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  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    小説・文芸

    3.6
    1巻2,420円 (税込)
    若い頃の友人に再会した作家は、「最期の時間を一緒に過ごしてほしい」と頼まれる。友人は末期がんだった。そして、心の準備ができたら薬を飲んで死を選ぶという。思いがけぬ日々のなかで作家が見たものは──。全米図書賞受賞作家による感動作。ペドロ・アルモドバル監督映画原作。

ユーザーレビュー

  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    Posted by ブクログ

    短めの長編なのに、ずっしりとした読み応えの作品だった。あらすじを書くと、小説家の主人公の女性が、病に伏し余命幾ばくもない若かりし日の友人に呼び出され、自分は薬で安楽死をするつもりなので最後の日々に隣の部屋にいてほしいと頼まれるというもの。

    だが、長くない作品なのに最初の100ページ以上はストーリーが動かない。主人公のとりとめもない思考、回想が脈絡もなく続く。友人が娘と折り合いが悪いこと、ある美しい女性にとっては年を取ることがとても残酷な状況をもたらすこと、良かれと思って認知症気味の隣人の女性との交流を買って出るもののやがてやめたいと後悔したこと、などなど。多くは女性が人生において経験する感覚や感情についてが多い。その細かな観察眼に舌を巻く。決して心地のよい追体験ではない100ページが続く。

    そして後半はいよいよ友人との逃避行のような旅先での2人暮らしだ。そのなかで主人公は、友人の死を隣の部屋で見届ける恐怖心に襲われながら、友人のために穏やかな日々を過ごす。そこに、小説の前半の回想が重なる。What Are You Going Through(あなたはどんな思いをしているの?)が原題なのだが、そのとおり、人生において、友情において、外面からは推し量れない内面においてどんな気持ちを抱いてきたかにフォーカスが当たった不思議な小説だ。

    友人は死を恐れている。おそらく。しかし、癌より先に自分で自分の始末をつけたいとも思う。治療も緩和ケアももうしないと決断した。読書が好きだったがだんだん読めなくなる。音楽が好きだったが、だんだんと何の癒しにもならなくなり、鳥のさえずりだけでよいと思うようになる。友人には少しずつ終末に向けた変化が訪れ、主人公の恐怖も静かに高まる。

    映画にもなっているそうだ。気が付かなかった。観てみたい。この内面豊かな友情の旅は、視覚メディアではどう描かれるのだろう?

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    2026年01月31日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原題『What Are You Going Through』。
    邦題も英語という中々ないタイプの訳出。
    と思ったら、映画化されたときのタイトルを取っているのね。
    今、この時に何を想い、どう未来と向き合おうとするのか。
    旅立たんとする者とかたわらで寄り添う者、各々を象徴するかのようなタイトルの意味にそこここで思いが向く。

    癌を患い闘病中の友人を見舞う語り手。
    たまたま訪れた地の民泊で紹介されていた元恋人の講演会をきっかけに、にぶい胸の痛みを伴う思索ばかりが紙面を通じて読者に伝えられる。
    気付かぬふりをしながら分かりきった崩壊に向かってじり進む世界、人生の終焉に対する岐路を迎えてもなお距離が埋まらない母子関係、恵まれた容姿で疎ましいほどの色目を向けられていたことが遠い過去へ過ぎ去ってしまった今の自分に対する忸怩たる思い。
    分断と傷つけ合い。かっこつけの隣人愛。

    そんな厭世感巡る中で、友人からのこれまた深刻な頼みに応えるため、語り手と友人は一つ屋根の下の生活を始める。

    そこはかとないユーモアを交えつつ語られていくのでからっとはしている。
    ただ、やはりまともに向き合えばその示唆するものはお先真っ暗でどこかげんなりすることばかり。
    だからこそ、ストーリーを追う頭とは別のポイントで、今自分は何を大事にし、何をすべきなのかを意識してしまう、そんな感覚にどっぷりと浸からせられる作品だった。

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    2026年01月17日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    Posted by ブクログ

    哀しい話が最近は読みたい気分なのかも。話はいろんなところに寄り道するけど、どの話も悲しく共感して考えさせられる。結構好きだった。

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    2025年08月09日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    Posted by ブクログ

    アルモドバルの映画になってるそうで、原作物だけど大丈夫かな?と思ったのだけれど、杞憂であった。妙に迫ってくる。考させられ、余韻が残る。

    そうだ、この人『友だち』の人なのね。あれも生と死や人間関係がちょっと不思議な感じだったなと思い出した。

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    2025年03月03日
  • ザ・ルーム・ネクスト・ドア

    Posted by ブクログ

    中年女性作家のわたしは、重い病を患う友人を見舞う。友人の告白に戸惑うわたしの選択は…。

    「死」を間近にした友人と過ごす時間のなかで、さまざまな人物の描写がある。
    そのなかでも友人親子の関係は重たく感じた。
    ほっとするのは宿泊先のホストの保護猫だろうか…
    終わりに近づくほどに何気ない描写のほうが印象に残るのは何故だろう。
    それほどまでに「死」を意識したくないということだろうか。
    避けては通れない「死」、その不安に対して明確な答えはないけれど、どんな思いで迎えるのだろうかと考えてみることはできる。

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    2025年02月26日

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