章 春日ー権勢をほしいままにした藤原氏の氏神
第7章 熊野ー浄土や観音信仰との濃密な融合
第8章 祇園ー祭りで拡大した信仰
第9章 諏訪ー古代から続くさまざまな信仰世界
第10章 白山ー仏教と深くかかわる修験道系「山の神」
第11章 住吉ー四方を海に囲まれた島国の多士済々の「海の神」
≪内容≫
あくまでもわかりやすく簡単に神社・神々を紹介した本。専門家でなく、大まかに神々を知りたい人にお勧め。ただし、どこの神社がどんなご利益かは書いてないので、そっち方面の興味の人には向かない。これは、あくまでも歴史的に神社・神々を知りたい人の本だ。また、神道の研究にも向かない。 -
Posted by ブクログ
まだ全部読み終わっていませんが、なんというか、スターウォーズエピソード1を観終わった時の、なんともいえない香ばしい感じを思い出しました。
...いやぁ面白いですよ。
1500円という価格は、探していた本を新本特価で発見したような喜びもありますし。
内容は、本のあとがきのデラックス版といった趣きで、カスタネダシリーズの美味しい所の全部盛りの構成なので、興味は有るけど、どれから読んで良いのかが解らない人や、全部揃えるは正直しんどい人、最適だと思います。
------
序章に、作者がカスタネダとの出会いに関する、どうでも良いような事が書いてありますが、この本の発している香ばしさは、島田裕巳自身が流されるように歩んできた人生から湧き出る、小物っぷりから発せられているみたいです。
------
『カルロス・カスタネダ』読み終わりました。
作者が初めの4冊以外の本について、あまり重要視していないようで、それ以降に関しては説明をかなり端折っています。
それにしても、内容をきちんと説明してある部分に関しては他の作者からの引用で済ましているような...。
まさか、『未知の次元』以降の説明があっさりしているのは、『気流の鳴る音』や『チベットのモーツァルト』による解説部分がないからなのでしょうか。 -
Posted by ブクログ
副題が「仏教宗派の謎」です。中身は日本のおもな仏教宗派について発生から派生までくまなく取り上げ、歴史的経緯をふまえ解説したもの。なので副題の方が中身に対しては正確で、より直截な題名にするなら「日本の仏教宗派の歴史」なんて言う方が合ってます。が、こんな題名では手に取る気も起きないでしょう。「浄土真宗はなぜ日本で一番多いのか」という書名は大当たりです。
で題名に対する回答ですが、他の宗派は修行して仏教の教えを自らの力で悟らなければならないのに対し、浄土真宗の教えは「南無阿弥陀仏」を唱えれば極楽浄土でき、阿弥陀仏の力で成仏するという「他力本願」であるというシンプルなものであるから、ということらしいです。親鸞が教えを説き、広まったのは地方の農漁村、職人層で、これら第一次・第二次産業人口は日本ではつい最近まで大多数を占めていたから、という理由です。
分かりやすく、空海、最澄から鎌倉仏教、さらに禅宗、創価学会まで解説してあり、手軽に仏教各派の知識を得ることができます。
座禅をし、禅問答をする、なんていうのが最高に仏教哲学的だと自分は感じてましたが、実は葬式仏教を始めたのは禅宗であったと解説してます。
現在、仏教に対し不信感があるのは、実は葬式と結びついてるからなのです。新年、2度の彼岸、盆とお寺に行きお金を納め、戒名は寺に対し功績のあった家にはたくさん字をくれて、しかも一文字いくら、というのが我が家の属している寺のやりかたです。しかし地方で暮らすと、宗教を伴う葬式は必要です。会葬者に囲まれての読経と儀式は、死を回りに周知でき、遺族に決別の踏ん切りをつけさせます。
願わくば、檀家制度ではなく、結婚式をするのに教会、神社、寺を選べるように、気分によって寺を選べるようになったらいいのにと思います。今や寺は単なる葬式のセレモニー屋にすぎないのだから、寺もその辺割りきったらいいのに、と思います。生臭坊主の説教は必要ありません。本を読めばいいのですから。 -
Posted by ブクログ
日本にいながら様々な場面でキリスト教に私的にも公的にも触れる機会があり、根本的な理解を始めるために本書をとった。
そもそも聖書における翻訳の問題や、キリスト教における神を大日と表現し、大日如来とほぼ同一視していたことなど非常に興味深い記載があった。
また、未読ではあるが遠藤周作の「沈黙」に触れながら、日本におけるキリスト教は、本来のキリスト教から、日本の測りえない文化的・社会的・宗教的受け入れ能力である「底なし沼」に飲み込まれ、全く異なるものに変質してしまっているという記載にも興味を感じた。
また、日本においてキリスト教の布教率が0・8%にとどまっていることは、戦後においてインテリ層には浸透したが、市民社会には浸透しなかったためであろうという仮説にも非常に深い興味を感じた。
人口12億人を抱える中国という国家を隣国にしている現状の中、中国には国教ともいえる宗教が存在しない中で、キリスト教の影響が強く出てきていると一説では言われている。そのような現状を踏まえて、キリスト教について理解を深めて、再考していくことは、21世紀に活発に動くであろう巨象を横にしての十二分な準備になりうると考える。 -
Posted by ブクログ
私は、家の宗教が金光教(こんこうきょう・岡山県に本部がある)で、幼稚園がルーテル(キリスト教系)、大学の友人が創価学会で、仲人さんが立正佼成会で人間ドックも去年まで佼成病院という無節操な「宗教遍歴(?)」があります。
この本では金光教は「10大」には漏れて、「おわりに」で「言及できなかった新宗教」の一つとして名前が挙がっている程度だったのがちょっと残念ですが、
1.天理教
2.大本
3.生長の家
4.天照皇大神宮教と璽宇
5.立正佼成会と霊友会
6.創価学会
7.世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
8.PL教団
9.真如苑
10.GLA
の10の「新宗教」が取り上げられています。なかなか面白かったです。
books75
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。