桑原洋子のレビュー一覧

  • 川が流れるように

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    1940年代のアメリカ、コロラド州が舞台。
    美しい森の木漏れ日、川の流れ、鳥の鳴き声、
    地域で評判の桃の香りが、読みながら堪能できた。
    母を事故で亡くし、家事を一身にこなす、17歳のビクトリアが、流れ者のウィルと出会い、恋に落ちる。
    でも、インディアンである彼は、周囲から差別の中で隠れて会うことしかできない。

    悲恋物語、と思いきや、
    妊娠して、家族に隠れて山の中で出産するシーンは、ものすごい。
    息をしていない産まれた子を蘇生させる場面は感動的。
    食べ物がつき、どうしようもなくなった時、その決断はその後の人生の流れを変えた。
    ウィルの「川がながれるように」の言葉が常に道標。

    母親の死や、粗暴

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    2024年08月07日
  • エドワードへの手紙

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    ネタバレ

    『奇跡の少年が奏でる、とまどいと再生の鎮魂歌』

    飛行機事故でただ一人生き残り、両親と兄を失った12歳のエドワード。変貌した環境にとまどい、周りの人達と右往左往しながらも再生の道を歩んでいく。特別な力はなかったけど、これも運命だったのかな…

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    2022年08月28日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    哀しい話が最近は読みたい気分なのかも。話はいろんなところに寄り道するけど、どの話も悲しく共感して考えさせられる。結構好きだった。

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    2025年08月09日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    アルモドバルの映画になってるそうで、原作物だけど大丈夫かな?と思ったのだけれど、杞憂であった。妙に迫ってくる。考させられ、余韻が残る。

    そうだ、この人『友だち』の人なのね。あれも生と死や人間関係がちょっと不思議な感じだったなと思い出した。

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    2025年03月03日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    中年女性作家のわたしは、重い病を患う友人を見舞う。友人の告白に戸惑うわたしの選択は…。

    「死」を間近にした友人と過ごす時間のなかで、さまざまな人物の描写がある。
    そのなかでも友人親子の関係は重たく感じた。
    ほっとするのは宿泊先のホストの保護猫だろうか…
    終わりに近づくほどに何気ない描写のほうが印象に残るのは何故だろう。
    それほどまでに「死」を意識したくないということだろうか。
    避けては通れない「死」、その不安に対して明確な答えはないけれど、どんな思いで迎えるのだろうかと考えてみることはできる。

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    2025年02月26日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    間もなく死を迎える友人と共に暮らす私… 逃げ出せない絶望の核心を描く #ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    ■あらすじ
    作家である私は、若い頃にルームメイトだったこともある友人に相談された。友人は重い病気を患っており、間もなく死を迎えるらしい。そして彼女は心の準備ができたら薬を飲んで死ぬため、それまでの間は近くにいてほしいとのことだった… 悩みながらも承諾した私は、友人と暮らしながら死について見つめ直すのだった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    人生や死生観を見つめ直す物語。起承転結のあるエンタメ小説ではありますが、老いや死をはじめ、生き方、美意識、人間関係、子孫を残すことなど人生について深く突き詰

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    2025年02月12日
  • 川が流れるように

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    1948年、17歳の少女ヴィクトリアは、運命の相手ウィルと出会う。たちまち恋に落ちる2人だったが、家族も社会もそんな2人を許さなかった。ウィルは身を隠し、ヴィクトリアは嘘をついて逢瀬を重ねる。だが……。
    ヴィクトリアの“喪失と再生”を、23年という長い時間で描いた作品だ。12歳で母親を亡くしたのを皮切りに、大切なものを次々と失っていくヴィクトリア。だが、ウィルが言った「川が流れるように」という言葉を胸に、絶望に打ちひしがれることなく強く生きていく。
    最初はありがちなラブストーリーかと思ったが、もっと大きな“愛”を描いた作品だった。コロラドの美しい自然描写と共に、胸に沁みた。

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    2024年07月16日
  • 川が流れるように

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    〝知らず知らず 歩いて来た細く長い この道
    振り返れば 遥か遠く故郷が見える
    でこぼこ道や曲がりくねった道
    地図さえないそれもまた人生〟

    美空ひばりはそう歌っている中、
    ヴィクトリアは自分で道を切り開いていく。
    山の中を、田舎町を、新しい土地を。

    泣きすぎて鼻かみすぎてつらい。

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    2024年06月23日
  • 川が流れるように

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    ネタバレ

    青春恋愛物のような出だしで苦手なやつかなあと思いながら第一部を読んでいたが、第二部はクラカワー『荒野へ』を思わせるような濃厚な自然の描写とそこで生きようとする意志とに、掴まれてしまった。

    喪失や悲しみや痛みを抱えながら生きていくヴィクトリアと、対のようにもう1つの人生を生きる女性インガ。再生は容易いことではないが、どうしようもない流れに巻き込まれながらも、誰もが何がしかを抱えながら生きているんだよね。と、力強いものを受け取る。

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    2024年06月03日
  • エドワードへの手紙

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    シチュエーションから、全く関係ないのにアンブレイカブル思い出してしまいました。ラストはやっとここまで来られたんだ、としみじみ。飛行機パートとエドワードパートの交錯が面白かったです。こんな状況に触れることはないから、そこに置かれた人の心情が汲み取れたのが新鮮でした。

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    2022年07月26日
  • ティアリングの女王(下)

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    読んで良かった。楽しい。少し泣いたし。あぁ。また、続編を期待する作品が増えてしまった。あぁ。1年後かなぁ。2年後かなぁ。楽しみだなぁ。盗賊に恋してしまうのは解せないのだけど。

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    2015年12月12日
  • 煙と骨の魔法少女

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    現代舞台のファンタジー。寒く美しいプラハから始まる異形の者達、そして天使の物語に翻弄される少女。その運命が明らかになる後半、その絶望的に美しい描写に震えてほしい。
    三部作と言う事で、顛末が楽しみ。ダークファンタジーと呼ばれていたような作品好きにオススメ。ちなみに、俺様の大好きだったダークファンタジーはダークソード。

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    2014年01月29日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    先に映画を観てしまっていたので、アルモドバルの脚色すさまじいな、と改めて感じた。
    原作ではイングリッドの自意識や感情が打ち寄せてくるが、映画は二人の関係性がとても複雑な味わいで、透徹した世界観や深みを感じさせる傑作。

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    2025年07月25日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    人の死という重いテーマの作品だけど、ユーモアもあり暗闇に沈むような感じはない。原題What Are You Going Throughは、フランスの哲学者ヴェイユの言葉から引用しているらしい。だから、作品が哲学的?映画版を観てみたい。

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    2025年05月12日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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    小説より映画の方がまとまっていて、好みでした。生とは?死とは?と考える状況になった時、思い出す1作になると思います。

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    2025年02月06日
  • エドワードへの手紙

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    飛行機事故の唯一の生存者である少年を主人公としたYA小説。実際の飛行機事故を参考にしているとのこと。

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    2024年07月18日
  • 川が流れるように

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    すまぬ、読み飛ばしてしまったが、コロラドの桃とは初耳だった。ブルーメサも。視点が変わっての語り直しは興味深い。

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    2024年07月02日
  • ティアリングの女王(上)

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    秘されてきた女王ケルシー。有能な近衛兵メイス、有名な盗賊フェッチ、無能な摂政、魔女と恐れられる隣国の女王。
    これでもか、とファンタジーの王道内容てんこ盛り(個人的には好き)で、既視感は否めない。
    主人公のケルシーも自分の容姿に劣等感があり、秘されて生きてきただけで特別感は薄いし、何故かスコンとフェッチに恋をするし、とてもじゃないけど女王には向いていない。
    いざって時も教えられた事をなぞっているだけでケルシー自身の信念を読み取れず、なのに王室に入ったら信念ゴリゴリで不思議でした。

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    2018年09月15日
  • ティアリングの女王(下)

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    ネタバレ

    前半は面白いなーと思ったんだけど、後半が駄目。どんどん面白くなくなって行った。
    そもそも、完全なる異世界ファンタジーじゃないならその前提をまず最初に提示するべきだし、変な情報を小出しにされても萎えるだけ。「ほら驚いたでしょ?」って感じが文章の端々から伝わってくると言うか。っつか、そんなのだいぶ前から気づいてたけど今その言葉出してくるの……的な。
    イメージ画像なんだろうけど、表紙と文章描写のヒロインとの違いがありすぎてそれもどうなのって思った次第。

    これが好きだって思う方はもちろんいるんだろうけど、私は駄目だった。つまらなくはないが、おもしろくはなかった。

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    2015年06月02日
  • 星影の娘と真紅の帝国(上)

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    舞台は人間界(モロッコ)と、あちらの世界へ。前作より戦闘度合が高いが、登場人物も成長しているのでより面白く読める。次作も楽しみ。

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    2014年10月31日