シーグリッドヌーネスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短めの長編なのに、ずっしりとした読み応えの作品だった。あらすじを書くと、小説家の主人公の女性が、病に伏し余命幾ばくもない若かりし日の友人に呼び出され、自分は薬で安楽死をするつもりなので最後の日々に隣の部屋にいてほしいと頼まれるというもの。
だが、長くない作品なのに最初の100ページ以上はストーリーが動かない。主人公のとりとめもない思考、回想が脈絡もなく続く。友人が娘と折り合いが悪いこと、ある美しい女性にとっては年を取ることがとても残酷な状況をもたらすこと、良かれと思って認知症気味の隣人の女性との交流を買って出るもののやがてやめたいと後悔したこと、などなど。多くは女性が人生において経験する感覚 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原題『What Are You Going Through』。
邦題も英語という中々ないタイプの訳出。
と思ったら、映画化されたときのタイトルを取っているのね。
今、この時に何を想い、どう未来と向き合おうとするのか。
旅立たんとする者とかたわらで寄り添う者、各々を象徴するかのようなタイトルの意味にそこここで思いが向く。
癌を患い闘病中の友人を見舞う語り手。
たまたま訪れた地の民泊で紹介されていた元恋人の講演会をきっかけに、にぶい胸の痛みを伴う思索ばかりが紙面を通じて読者に伝えられる。
気付かぬふりをしながら分かりきった崩壊に向かってじり進む世界、人生の終焉に対する岐路を迎えてもなお距離が埋ま -
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Posted by ブクログ
間もなく死を迎える友人と共に暮らす私… 逃げ出せない絶望の核心を描く #ザ・ルーム・ネクスト・ドア
■あらすじ
作家である私は、若い頃にルームメイトだったこともある友人に相談された。友人は重い病気を患っており、間もなく死を迎えるらしい。そして彼女は心の準備ができたら薬を飲んで死ぬため、それまでの間は近くにいてほしいとのことだった… 悩みながらも承諾した私は、友人と暮らしながら死について見つめ直すのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
人生や死生観を見つめ直す物語。起承転結のあるエンタメ小説ではありますが、老いや死をはじめ、生き方、美意識、人間関係、子孫を残すことなど人生について深く突き詰 -
Posted by ブクログ
癌に冒された友人に、死ぬ時は自分で決めたい、自分が逝く時に同じ屋根の下にいて欲しいと頼まれた話者のモノローグで綴られた物語。
質疑応答の時間を設けず淡々と絶望的な地球の未来について講演する話者の元恋人や、話者が思い出す現実やフィクション作品の中の人々を通じ、生きづらく、恐怖に満ち、絶望的な未来しかない「生」というものが描かれる一方、それでも別れづらいその「生」、生きようとする力や最後まで自分が他の誰でもない自分として生きた実感を持っていたいという願いも描かかれ、そこに是非の評価をつけない話者の文章のトーンによって、読者も各々の死生観を振り返ることとなる。
死にゆく愛する者を見つめること、死にゆ -
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