守岡桜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時間が有り余っている学生時代に読めておけて本当に良かった。
r > g の原則を知らずに社会人として社会に放り込まれていた可能性を考えると怖くなる。
中々裕福になれないやるせなさを感じるも原因は分からない。なぜなら資産の大半は上位層がガッツリ確保しており、それを使って芋ずる式に不労所得を蓄えているのだから。
歴史から得られる原則と、信用性の高い数字と向き合う大切さを学べた。
様々な事象や通説が重なりあって経済は動いている。
あとは読解力がかなり増した気がする。本書を読む前後では、他の本を読む時の理解力が断然に違う。
本書に出会えたことに感謝を。 -
Posted by ブクログ
5年以上、積読だった本。きっと一人じゃ読まないままだ、と思い友人を巻き込みたった二人の読書会を企てました。二週間に一部ずつ読んで、週末2時間zoomで語り合うという方式です。全4部構成を4回で読み終わりました。ものすごい達成感!ノートを取りながら読書したの学生以来か。夜、夕食後に自宅で集えるzoomという仕組みに感謝。いやいやこの試みに付き合ってくれる友人の存在することが最大の幸せ。大昔、パルコのコピーに「本読む馬鹿が、私は好きよ。」というのがありましたが、本を読む馬鹿仲間は宝物です。この読書会と同時に読んでいた「人新世の資本論」でピケティの新刊「資本とイデオロギー」が出ることを知り、次のテキ
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Posted by ブクログ
フランス人経済学者による、資本主義について書かれた本。
著者は、r>gという不等式を使って、過去に蓄積された富が、労働賃金の成長より上回ることを問題視している。フランスをはじめ、イギリス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国、あるいは米国、日本などに関する豊富なデータをもとに、論理を展開しており、論理的で説得力がある。問題解決策として、累進的な資本税の導入を主張している。
マルクスやレスター・サローと資本主義に関する分析は大きく違わないと思うが、不完全にしろデータの裏付けがある分、より学術的アプローチに挑戦していると言えるのではないか。
「資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生 -
Posted by ブクログ
19世紀から20世紀にかけての世界のお金の流れを、今までにない規模でのデータから集約、分析し、資本主義のなかで拡大する格差に歯止めが必要であると訴える書。
ふとしたきっかけから手にした、ピケティ『21世紀の資本』。
本文、およそ600ページ。
経済の話、苦手だし……、読んでもわからないかもしれないし……。
読まない理由はいくつもあったけれど、2010年代を代表するベストセラー、せっかくならどんな本か知りたい!と1ページ目から体当たりしていくことにしました。
さいしょは「資本」とか「所得」の用語が出てくるたびに、意味が頭に定着していないから、いちいち立ち止まっていました。
ノートにメモをとっ -
Posted by ブクログ
上下巻分厚い本だが、索引の分量も上下巻それぞれ100ページ以上あるので見た目で避けない方がいい。現在プーチンのことを知ろうと思うと一番良い本かもしれない。
なぜプーチンはウクライナ侵攻というロシアの今後数十年を捨ててしまうような暴挙に出たのか。その答えが100%クリアに示されているわけではないけど、プーチンの考え方の変遷はソ連崩壊からの立て直し、現実的な西側への対応から始まりアメリカ、NATOへの失望からロシアの大義への回帰、という流れなのかなと感じる。
ここのエピソードでなんとなくプーチンが常に一枚上手的に魅力的に描かれるように感じるのはなぜだろう。
長いお話はおそらくあとがきの著者のまとめ -
Posted by ブクログ
20世紀から続くプーチンのロシア。ウクライナへの侵攻はロシアとプーチンを決定的に理解不能なものにした。気軽に読むには少し分量が多いけど西側ジャーナリストである著者の視点に基づいて大量の資料から編まれた伝記は一体プーチンとはなんなのかについて、理解しようとする試みには多少役立つと思われる。
個々のエピソードはイメージ通りのロシア的な冷徹さや闇の部分はもちろん、意外と人間関係を大切にするところだったり、少なくとも過去のソ連やロシアの指導者(ロシアの例はエリツィンしかいないけど)にはない清濁合わせ飲んで議論ができるキャラクターだったりと意外と魅力的なところもあったりする。大統領就任ごの初期の時期に限