水生大海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
5つの短編から成る小説です。
それぞれの物語には日常の中に潜む不穏さや、人間の内面にある嘘や秘密が描かれており、読んでいて思わず引き込まれるような雰囲気がありました。
ストーリーの設定やテーマ自体はとても私好みで、読む前から期待していたのですが、読み終えた後には、どうしても拭いきれないモヤモヤが残ってしまいました。
その理由のひとつが、どの短編も「結末」が描かれていないことです。
物語が盛り上がってきたところで、突然プツンと終わってしまう。
まるで、話の途中で誰かに本を取り上げられたような気分でした。
まさに「尻切れトンボ」という言葉がぴったりで、「え?ここで終わり?」という戸惑いが何度もありました。
また、物語がすべて主人公の主観で進んでいくため、読んでいる側は事実が分からず、誰が本当のことを言っているのか、何が嘘なのかが見えてこないのです。
その曖昧さが作品の魅力なのかもしれませんが、私にとっては逆にストレスになってしまいました。
読者に考えさせるスタイルは、もちろん悪くはありません。
でも、私は物語の中にある程度の答えや結末を見つけたいタイプなので、ずっと考えさせられるだけでは物足りなく感じてしまいます。
そんな中で唯一、短編「3年2組パニック」だけは、きちんと物語の結末まで描かれており、とても読みごたえがありました。
ストーリーの構成もしっかりしていて、キャラクターの心情にも共感でき、読後感もスッキリ。
まさにこの作品の中で一番心に残った短編でした。
もし他の短編もこのようにまとめられていたら、もっと満足度の高い一冊になっていたと思います。
全体としては、物語の雰囲気やテーマ性はとても好きでした。
だからこそ、「もう少しだけ解説があれば…」「せめて結末だけでも描いてくれたら…」という気持ちが強くなってしまいました。
惜しい、と感じてしまう作品です。
読者にすべてを委ねる形もひとつの方法ですが、読者の中には、私のように「導き」や「答え」を求めている人もいると思います。
読んでいて考えさせられる部分も多く、面白さは十分にありましたが、心から「読んでよかった」と思えるには、あと一歩何かが足りなかった。
そんな、惜しさと期待の入り混じる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
楠谷 佑「パブリック・スクールの怪事件」…ホームズ&ワトソン
ガイド第1回 ミステリのおもしろさ。
辻 真先「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」
ガイド第2回 名探偵とは誰でしょう?
斜線堂 有紀「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」…ポアロ
ガイド第3回 トリックとは何か?
水生 大海「一つの石で二羽の鳥を殺す―To kill two birds with one stone.」…ミス・マープル
ガイド第4回 推理とは何か?
青崎 有吾「シチリアオレンジジュースの謎」…エラリイ・クイーン
ガイド第5回 どんでん返しとはなんでしょうか。
阿津川 辰海「オムレツは知っていた」…ネロ・ウルフ
ガイド第6回 ミステリって結局何なのだろう。
福田 和代「南洋のアナスタシア」…ジェイムズ・ボンド
パスティーシュが楽しい。 -
Posted by ブクログ
名古屋の繁華街で他殺体が発見される。
被害者は縫製工場のひとり息子で、素行が悪くて逮捕歴もあり、あちこちで恨みを買っていた為に容疑者も多い。
事件を追う女性刑事は、被害者が以前ベトナム人の技能実習生マイに強引に迫っていたことを知り、彼女の行方を探すのだが、思わぬ方向へと…。
殺人事件の犯人を突き止めるのにかなりの時間がかかるわけだが、マイが「救世主」という謎の言葉を残して姿を消していた理由がわかると思いもしなかった真相に愕然となった。
殺人事件とは関係のないもうひとつの裏側の方で、いくつかの死があり、それを辿ると想像できなかった事実がそこにあった…これは隠された闇だと感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ※小話ごとに書き殴った感想。ネタバレしまくり&やたら長い
【夜半のちぎり】
シンガポールはポイ捨てに厳しいとは聞いてたけど、そんな決まりもあったんか…
相手の元カレは想像ついてたけど、ガムの下りは恐れ入った。頭からっぽどころかめちゃくちゃやべえオトコじゃんよ…
4人が4人とも、まあまあ自分勝手でちょいと頭のネジ飛んでるのよね。お互い相容れなかったの、実は同族嫌悪だったのでは?
関係ないけど女の本性って、付き合い長い男でも理解出来てないこと多いよね。女同士は直感レベルでビビッとくるのに不思議。。
【透明人間】
透明人間の生態ってちゃんと想像したこと無かったから、消化物とか爪の間のゴミとかの観念がなるほどね~だった。あとメイクで誤魔化せるんだっていう。
密室にしてからの透明人間の探し方とかめちゃくちゃリアルで、設定作りこんでるのをひしひし感じたわね。ハナから動機が?だったけど、ラストでそういうことかと納得。
探偵はこの1回で色々詰め込んだ感じあるけど、シリーズ化を意識してのキャラ立てだったのかしら?面白い世界観だから、上手く活かした振れ幅のある話をもっと見たいわ。
【顔のない死体】
最初「首のない死体と顔のない死体はエラい違いがあるで(意訳)」と言われて、そらまあそうでしょうよ…と当然顔してたのは私です。大変申し訳ございませんでした。
DNA鑑定頑なに拒否すんの怪しみしかなかったけど、目的そっちかーい!完全にしてやられた。
オカンはわかりやすくアレだけど、オトンも托卵とはいえ2年育ててきた子供より自分の欲求優先させちゃうんだから、結果夫婦ともにクズよね。
2歳だったら将来的に両親のこと覚えてない可能性も高いし(むしろ忘れてて)どうかこの先は幸せに暮らしておくれ。おばちゃんとの約束だよ。
※このお話はフィクションです。
ちょっと気になったのが、話のボリュームの割に登場人物がやたら多い(しかも警官ばかり)。なのに個々に掘り下げようとしてる動きすらあったんだが、、あのムーブは何だったん?
【首無館】
館と聞くと警戒するわ。館つけてるクセに、は?みたいな話がゴマンとあるから。みんなちゃんと某先生リスペクトしてる?(強火オタク)
そんなイチ館ファンも、これには度肝を抜かれたわよね。新しすぎて。
まず、この話のポイントは館の構造ではありません。ゲロです(断言)
でも本当に、真実がゲロからポロポロ出てきちゃうから侮れない。しおりんも見た目と裏腹な明晰頭脳っぷりで、ちょっと友達になりたくなっちゃう。さすが腐っても医学部生。近寄ったら絶対ゲロ吐くけど。
あとゲロの見取り図いる?笑 もっと他に描くべきものあったでしょ。館とか館とか館の見取り図とか。
頼むから建物を活かしてくれ…!!(懇願)
そんな賢いしおりんもあの子も、最終的には報われなさそう…というか、この事件絶対闇に葬られるよね?ヤッホーこの世界の警察仕事してるぅ?(煽)
人名がニックネームなの、それこそ十〇館オマージュかと思ったけど、わざわざ名をつけてやる迄もないってだけかも。何だったらバカにしてるくらいのテキトーさだし、まるで人権感じられなくて笑っちゃったよね。
ロープの代わりがアレだとか、人1人の登場~死までがスピーディなのにしっかりグロめとか、この人はこういう作風なのかしら。ちょっと次回作読むのは躊躇うかも。げろげろ。
やばい、こんなゲロまみれの感想書くつもりなんて毛頭なかったのに。おそロシア。影響力強めにつき充分ご注意ください。
【袋小路の猫探偵】
超私見ですまん、飛び抜けて面白くなかった。いやネコチャンに罪は無いんだけど。
そもそもこれ本格ミステリなの?ミスリードの内容としてはまあありかなと思うけど、ボールで人転倒させるって、、マ〇オカートのバナナじゃないんだから。
ていうか警察官が制服盗まれるの、新聞乗るレベルの不祥事じゃない?国家権力不当行使の危機よ。なんなら内部犯の匂いもするレベルなのに、口止めしました~で許されること?
そんな中、どうにかネコを絡ませようとする必死感が更に悪目立ちして、肝心の種明かしも全部あっそう…て流しちゃった。いやネコチャンに罪は無いんだけど。
まあ悪いのは掲載順だと思います。ゲロゲロ館のあとにこれは霞むって。(個人の感想です)
【葬式帰り】
結局この話はどう帰結するの?と思ってたら、1番やべえのお前かい~という話。
石に齧り付いた話は知ってたけど、その後祟りが起きなかったのはなぜ?が腑に落ちまくり。なるほど、意識を逸らすために!賢いひとって…かしこいね!(語彙力)
最後自宅の電気が点灯してたの、奥さん在宅設定だし慌てて出てきたから付けっぱだっただけよね?でももし、消して出てきてたとしたら……ホァ……
【カープレッド】
野球という名の物に一切興味が無い人間にとっては、この話の面白さか半分どころか1/5くらいになるのでは?ええ、私のことです。
どうでもいい情報の波に抗えず、受け身のままあれよあれよと流されて行った先で、急に明らかになる真相。へー…ソウダッタノ…
今だから明かすけど、実は最初お父さんを疑ってたんだ。すぐユニフォームに着替えるの、なんか隠してない?とか思って。ただのヤバいファンなだけだった。ある意味犯人よりこえーよ。
頭書きにあった通り、高校野球についてはマジで秒しか触れてなくて笑った。有名どころだから許された暴挙では?
【使い勝手】
あ~この主人公の苛立ちがめちゃくちゃわかる。中途半端に親切な人間て、結局ずる賢いやつに目ざとく見つかって、いいように使い倒される運命なんよな。
我慢しても遅かれ早かれどこかで爆発するから、ちょっとうるせえ奴と思われても、ある程度自分の意見は主張した方がいいわよ。わたしより。
というわけで(?)ミスリードにはすっかり騙されたよね。確かに、ド定番の重量感マシマシ灰皿ならともかく、女の力でシチューボウルはアレかも。。
でも主人公が、使い勝手のいい女のまま踏みとどまって良かった。それが1番の意趣返しだと思うもん。最後の1文から滲み出るやるせなさも、表題と良くマッチしてると思う。
やっぱり世の中、真面目に働いて得たお金が1番信用出来るわ。みんな闇バイトとかしないであくせくはたらこ。
【掟上今日子】
この作者が原作の「暗号学園のいろは」(漫画。完結済で超おもろいから全人類読んで)に激ハマリしてたので、期待値高め。
…だったんだけど、やはりアレね。
シリーズ物をつまみ読み(?)するの、アテクシ苦手だわ。
内容そのものより、作品内の空気感とか登場人物のキャラを把握することに気がいっちゃって、純粋に話を楽しめないのよ。
もちろん、こういうのに載せる短編は、初心者でも入り込みやすいように色々説明してくれてるのはわかる。
でもそうすると話が必要以上に回りくどくなるし、理解を諦めて話だけ追うと、所々に挟まる「このキャラのいつものこの感じ~」の部分が妙に白々しくて読んでられないというか…
まあつまり、シリーズ未読の私が悪いんです。誠にすまんのきもち。
そんで今回の事件、まあ胸糞だったわね。
真相が今日子ちゃんの言う通りだったら…被害者兼加害者の両親のメンタルが心配。。
これが真実であろうと無かろうと、この可能性については3人の胸の内に閉まっておいてほしいわね。
世の中、知らない方がいい事ってごまんとあるんだなあ。みつお。
【虚構推理】
シリーズ物は以下略。つまりこちらも未読です、すまんのきもち(2回目)
そんでなになに、主人公は…特異体質の彼女と、また別の特異体質の彼氏?
…だから、設定モリモリなやつは1回で世界観飲み込みきれないんだってば…頼むからシリーズ物続けてもってこないでおくれ。。
とまあそこは置いといて、怪異の相談役ってなると色々な方向から話が作れそうね。1番怖いのは人間だぞ~的なのも出来るし。
自分で言ったやつ自分で論破してくの、刀城言耶みたいだったなあ。とか考えつつこれ書いてる今、どうしよ。結末が思い出せない。結局どの説が採用(?)されたんだっけ。
…印象に残ったかどうかは正直そのレベルでした。ごめんな。
【ホームズ】
小説ってあったけど、これ完全に論評よね?
確かにコナン・ドイルがホームズ嫌ってたってのは聞いた事ある。
そこで無意識に【影】の存在を作り出し、そいつにホームズをうっちゃってもらう…というのは、まあ出てきそうな流れかなと。
でもそこからが流石で、その影が1人だとは限らないよねって。え、医者も?え、犬も?!
でも言われてみれば、医者の名前は誤植かってくらいそっくりだったわ。しかも端役同士ならまだしも、片方準主役よ?絶対にわざとよね。
表面的にしか話をさらえない残念な脳みそなので、こうやって論理的に掘り下げて考察できる人たちって尊敬するわ。こういう思考回路があると、1つの話を色んな角度から楽しめて羨ましい。考察厨になりたい。
そんなこんなで、論評といえど最後まで楽しく読めました、まる。