小島毅のレビュー一覧

  • 朱子学と陽明学
    放送大学の講義がベースになっているだけあって、短いけれど読み応えがある。ある程度儒教の予備知識があって、だけれども朱子学と陽明学の本質的な違いがあやふやな初学者にとっては非常に有用である。
    これを読むと原儒と宋学以降の儒教は別物であり、それらの差に比べれば朱子学と陽明学は親戚のようなものであることが...続きを読む
  • 中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代

    ドラマの時代背景を知るのに良い

    三国志関連の作品が好きな人におすすめです。
    時代背景や作中の思想のベースができて、物語の理解が進みます。
    特に、三国の国力の違いや外交、そもそもの統一に対する価値観の違いが目から鱗でした。
    また軍師連盟見返そうかな…
  • 中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代
    物語で馴染みのある三国志演義との相違点の解説も交えながら、時代の流れに沿って出来事を辿り、文学や宗教などのさまざまな観点から三国時代を見るという、通史の解説本に求めるものが全て詰まった実に面白い本。
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代
    中国の歴史シリーズ第9巻。中世を抜けて近代を迎える明・清時代を描く。
    「海」「銀(貨幣)」「物(生産と物流)」など巨視的な流れを捉えながら、皇帝や官僚・商人の業績を時代の雰囲気を伝えるために紹介している。
    中国が歴史的に大陸国家で、鄭和を除いて海洋に進出することがなかった背景を知りたくてこの本を読み...続きを読む
  • 中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代
     隋唐時代はあまり面白くないイメージがあったのですが、とても面白かった。広大な帝国を統べる強大な皇帝がいて、絶大な権限を奮っていたのだろうと思っていたのは違っていました。
     春秋戦国時代を終わらせて、南朝の陳を滅亡させ中国全土を統一した初代皇帝(文帝)は、14歳年下の皇后に頭が上がらず、後宮には数千...続きを読む
  • 中国の歴史10 ラストエンペラーと近代中国 清末 中華民国
     このシリーズを12巻から読み進めているのですが、こに「ラストエンペラーと近代中国」は現代中国を理解するために必読の本だと思います。
     中国は辛亥革命以降僅か100年余りしか経っていないのですが、常に変化してきました。中央集権的な2000年が続いた国ですが、春秋戦国時代や列国に分断された時代など、地...続きを読む
  • 中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平
     中国がGDPでアメリカを抜き去るのは時間の問題となっています。日本が抜かれたのは2010年ですが、現在では日本が500兆円で中国は1400兆円なのです。
     この本はそんな中国がどうしてできたのか教えてくれるすごい本でした。500頁もある本ですが面白いのでノートをとりながら一週間で読み終えました。中...続きを読む
  • 中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平
    文庫化にあたり、原著刊行後から現在にいたる時期が大幅に加筆されている。今後の中国を考える上で非常に示唆に富む一冊。しかし、文革期までの中国現代史は近代史以上の混迷を見せていたように感じる。
  • 中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代
    前半で隋建国から唐滅亡までの通史、後半で様々な視点からの社会の諸相、周辺国との関わりといった幅広い内容で、時代の理解を深めるにはうってつけの内容。懐の深い時代だったと感じさせられる。
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代
    元朝は江南産の物資を大都に運ぶために穀物輸送の海運と塩その他の大運河を利用したが、安定した供給とすることができなかった。大運河は紅巾の乱で寸断され、海運は方国珍や張士誠に制せられた。
    朱元璋は胡惟庸の獄で独裁中央集権化を進め、里甲制で皇帝と臣民が直接相対する体制を作り、雲南攻略で海から遠ざかり内陸に...続きを読む
  • 中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代
    三国時代のことで卒論を書いたのももう昔。さらっと三国時代をおさらいするのに本書を手に取りました。演義と正史、実態と思われるところの比較や政治的な流れ、文化的な動き、国際関係などなど、わかりやすく書かれています。改めて三国時代が画期になっていることは多くあると実感しました。それだけに、三国時代にシリー...続きを読む
  • 中国の歴史3 ファーストエンペラーの遺産 秦漢帝国
    秦漢時代が扱われる。文献と出土資料の両面から、最初の統一帝国とその後継国家の通史が叙述されていて、この時代を包括的に知るためには非常に優れた内容だと思う。
  • 子どもたちに語る 日中二千年史
    偉大な“兄”中国と、“従弟”の日本。二つの国の成長譚が分かる本。
    日本が中国に対して抱いてしまう、海を隔てているが故の理想と、拳を交えたことで知った弱さ。それは、日本人の、中国人に対する偏見=己との違いでもある。
    その指摘には、この本が、子ども達に語るべき二千年史であるという、著者の誇りを感じた。
    ...続きを読む
  • 朱子学と陽明学
    入門書としてわかりやすい。もっと読み返して、自分のものとしたい。

    日本に与えた影響。
    また、中国でどのように受容されきたのかもわかる。

    本書は、少し前に放送大学ように書かれたものであり、さらに研究がすすんでいると思われる。
    筆者のあらたな知見をもりこんだ書の刊行を望む。
  • 足利義満 消された日本国王
    歴史をテーマにした新書には、ときどきものすごい本(下手な表現だけど、変わる言葉が見あたらない。)がある。
    本書でもたびたび引用されているけれど、「室町の王権」(今谷明 著)はそれの代表事例。歴史教科書で出ては来るけれど、「独裁体制を打ち立てるため守護大名をいくつか潰したり、南北朝統一を達成し、室町幕...続きを読む
  • 父が子に語る近現代史
    一般向けの書籍とはいえ、時々刺されたり考えさせたりして、面白く読みました。ツッコミ(自虐的なのも含め)はノリがよい。あと娘さんは山下智久が好きだったよねw
  • 中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平
     毛沢東と鄧小平の2大巨頭の台頭、権力掌握そしてその後の基盤強化、後継者への移譲という動きを中心に記載しており、かなり詳細な100年近い中国共産党史ともいうべき内容。1949年の建国後の反右派闘争、大躍進政策、文化大革命という大きな歴史がいずれも毛沢東のリーダーシップのもとに発動され、鄧小平はその中...続きを読む
  • 中国の歴史2 都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国
    中国の周建国から春秋戦国時代までというと、史記に書かれている諸国・人物の動向のみが歴史として語られてきたように感じる。確かに重要なことかも知れないが、司馬遷の書いた「物語り」をそのまま中国の古代史と考えて良いのか?まさに司馬遼の日本史をそのまま歴史で紹介しているようなものではなかったのか!全く想像も...続きを読む
  • 中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平
    中国史を通史で駆け足で学んだものの、三体でも言及されていた文革など近現代の歴史でまだまだ理解できていないことも多かった。そんな中、毛沢東、鄧小平らを中心とするここ100年以内の歴史の流れがわかりやすくまとまっていてとても理解しやすかった。今の習近平体制に変わってからの解説も読みたいと思っていたので、...続きを読む
  • 中国の歴史7 中国思想と宗教の奔流 宋朝

    価値観が異なる人々の言動

    五代十国から宋を扱った歴史書である。現代人の視点から見た経済史や階級闘争、生活史は新鮮で読んでいて楽しい。しかし、当時の為政者や軍人そして庶民はどのように考え、感じ、そして行動したかを記述することはより一層重要である。現代国際政治でも言えることだが「価値観が異なる人々の言動を自分たちの価値観で判断す...続きを読む