小島毅のレビュー一覧

  • 江と戦国と大河~日本史を「外」から問い直す~

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    研究者の書いた本には基本的に☆をつけないことにしてるのだけど、これはとても面白かったので例外で。
    この本に繰り返しかかれているように、大河ドラマのホームドラマ化には私も反対!

    この続編?になる「平清盛」版も読んでみたいです。

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    2012年04月08日
  • 織田信長 最後の茶会~「本能寺の変」前日に何が起きたか~

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    2009.08.02
    東アジアの視点から信長を論じる。 全七章のうち二章を暦に裂くなど、ただ信長についてだけ読みたい人であれば退屈かもしれない。 戦国時代の常識を汲み取ろうというのは良いと思う。

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    2009年10月08日
  • 足利義満 消された日本国王

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    この一冊はもっと高く評価してもいい気がするが、何分筆が走りすぎているというかエッセーなので・・・。
    しかし、日本において、中華皇帝の権威を元にした政権ができそうになっていたこと、そして、それは「天皇になろうとしたか否か」といった日本史的な文脈とは一切関係ない、東洋史的な事件である、といったこの本の主張は、非常に合理的だと思います。
    日本にそうした中華冊封体制が必要であったか、あるいは、中華皇帝を受け入れた日本というものがどのような道をたどったであろうか、そうしたことを「今から遡って考える」なら、足利義満に高い評価はできないでしょう。
    しかし、足利義満は日本史では誰も(少なくとも天皇という存在が

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    2009年10月07日
  • 子どもたちに語る 日中二千年史

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    日本が中国からどのような影響を受けてきたか。
    一言に中国の影響といっても、北の地域の影響だったり、南の地域の影響だったり、時代によって違うのですね。
    高校生向けに書かれていてわかりやすくて良いです。

    呉音、漢音、唐音といった漢字の読み方、漢詩、落語の話などがおもしろかったです。

    歴史は未来に続きます。
    学んで良いものにしていけますように。

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    2024年02月27日
  • 儒教が支えた明治維新

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    “儒教が日本の近代化を支えた”というとかつて森嶋通夫氏が『なぜ日本は「成功」したか?―先進技術と日本的心情』(1984年)で提起した問題を想起させられるが、こちらは日本がなぜ近代化に成功したかを中国哲学受容の長期的視点から論じたもの。

    著者は「はしがき」において「19世紀には儒教の教義内容が武士の間に広く浸透して国政改革への志を育んでいた。明治維新はこれを思想資源としている」(p.9)と述べ、たとえば丸山真男などに批判される江戸時代の体制教学としての朱子学などはむしろ近代西洋の学術体系を移入するさいの「培養基」となった点を重視するべきと主張している。慧眼だと思う。朱子学的教養に支えられた能吏

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    2024年01月06日
  • 父が子に語る日本史

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    トピック的に日本史を眺めるというもの。著者は中国思想史家なので癖があるように思う。東アジアという視野を持って日本を見るのはそのとおり必要なこと。皇国史観の批判を今更してもと思ったが、著者はそこから射程を儒教や自由主義や民主主義まで伸ばし、人を食らうものという。それには賛同するが、現在だから言えるのではないか、それこそ著者の言う当時の人の考えや行動を現代の観点で採点するというものではないかという疑念を拭いきれない。すべての宗教、イデオロギーを嘲笑するニヒリズムが一段高いところに位置するというのは正しいのか。何も信じずに人間社会は成り立つのか?

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    2022年09月10日
  • 父が子に語る近現代史

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    「歴史は基本的に文学だと考えている。」私に言わせれば、事実は客観的なのに、観点は主観的に過ぎないだ。

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    2021年08月20日
  • 義経の東アジア

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     平家台頭から源平合戦、鎌倉幕府設立に至る武家の成長、独立の時代の意義、特色を、広く東アジアにおける時代環境の中で論じた書。

     中国大陸では、遼・金と宋(南宋)の南北並立時代であった。 
     平家、平清盛が権力を振えた一つの理由が日宋貿易からの巨富であったが、中国からは宋銭、日本からは金(ゴールド)が主要な貿易品であった。そして、日本で金を産出するのは奥州平泉。平泉と言えば、義経との関係。 
     源平合戦と言っても、大きな枠組みで言えば、貿易、すなわち海外との交流を是とする平家、土地を基盤とする東国武士団に担がれる源氏・頼朝、中国北方とも繋がりを持つ奥州平泉氏、これら3つの集団があって、その中で

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    2021年04月30日
  • 朱子学と陽明学

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    放送大学の教材を改稿した本で、朱子学と陽明学を中心に宋代以降の中国思想史をわかりやすく解説しています。

    本書とおなじタイトルで、名著として知られる島田虔次の『朱子学と陽明学』(1967年、岩波新書)がありますが、本書は「文庫版まえがき」で書かれているように、朱熹や王守仁らを「研究対象として突き放す立場」をとるとともに、「過去に存在した思想教説を彼らの意図に即して解析する」という方法にもとづいています。とくに、それぞれの思想家たちが彼らの生きた思想状況のなかで抱えていた問題にどのように対処しようとしていたのかという意図をあぶり出し、そこから思想形成にいたる過程を、ある意味では「覚めた」視線で書

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    2020年05月25日
  • 父が子に語る近現代史

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    これまでの近現代史とは少し視点、角度を変えてアプローチしたもの。幕末から現代に至るまで連綿と底流に流れている思想的背景と、常民という言葉を使いながら一般大衆が近現代の時代の空気を作っていき、この時代の方向性を決めることに常民が果たした役割は小さくなくいことを再認識させられる。これからの時代を生きる我々として、隣国の歴史も正しく理解した上で、この国の向かう方向を考えたい。

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    2019年12月24日
  • 増補 靖国史観 ――日本思想を読みなおす

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    元は新書だった本らしい。この本の特色は、思想としての靖国神社のバックボーンを、神道ではなく、儒教/朱子学と規定しているところ。著者によると江戸時代の水戸藩で育まれた「国体」思想が、明治維新を経て、戦前に復活したということらしい。
    確かにこの「国体」概念というのは、日本独特のものである。日本は戦時中においても、ファシズムとも君主制とも異なっていた(もちろん、共和制でも民主制でもないが)。その中心にあったのは「国体」という不気味な概念だった。
    この「国体」とは、「神話の時代から脈々と継がれてきた、天皇を神と仰ぐ国民体制」と言える。いま国民体制と書いて国家と言わなかったのは、普通の国家体制とは違う、

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    2015年11月28日
  • 増補 靖国史観 ――日本思想を読みなおす

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    招魂社が西南戦争による多数の官軍戦死者を顕彰するために靖国神社と改称された。そして、それからは「「天皇のために戦えば、身分や出自を問われることなく、国家によって神として祭られる。」靖国は、官軍すなわち「皇軍」において、徴兵制度によって駆り集められた兵士たちをやる気にさせる恰好の装置だった。」のように靖国神社はきわめて政治的に利用されたのである。それにしても、天皇が靖国神社に参拝されない状態を戦没者を肉親に持つ人たちはどのような心持で おられるのでしょうか。

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    2014年08月09日
  • 江と戦国と大河~日本史を「外」から問い直す~

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    NHK大河ドラマ「江」放送当時に読みました。その前の「坂本龍馬」は全然見なかったのですが、「江」は便乗本まで買ってしまいました。まあ「大河ドラマを10倍楽しむ」一冊というやつです。
    books197

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    2012年08月13日
  • 江と戦国と大河~日本史を「外」から問い直す~

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    大河ドラマ観賞歴40年の著者が放映開始直前に書いたものらしいが、シナリオを知っていたのか当時から「それいけ江ちゃん大活躍!」的なドラマになる事を危惧していた感はある。 
    しかし登場人物の女性が度々口にする「私は戦が嫌いです」云々については、”乱世を嘆くのは当事者ではなく現在の書き手読み手”には納得、たとえ過去の大河のように無難な脚本で描いたとしても、あくまでも現代人の感覚のフィルターを通してしか戦国を見ていないわけで、バッシングも多いらしいが今年の大河もこれはこれでアリなのではないかと緩く再確認。

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    2011年06月27日
  • 足利義満 消された日本国王

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    [ 内容 ]
    かつて東アジア世界で日本が日本として生きていくために活躍した、一人の偉大な政治家がいた。
    その名は足利義満。
    いま、日本の行く末が不透明になりつつあるなか、六百年前に「この国のかたち」を明確に構想し、周囲の雑音を一掃してその構想に向けて邁進したこの人物に、われわれは学ぶべきことが多い、と思う。
    とりわけ、彼の「東アジア性」をわたしは高く評価したい。
    ―最新の歴史学の知見と朱子学研究の成果をもとに、気鋭の歴史学者が、逆臣・義満像をくつがえす。

    [ 目次 ]
    序章 消えた金閣
    第1章 日本国王源道義
    第2章 義満時代の東アジア情勢
    第3章 ゆがんだ南北朝史
    第4章 東アジア思想史上

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    2011年04月11日
  • 織田信長 最後の茶会~「本能寺の変」前日に何が起きたか~

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    タイトルは釣りっぽいなぁ。信長関係ないし茶会関係ないし本能寺関係ないし。「東アジアから見た戦国時代の文化史」くらいの内容。そう思って読めば内容そのものは面白い。

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    2010年03月09日
  • 足利義満 消された日本国王

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    2009.09.08
    ちょっと脱線おおいです。エッセーのような笑
    面白かったけどちょっと読み辛かった

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    2009年10月08日
  • 足利義満 消された日本国王

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    中国から見た日本史の一環。今まで利益を得るために明にへつらった国辱者と言われていた義満を、国際関係を深く理解した孤高の改革者という位置づけにしています。
    説得力あると思いますが、こうすると北条時宗の評価と逆転するし、抵抗多いだろうなあ。
     脱線が過ぎるので評価はきびしめに。

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    2009年10月04日