内田幹樹のレビュー一覧
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飛行機の故障によって、飛行機がコントロールできなくなる
ということは、あり得る話である。
どうやったら、その故障を 故意に行なって、
その故意性を、隠蔽するか と言うことが重要だ。
ある意味では、空飛ぶ 密室殺人事件のようなものだ。
大気の圧力を測るスタティック孔(static hole 静圧孔)を塞ぐことで、
操縦不能となると言うことが、この物語の鍵を握る。
スタティック孔が、塞がれることで、計器のデータが狂ってしまう。
つまり、飛行機の状況把握ができなくなり、
コンピュータの故障と理解して、違った操作をしてしまうことで、
失速して、墜落する。
女性パイロット1号になる予定だった ノゾミ -
Posted by ブクログ
実際にANAのパイロットだった著者が、パイロット物語。
成田から 雪の吹雪くニューヨークまでのフライトの中で、
新米機長 村井、ベテラン機長 大隅、そして 査察を担当する氏原。
3人をめぐって、村井と大隅の視点で 物語られる。
氏原に対する 村井の 風評からの人物評価。
そして、査察と言うものが どんな意味があるのか?
チェックされて 機長の職位が
剥奪されてしまうという心配から、緊張する。
一方で 村井は 職人気質なところがあり、
コンピュータの指示に従うよりも
自分の技量で 美しく着陸すると言うことにこだわる。
大隅はベテランであり、パイロットの教官だったりしたので、
チェック項目は -
Posted by ブクログ
飛行機好き、旅好きでよかった!
エアライン好きなら絶対に読んだ方が良い!と断言できる名著。まぁ飛行機嫌いの方は読まない本だと思いますが。。
旅客機が出てくるストーリーものと言うと、やれハイジャックだ、やれ事故だ、やれ出発空港に引き返すだの。もちろん、何か起こるからこそドラマが生まれるというのはその通りではあるのですが。
しかしこの小説は、普通に飛行機を飛ばすという話。それにもかかわらず、ここまでのめりこんで読めて、ここまで感動できる、ということを示したもの。深くパイロットという仕事を知る内田氏だからこそ描けるドラマを堪能しました。
ストーリーは、成田からニューヨークに向かうANAそっくりの架 -
Posted by ブクログ
『機長からアナウンス』で有名な元全日空の機長内田幹樹さんの航空小説。
1997年の第14回サントリー・ミステリー大賞で優秀作品賞を受賞した作品。
以前にも書いたが、わしは航空モノにヨワイ。
ヨワイったらヨワイ。
飛行機を知り尽くしている人が書いているだけに、
機内の様子は迫力に満ちているしリアルな恐怖。
何ヶ所か飛行機好きの急所をつくところがあって、
そのたびに涙ボロボロ。
電車の中で人目も憚らずウルウル。
そういえば何年か前TBSで放送されたキムタクのドラマ『グッドラック』でも、
急所を突かれまくりで毎回ウルウルになってしまったっけ。
パイロットと管制とのやりとりもホンモノの言い回しだか -
Posted by ブクログ
この小説は、航空サスペンスではない。
しかしながら、オビにある最高傑作の文字は紛れもない真実だと思う。
この小説は、新人機長の北米路線の査察飛行という日常がテーマであり、実際に物語の進行に合わせて機は成田を飛び立ち、若干降雪で進入待機がかかるもののJFKに無事に着陸するという乗り合わせた乗客であっても平凡なフライトを取り扱っている。
しかし、この小説の中には有償飛行を行うパイロットの心得とか、若年管理職と年配部下の微妙な人間関係や査察を受けるパイロットの微妙な心理などが複雑に絡み合いなんとも緊迫感のあるコックピットを描写している。
そして、圧巻はJFKへのアプローチ。
毎回こんな緊張で