中澤務のレビュー一覧

  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ソクラテスがプロタゴラスに徳をテーマに論戦を挑み三段論法炸裂によるカタルシスは痛快というか、物語性がある。
    古典新訳文庫は本当に読みやすい。

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    2012年08月31日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    若き日のソクラテスが、当代最強のソフィストであるプロタゴラスとの間でスリリングな論争を繰り広げる。
    苦戦を強いられるソクラテス。
    果たして戦いの行方は!?

    カジュアルな訳文で、心地よく読み進めていくことができる。また、いわゆるソクラテス・メソッドの実践本としても読むことができる良書。

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    2012年03月31日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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     「人間は万物の尺度である」という言葉で知られる高名なソフィストであるところのプロタゴラスとソクラテスの徳に関する対話篇。ソクラテスというのは、本当に人を喰ったようなたぬきオヤジだなとつくづく思った(笑)。そして抜群に頭がいい。対話の主導権を握る方法の最も最古のものはソクラテスなのではないかと思ってしまうほどに。

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    2012年02月27日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    まず一言にまとめるなら読みやすいということである。
    古典だからとびくびくしながら手に取ったが読み進めるうちにものすごくのめりこんでいくのが心地よかった。さーっと読めてしまいそうで、実は一度突っかかってしまうと再起は困難である。毎項じっくり味わっていくのがいい。

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    2011年12月16日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ソクラテスの立論の仕方から感じるのは、「あいまいな応答」を許さない、ということ。質問に対して相手の答えを聞いたら、「それはどういうことか。AとBが考えられるが、そのどっちだ。」「その答えは、先に君が答えたこととは整合しない、つまり先に君が言ったことは間違いということだ」といった、混ぜ返しで本質に迫る、というもの。

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    2018年10月14日
  • 饗宴

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    興味本位で哲学関連の本を手に取りました。

    イデア論で知られるプラトンの一書で、愛を司るエロス神を様々な登場人物の口から賛美させるというもの。
    ただ、結局は師であるソクラテスを称賛する形で締められており、愛を哲学するというには、潔さに欠ける構成だと感じてしまった。

    西洋哲学の源流ともされる古代ギリシャ哲学ですが、ギリシャ神話を前提にしているために、その視点にとらわれるのは致し方の無いところで、「愛」に対する普遍的・本質的な解釈にまでは当然昇華しきれていないですが、それでも古代の制限された知識のなかでここまでの議論がなされていることは興味深いです。

    なお、古代ギリシャと現代との社会通念の乖離

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    2025年09月11日
  • 饗宴

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     わかったようなわからんような…「エロス」神についてソクラテスがいろんな人に語らせて、最後おいしいとこ持っていくみたいな感じ。
     でもソクラテスのような「知」を愛する哲人には簡単にはなれないんだよ、っていう。
     
     本書の裏表紙の紹介文では「なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか?」とあるけど、実際には当時のギリシャの「少年愛」が主題。解説ではそれは男女の恋愛にも通じる、とはあったけど。この点を含めて訳者による解説は充実。訳も読みやすい。

     「エロス神」と聞くと「ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々」をつい思い出しちゃう…。自分は到底哲人の「て」にもなれませんわ。 

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    2025年03月29日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    ネタバレ

    お金のように、時間にケチになることを薦めた本。
    自分の時間を見直したい。

    人間の誤りを乗り越えた偉大な人物は、自分の時間から、何一つ取り去られることを許さない。

    あなたの人生の日々を監査してみなさい。あなたの手元に残る日々は、ほんのわずかな残りかすにすぎない。

    全ての時間を自分のためにだけ使う人、毎日を人生最後の日のように生きる人は、明日を待ち望むことも、明日を恐れることもない。

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    2025年01月16日
  • 饗宴

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    アガトンのコンテスト優勝を祝う宴席の場で、出席者がそれぞれ愛の神エロス(解説によればキューピッド)を賛美するお話。

    構成が凝っていて、出席者アリストデモスが宴会の様子をアポロドロスに話し、アポロドロスは、その話を聞かせろ、とせがむグラウコンに一度話をしたので、お安い御用と今からもう一度その話を読者に対してする、という設定(でプラトンが創作している)。プラトンが哲学者になる前のお話だから口頭伝承の形にしてしたのだろうか。

    いろんな説が出る中、最も有名なのは、古代、人類は男・女・アンドロギュノスの三種類があって、神の怒りを買って真っ二つにされた、失われた片割れを求めて人類は愛し合う、というもの

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    2025年01月13日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    ネタバレ

    光文社古典新訳文庫の訳のおかげなのか、プルタルコスやキケロよりだいぶ読みやすい。読みやすいけど、内容は哲学というより自己啓発的な内容でちょっと退屈でもあった。
    「われわれは、短い人生を授かったのではない。われわれが、人生を短くしているのだ」という「人生の短さについて」はなかなか耳の痛い話だ。過去の哲人の英知により打ち立てられたものこそ(世俗の名誉と違って)永遠である、という部分はちょっとプラトンの「饗宴」を思い出した。多忙な仕事に追われることをやめ、そのような過去の英知を知り求める事が真の閑暇である、とセネカは言う。そうして永遠につながることができる、というのはなかなか美しいと思った。しかし、

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    2024年12月30日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ジョンCボーグル「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」にて引用。
    命題、徳は教えられるのか?
    「プロタゴラスとの対話」
    若きソクラテスが、プロタゴラスを質問攻めにするが、ソクラテスお前は何が言いたいのだ?
    真実に迫れているのか?それで、満足するのか?
    「詩を論ず」
    ソクラテス、良いこと言うね。ギリシャ人たちの言葉遣いの厳密さが光る。
    「プロタゴラスとの対話」
    知識は、快楽をはじめ、なにものをも支配する。
    第7章は再読したい。

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    2024年11月03日
  • 饗宴

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    所詮私は私でしかなく、子は私とは別のものでしかない、というのはしごく簡単な疑問である。しかし、この疑問を解決するのは実に 簡単で、我々がそもそも我々自身と思っている物ですら、子供から老年までに構成要素から外見まですっかり変わってしまっているのであり、 それをして同一であるとみなしているのである。また、これは心の状態(欲求、快楽、苦痛)にも同じことが言える。そして、 我々は(動物も含めて)上記と同様に、神のように永遠に同一性を保つというやり方ではなく、老いて消え去りながら、自分にに似た別の新しいものを 残していくというやり方で永遠の自身を確立させるているのである。これについては、ヒュームが極めて

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    2024年07月27日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    Twitterでたまたま見かけて手に取った。
    古代ローマの哲学者の本なんて理解できるのか…と不安だったけど、とてもわかりやすい訳で驚くほどすんなり読めた!

    表題作よりは「心の安定について」が一番面白く読めた。「人生の短さについて」は他の文章より例えの連続という感じで、読んでいて退屈なときもあった。

    紀元1世紀のローマの人の例えが時代や国が違う自分にも共感できること、文章がしっかり残っていること、日本語訳ができていることなど、全てが新鮮で驚きの連続だった。
    セネカ自体が大昔の人なのに、セネカが例え話に出す人物が紀元前5世紀…みたいな感じで、セネカの時代はどうやって過去の人物のことを勉強してた

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    2024年06月06日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    人間としてのよさ(アレテー)は教えることができるのか? アレテーとは何なのか?
    最高の頭脳を持つソクラテスとプロタゴラスが論戦を行うが、最終的に答えは出ない。
    勝手なイメージで、こういった古典作品は作者の主張を明確に読者に伝えるものだと思っていたがそれを裏切られる作品だった。
    読後、頭はモヤモヤしたままだが、それを考え続けることが哲学なのだというプラトンからのメッセージなのだろう。

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    2024年06月02日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    ネタバレ

    【背景】
    ストア派のエリートであったセネカだったが、色々なことに巻き込まれ流刑にあった。その後ローマ皇后によって、息子の教育係となることを条件にローマに戻してもらった。その息子ネロは後に暴君となってしまい、セネカは政界から身を引いた。その後、働きすぎの穀物管理責任者である男に向けて書かれたのがこの作品である。
    【要約】
    金や土地といった財産については皆必死に守るのに、時間という財産については皆簡単に浪費してしまう。
    浪費というのは、欲望に溺れること、仕事に追われること、怠惰に過ごすこと、他人の目を気にして神経をすり減らすことである。今までにどれくらいの時間を他人に掠め取られてきたか?

    君は自

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    2024年02月22日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    人生の短さにについて、というに対し、細かくテーマを設けて簡単な説明がなされる本。人間はずっと変わらないんだなと思う。

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    2023年12月27日
  • ゴルギアス

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    ネタバレ

    「プラトン怒りの対話篇」などと帯のあおりがついていたが、確かにきびしく論破していくという姿勢が目立つ対話篇。けど前に読んだプロタゴラスよりもはっきり潔く論破に振り切った今作のほうが、かえって読んでいて嫌味に感じなかった。
    言論が非常に力を持った古代ギリシアで生まれた「弁論術」なるものはいったいなんなのか、そして人間の生において善と悪とはなんなのかを巡ってゴルギアスやその弟子たちと対峙するソクラテス。三人目の政治家カリクレスは特にホップズの言うような「自然状態」が善で、力を持つものがすべてを支配し欲望のままに生きるのが当然だと開き直って論破されまいとするのだが、快楽と善との違いを指摘することから

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    2023年11月03日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ネタバレ

    ソフィストのプロタゴラスと対話する若きソクラテスという設定で、「徳は教えられるのか」「正義や節度・敬虔や勇気などは一つの徳(アレテー)なのか、それとも一つの徳の一部分なのか」という二つの話題が中心になっている対話篇。

    プラトンは「ソクラテスの弁明」しかまだ読んだことがないから分からないけど、若いソクラテスという設定ゆえなのか?ソクラテスが優位に対話を進めるという感じではない。
    前半ではプロタゴラスの方が周りの支持も得ているし、説得力を感じる。ソクラテスは長い話は苦手だと言って話を逸らすが、そのあと詩の解釈でさらに長い話を自分でするのはどうなんだ(笑)。後半もソクラテスのやり方は揚げ足取りのよ

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    2023年10月26日
  • 饗宴

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    エロスについて語る饗宴。ソクラテスの登場まで、美辞麗句、レトリックに満ちたエロス賛美が続き、ちょい退屈だが、演劇と思えばありか。

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    2023年05月24日
  • 人生の短さについて 他2篇

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    思ったより難しかった。ストア派の基本概念を理解してから読むといいので、解説から読むことをお勧めします!

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    2023年05月21日