【感想・ネタバレ】人生の短さについて 他2篇のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月29日

人生は自分が上手く管理すれば、長い。
他人へ阿れば、短い。

自分自身を顧みず、他人に自分を気にかけてもらいたい、評価してもらいたいと依存してはいけない。自分の人生は、自分と共に歩みたい。

「おまえがそんなことをしたのは、他者と共にありたかったがゆえではなく、自己と共にあることに耐えられなかったが...続きを読むゆえなのだから。」(p.16)

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

 もっと早くこの本を読んでおけばよかったと後悔するくらいに、素晴らしい本だった。これから先の人生で折に触れて読んでいきたい本になった。

 「人生の短さについて」を始めに3編の作品が収録されているが、どれもどう生きていくか、困難に直面したときどう対処すれば良いかという実践的な知についてのエッセンスが...続きを読む散りばめられていると思った。

 どの作品からも読み取れるセネカの考えは は、2000年経っても色褪せることはないと感じた。比喩や例え話こそ当時のものだが、その主張自体は現代でも十分に通用するものだと思う。どれも古典として読み継がれてきた所以をはっきりと見せつけられる作品だった。現代の自己啓発本もセネカの作品を焼き直した陳腐なものに思えてしまうほどだ。

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Posted by ブクログ 2022年11月20日

セネカが言う「暇な」大学生活を送る自分にとっては深く考えさせられる一冊でした……。
確実に、一読の価値あり。

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

一行目の「人生は使い方しだいで長くなる。なのに、ひとはそれを浪費して短くしてしまう」という言葉が、生きる上で大切なことを教えてくれている

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Posted by ブクログ 2024年03月29日

「あなたは、どこを見ているのか。あなたはどこを目指しているのか。これからやってくることは、皆不確かではないか。今すぐ生きなさい。」

約2000年前のローマ時代 ストア派の哲学者セネカによる実践哲学書。

妻の近親者(?)・母・友人へ宛てた手紙、3篇。

人生の時間の過ごし方、不運への立ち向かい方、...続きを読む毅然とした心の持ち方を説いている。

2000年前と現代では娯楽も増え、生き方も変わっているとは言え現代にも思想は通じる。ビジネス書のように読みやすかった。

時間という財産の浪費、自分自身を見直すきっかけになる。

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Posted by ブクログ 2024年03月27日

今こうしている時間も全て浪費なのかな
やりたいことをやれていない時間は浪費なんだそう

人生は何かを成すには短いなんてよく言うけれど、
セネカに言わせれば浪費してる時間を無くせば、
何かを成すには十分すぎる時間があるそうで。

ただただ、この世に存在するのではなく、
私は「生きてる」って胸を張れたら...続きを読むいいな。

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Posted by ブクログ 2024年03月06日

時間の篩にかけられた古典は、一文一文が金言ですね。自分の時間を他者に奪われることなくいかに生きるかについて、そして人生について、その他生きていく上で大切なことが沢山学べます。本当に素晴らしい内容です。

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Posted by ブクログ 2023年11月07日

人間の悪しき習慣やその原因等について述べ、本質的な言葉でその解決策を述べている。分かってはいるけど、なかなか改善できないんだよな〜と思いながら読み耽っていた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月18日

私にとっては難しいなと思う部分が多々ありました。
しかし、昔と今で繋がるところもあって興味深かったです。
▪︎印象に残ったフレーズ
・『長く続いた幸せに甘やかされて、力を失った精神の持ち主は、いつまでも涙を流して嘆いていればよい。最も軽い災難の一撃で、崩れ落ちればよい。しかし、生涯にわたって災厄に見...続きを読む舞われ続けてきた精神の持ち主には、最も重い災難にも、強靭で確固とした不屈の心で、耐えていただきたいのです。』

・『悲しみというものは、まぎらわせるよりも、克服してしまうほうがよい』

・『信頼に満ちた心地よい友情ほど、心に喜びを与えてくれるものはない。』
→はるか昔にも友情とかあったんだなと思い、ホッコリしました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月22日

【哲学に興味を持った理由】
若い時から自己啓発本やコミュニケーション本をよく読んでいた。しかし多読すればするほど、書いてあることが非常に似ており、書かれている知識は過去の哲学書からの引用が殆どだと、遅まきながら気づいた。であれば、元ネタである哲学書を時系列に沿って読んでいこうと思ったのが理由。

...続きを読むセネカとは?】
約2,000年前のローマ時代を生きたストア派の哲学者。ストア派とは、理性に従い禁欲的に生きることを推奨する哲学。カリグラ帝の時代に政治の世界に入り、クラウディウス帝の時代には、コルシカ島への8年間の追放生活を経験。アグリッピナ(クラウディウス帝の妻)の進言により、赦免されローマに帰還。アグリッピナの要請によりネロの教育係に就任。その後ネロが皇帝に就任した後、セネカは補佐役としてネロの政治を支える。しかし、セネカは謀反の嫌疑をかけられ、自殺。

【本の構成】
訳者まえがき
・人生の短さについて
・母ヘルウィアへのなぐさめ
・心の安定について
解説
年譜
訳者あとがき

【それぞれのパートの構成】

・「人生の短さについて」
(簡単な概要)
パウリヌスという人物に宛てて綴られている。パウリヌスはセネカの妻パウリナの近親者と考えられている。パウリヌスはローマ帝国の食料管理官を務めていた。国家の食糧供給をつかさどる食料管理官は、きわめて責任の重い重職であり、多忙を極める仕事だった。本作でセネカは、パウリヌスに対して、多忙な職から身を引き、閑暇な生活を送るよう勧めている。

(感想及び得た気づき)
この章でセネカが終始訴えているのは、人生は決して短くはない、だが、ただ漫然と日々を過ごしていれば、あっという間に時間が過ぎてゆき、何も成し遂げぬまま、人生は終わってしまう。なので、そうならぬ様、多忙な生活から離れて、閑暇な生活を送るよう勧めている。

セネカの言う閑暇な生活とは?
→自分が本来なすべきこと、自分のためになることをしている時間のこと。
閑暇な中でなすべきこととは?
→英知を求め、英知に従って生きること。

この章を読んでいるときに思い出したのが、スティーブ・ジョブズの名言だ。
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは、 本当に自分のやりたいことだろうか?」

これとほぼ同じことを、約2,000年前のセネカが既に教えてくれていた!
以下、セネカの言葉。
「すべての時間を自分のためだけに使う人、毎日を人生最後の日のように生きる人は、明日を待ち望むことも、明日を恐れることもない。」 
この言葉から得た気づきが、『この世で唯一、全ての人間に平等に与えられているのは時間だ。だから、与えられた時間を最大限有効に使うことが、生きていく上で、何よりも大切だ』と再認識できたのが、この本を読んでの最大の収穫。

「母ヘルウィアへのなぐさめ」
(簡単な概要)
クラウディウスが皇帝に就任した際、セネカはコルシカ島に追放される。罪状は、カリグラ帝の妹ユリア・リウィッラとの不倫関係。不倫が事実か冤罪かは不明。結局8年間もの間、流刑の罪を耐え抜く。本作はコルシカ島に追放されて暫く経ってから、母ヘルウィアに向けて書かれたもので、息子の不運を嘆き悲しむ母親を、自ら慰め、励ます内容。

(感想及び得た気づき)
ストア派の哲学において、いかに運命に立ち向かうかと言う問題は、きわめて重要な問題とある。セネカは本書で追放という運命に見舞われた自分がどのように運命を克服したか、そして母親がいかに自らの運命を克服すべきかについて、具体的な考察をしており、ストア哲学における生き方の指針を示す、実践例になっているとこと。
セネカ自身は今回の追放をどう克服したのかというと、常識的な価値観を視点を変えることによって、転換したとのこと。
具体的には、追放を「住む場所が変わること」と規定し、視点を変えることによって、物の見方を転換しようとしたことのこと。
つまり、人類は絶えず移動し続けており、その意味では誰もが追放状態ともとれる。
セネカによれば、人間どこに住んでいても、自然のもとで、自分が所有する徳と共に生きて行けるとのこと。
では、追放につきまとう貧困や恥辱などの様々な不利益とは、どう向き合えば?
セネカによれば、貧困はそもそも恐れるものではない。なぜなら、人間が生きるのに必要なものは皆、自然が与えてくれる。ただ、贅沢な生活に慣れてしまうと、それを失うことに恐れてしまう。その恐れてしまう心こそが、心の病のあらわれなのだと言う。また恥辱については、徳を持っていれば、そもそも恥辱を受けたと感じないし、仮に受けたとしても、容易に耐えることができるとのこと。
前置きが長くなってしまったが、この章から得た気づきは、意味を規定しなおし、視点を変え、転換するとの部分だ。
これってズバリ、世界で3,000万部も売れた、スティーブン•R•コービィー氏の7つの習慣にある、「パラダイムシフト」のことじゃないか!と思わず声に出しそうになってしまった。
パラダイムシフトとは、自分に起こったネガティブな事象を、ポジティブな事象に変換できるよう解釈を変換することだ。
コービィー氏が書籍で最も大切と言っていたパラダイムシフトが、既に2,000年も前から書物として残っていたんだ!
しかし、ローマ時代の哲学恐るべし!
この先の人生、きっと困難や辛いこともきっと数え切れない程あるはずだが、パラダイムシフトで乗り越えていこうと再認識したのがこの章での気づきだ。 

・「心の安定について」
(簡単な概要)
年下の親友セレヌスに向けて綴られてたもの。セレヌスが心の弱さを克服して、ぶれることのない安定した心を手に入れるためにはどうすれば良いか?との質問に対してのセネカのアドバイスを書いたもの。

(感想及び得た気づき)
本作品におけるセネカのアドバイスは、厳格なものというよりは、むしろ、セレヌス現状にに合わせた、現実的なものになっている。
以下セネカのアドバイスの箇条書き。

1.自分の仕事に打ち込み、自分に許された場所で、自分の義務を果たすこと。そして状況が悪化したら、自分から仕事を離れ閑暇の中で生きること。
2.仕事を選ぶときには、自分の適性を考えると共に、自分の力量で対処出来ない仕事や際限のない仕事は避けること。また、一緒に仕事をする、良い友人を選ぶこと。
3.少ない財産で質素な生活を送り、運命に翻弄されないように気をつけること。
4.自分の置かれた境遇に不平を言わず、それに慣れること。どんな運命に襲われるか分からないから、常に警戒を怠らず、備えをしておくこと。
5.決して、無意味で無益な仕事はしないこと。運命に翻弄されることなく、自分を保ち、逆境でも動じないこと。
6.人々の欠点に絶望して嘆くようなことをせず、それを笑って受け止めるか、冷静に受け入れるかすること。
7.正しい人間が不運に見舞われる姿を見ても、決して絶望しないこと。
8.自分を取り繕うようなことをせず、率直な生き方を心がけること。
9.人との交わりに疲れたら、孤独に逃げ込むこと。
10.心が疲弊したら、様々な方法で気晴らしを与え、活力を回復させること。

なるほど。ほとんど過去に読んだ自己啓発書に書いていたことばかりだ。
つまり人間は、2,000年前から思い悩むことは、現在と何も変わっておらず、またその克服方法も、既にローマ時代から人類の叡智として残っていたとこうことなんだ。
また、気づいたこととして、仏教(特に禅)の考え方にセネカの考えが似ているなぁと思った。それはセネカだけが似ているのか、ストア派全体、あるいはローマ時代の哲学全体なのか、その辺りは西洋哲学の本を読み始めたばかりなので、今後哲学書を多読していくにつれ、新たな発見がありそうで、今から楽しみだ。過去に自己啓発書を多読してきたことも、全く無駄では無かったと実感できたのも、良い発見だった。

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Posted by ブクログ 2023年01月31日

とっつきにくいと思いきや、生き方のメッセージが詰まっていて、とても面白かった。

人生は多忙さに忙殺され、浪費すれば短い。
過ごし方次第で、人生は長くなる。

じゃあどういうふうに生きたらいいのっていう話になれば、無駄なことに時間を無益に費やさず、また未来に頼りすぎず、今をしっかり生きようということ...続きを読む
それが難しい。
でもそれを意識して生きることが大切だと思った。

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Posted by ブクログ 2023年01月21日

①私達は、人生を浪費している。
・我々の時間は決して短くない。
・人は人生を乗っ取る人を自ら招き入れている。

②多忙ではいけない。
・多忙=生きる事から最も遠く離れる事。
・毎日を人生最後の日のように生きよ。

③人生を長くする時間の使い方。
・先延ばしは、人生 最大の損失。
・過去は永遠に所有で...続きを読むきる。
・真の暇があるとは、英知を求める生活の中にある。
※人々に尊敬される高名な過去の偉人達は、
我々の為に生まれてくれた。そして、私達の為に
生き方のお手本を用意してくれた。

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Posted by ブクログ 2022年12月20日

 タイトルから、人生の短さについての持論をつらつらと述べるだけの本かと思っていたが、そうではなかった。人間の生き方の1つとして参考になる本だと思う。

 勉強や趣味、仕事などどれに時間を割けばいいのか分からない。時間がない、分身が欲しいと普段から思っている人には、ぜひおすすめしたい。逆に、なんとなく...続きを読むでも現状に満足している人には合わないと思われる。

 セネカは、人間は無意味なことを享受しがちだと説いている。人間関係、娯楽、仕事などに時間を取られて、自分のやりたい事を探す暇もない。そのような人は、最後まで、閑暇を見つけ出すことができないのだ。だから、過去を振り返って、自分のやりたいことに気づくべきである。
 セネカは、学問に勤しむべきと言っているが、個人的にはそうでなくても良いと思う。ただ、自分を顧みて、仕事を変えるなどもう少し心に素直になってみることが大切だと考える。

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Posted by ブクログ 2022年11月25日

本文を読んでいく中で、「この人はどういう思想に則ってこう考えているんだ?」「ここの線引はなぜ発生しているんだ?」「さっきと言っている事が矛盾してないか?」と、色んな違和感を感じたが、最後の解説を読んでかなりそのもやもやが払拭された感がある。
よく生きるための実践哲学として、スコラ派から一歩人間くさい...続きを読む方に踏み込んだ考え方がここでは展開されていると思う。とはいえ「言うは易く行うは難し」の内容ではあるのだが……。そうだとしても、心の片隅にこれらの提言を置いておくことはマイナスにはならないだろう。

個人的には、本を読む中でセネカの生きた時代背景や文化が見えてくるのも楽しかった。

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Posted by ブクログ 2022年11月21日

「われわれは、短い人生を授かったのではない。われわれが、人生を短くしているのだ。われわれは、人生に不足などしていない。われわれが、人生を浪費しているのだ。」
身分が低い者も高い者も関係なく、ほとんどの人が人生を浪費しているとセネカは語る。人は多忙や他人のため、怠惰、その他諸々のことによって、大切な時...続きを読む間を無駄に費やしている。時間の浪費は生きていることにはならない。ただ存在しているだけだ。
だが上手に時間を使えば、人生を長くすることができる。どうすれば人生を長くできるか。セネカは閑暇の中で過ごすことを勧めている。閑暇とはただぼーっと過ごすことではないし、趣味に没頭することでもない。過去の哲人に学び、英知を求めることである。そうすることで、高みに登ることができる。
ストア派は決まった運命というものが存在していると考えている。その中において心を乱さず快活に生きるためには、あらゆることを知り、受け止めておく必要がある。その究極系を「賢者」としている。賢者はどのような運命が待っているかを予測することができるため、未知の不安に怯えることはない。
賢者になることは無理でも近づくことはできる。そうやって英知を求め、広めることで自身や他者を幸福にことできると、セネカは考えていたのだろう。
今から2000年も前の価値観の中にあり、全てをそのまま受け入れることは難しい。どんな分野であろうと自己実現が美徳とされている世の中で、哲学を極めることだけが幸福とは私には言えない。だが、自分のために貴重な時間をどう使うのか、というのは現代の我々にとっても重大テーマであり、それを考え直す良い機会になった。
ところで、作中でセネカは雑学に夢中な人々を批判している。その割に結構長いこと雑学が羅列されてて面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年11月20日

理由もなく、落ち着かない時に読む本

著者はセネカ、第5代ローマ皇帝ネロの家庭教師として知られています。
本書は、それぞれ下記の相手に対して、送った手紙をまとめた内容です。
・人生の短さについて:親戚の(父親または義父?)パウリヌス
・母ヘルウィアへのなぐさめ:母親のヘルウィア
・心の安定について:...続きを読む年下の青年のセレヌス

属性の違う3人が相手なので、手紙の内容も大きく異なります。
しかし、それでも共通している内容がありました。

これは、自分の私見になりますが、自身の精神の成長を第一にしているように
思います。
俗世や自分の欲望とうまく距離をとって、自分自身の精神を安定・成長させることの重要性を説いているという印象を強く受けました。
特に、「心の安定について」は青年セレヌス相手ということもあり、具体的なアドバイスが多かったです。
人生のふとした瞬間、落ち着かない時にこの本を読むと安心できました。

説教くさい面もありますが、若い人に是非、一読していただきたい本です。

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Posted by ブクログ 2022年11月09日

セネカの哲学の入門テキスト3通とあります。

セネカは、帝政ローマ初期の哲学者で、ネロの家庭教師でもあった人です。ストア派に属していました。

<心にのこった言葉>

人生の短さについて
  ・多忙な人間はなにごとも十分になしとげることができない
  ・生きることは、生涯をかけて学ばなければならない...続きを読むのだ。
  ・ひとはだれしも、未来への希望と、現在への嫌悪につき動かされながら、自分の人生を生き急ぐのだ。
  ・賢者はいつ最後の日が訪れようとも、ためらうことなく、たしかな足取りで、死にむかっていく
  ・すべての人間の中で、閑暇な人といえるのは、英知を手にするために時間を使う人だけだ。
  ・過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる人たちの生涯は、きわめて短く、不安に満ちている

母ヘルウィアへのなぐさめ
  ・賢者に従い、運命に頼らない自分は、なにも辛い目にはあわない
  ・順境にあって思い上がることがない人は、たとえ状況がかわっても、落ち込むことはありません。
  ・人間が自分を維持するために必要なものは、じつにわずかです。(貧困のうちに追放生活を迎えても)
  ・賢者とは、自分だけを頼りとし、大衆の見解からは距離を置く存在です。
  ・運命から逃れようとするすべての人が逃げ込むべき場所に、あなたを案内しましょう。すなわち学問です。

心の安定について
  ・人間の精神は、生まれつき活発で、動きやすいものだ
  ・まず心に留めるべきは、持たないほうが、失うよりも、はるかに苦痛が少ないという事実だ。
  ・無益な目的のために仕事をすべきではないし、無益な動機から仕事をすべきでもない。
  ・なんの成果も得られない無駄な仕事をするべきでないし、得られる成果に見合わない仕事をするべきでもない
  ・どんな仕事をするときでも、かならず一定の目的を設定し、その目的を見すえる必要がある。そして、仕事に専心すれば、心がぐらつくことはない
  ・(本書を読めば)心の安定を保つ方法と、それを回復する方法と、忍び寄る欠点から身を守る方法を手にしたことになる。

<解説から>

時代背景 セネカの時代 初代から、五代までを生き抜いた

初代 アウグストゥス ネロまで5代 ユリウス・クラウディウス家という
二代 ティベリウス 晩年は恐怖政治
三代 カリグラ 愚行の皇帝 暗殺死
四代 クラウディウス ただの傀儡、愚帝 セネカをコルシカ島へ島流し
五代 ネロ 后アグリッピナが、その子ネロを皇帝につける、セネカも許されて政権へ復帰、だけども、暗殺計画に参画したとして自殺に追い込まれる ローマ各地で反乱がおき、ユリウス・クラウディス家は5代で終焉する。内乱の時代へとローマは入る。

セネカが属したストア派とは

・ギリシア アテネのキティオンのゼノンが創設者
・自然に従う 人間が作りだした人工物は、人為的であり軽視
・自然と宇宙はロゴスという理性によって支配される世界
・人間は理性的な能力が重視され、苦痛、快楽、欲望、恐怖のような情念は理性の敵対するものとして否定的に評価される
・禁欲的なをストイックというのは、ストア派から派生している
・運命とは、ロゴスによってもたらされる必然的な因果連鎖。
・徳を完成させた人間であれば、何が起こるかを的確に予測して対処できる。
・ストア派の生き方を実践できる有徳者を賢者とよび、理想として掲げた。賢者は完全な徳を実現した人物であり、あらゆる情念から自由でいられる存在である。

目次は以下です。

訳者まえがき

人生の短さについて
母ヘルウィアへのなぐさめ
心の安定について

解説
年譜
訳者あとがき

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Posted by ブクログ 2022年08月02日

面白かった。訳がとても平易で読みやすく、セネカの説く実践的なストア派哲学、というか、ストア派の哲学を実生活に活かすための方法がものすごくよく伝わってきて、読みやすさに驚いた。
巻末の訳者中澤努さんの解説もとてもわかりやすくて、セネカとその周辺や、ローマ哲学のあり方の入門書としてともよかった。

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Posted by ブクログ 2022年06月30日

読みづらいけど、とても大切なことが書いてある。
最後の解説読んでから読むとわかりやすい。
2000年前も人間や人生の本質的な部分は変わらないと実感した。

人生の短いについて
人生は無為に過ごすと何も出来ずに終わる
自分の時間を他人に奪われないようにする
時間を浪費してしまうのはやりたいことがないか...続きを読む
閑暇を持って目的のために時間を使う

心の安定について
自分の実力や得意なことを見極める
仕事は自分の能力に見合ったものを選ぶ
付き合う人を選ぶ。欲の少ない人が良い
質素な生活を心がける。足るを知る
疲れたら休息をとって精神を回復する。息抜き大事

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月22日

【背景】
ストア派のエリートであったセネカだったが、色々なことに巻き込まれ流刑にあった。その後ローマ皇后によって、息子の教育係となることを条件にローマに戻してもらった。その息子ネロは後に暴君となってしまい、セネカは政界から身を引いた。その後、働きすぎの穀物管理責任者である男に向けて書かれたのがこの作...続きを読む品である。
【要約】
金や土地といった財産については皆必死に守るのに、時間という財産については皆簡単に浪費してしまう。
浪費というのは、欲望に溺れること、仕事に追われること、怠惰に過ごすこと、他人の目を気にして神経をすり減らすことである。今までにどれくらいの時間を他人に掠め取られてきたか?

君は自分は永遠に生きられると勘違いしていないか?長生きできる保証はどこにもないし、老いてからやりたいことを始めるのでは遅い。「生きる」という最も難しい学問を自分で学べ。
人生の時間とは、どれだけ時間を自分だけのために割くことが出来たかどうかである。だから寸暇を惜しみ、一日一日を人生最後の日だと思って生きよ。人生は急ぎ旅のようなものだ。

過去とは、唯一運命の力を受けない、動かしようのない神聖な時間だ。その全てが所有物で、好きな時に好きな分だけ取り出すことが出来る。
だからこそ、過去を振り返る時間的余裕を持ち、良き過去を作ることができるよう日々を生きていくことによって、いつ最後の日が来ても躊躇うことなく死へと向かうことが出来る。

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Posted by ブクログ 2023年12月27日

人生の短さにについて、というに対し、細かくテーマを設けて簡単な説明がなされる本。人間はずっと変わらないんだなと思う。

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Posted by ブクログ 2023年05月21日

思ったより難しかった。ストア派の基本概念を理解してから読むといいので、解説から読むことをお勧めします!

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Posted by ブクログ 2023年03月06日

同じ時間の長さでもそれをどう捉えるかどう使うかによって全く異なる長さ(濃さ)になることを語っていた。ぼんやりとなんだかんだ生きてると時間だけが経って悔いの残る人生になってしまう。

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Posted by ブクログ 2023年01月20日

短い人生の中で、今を生きて、徳を積んでいこうと思える内容でした。

2000年前からセネカの教えが継承されていてすごい、、

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Posted by ブクログ 2022年09月27日

スラスラ読めるけど、文章の意味が捉えづらいところが多い。でも、印象的な言葉がたくさんあった。再読必須。

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Posted by ブクログ 2022年09月25日

「人生の短さについて」「母ヘルウィアへのなぐさめ」「心の安定について」の3篇からなります。自分としては、友人の選び方、付き合い方についてかかれた3篇目の「心の安定について」が一番心に刺さり、印象に残りました。

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Posted by ブクログ 2022年09月13日

今も昔も人の悩みは変わらない。人生を浪費せず生きれば、十分に生きることができる。自分のために生きる。先延ばししない。

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Posted by ブクログ 2022年05月09日

さっと読めるのが良い。
いつの時代でも哲学者のいうことはあまり変わらないと思ったが、当時の言葉やその環境からうまれる言葉から紡がれて心地は良い。

時間を人のために使うなら、残された時間はわずかで、自分のために生きないと意味がないということ。
人生は有限なのだ。
知っているけど、どうしたら良い?と自...続きを読む答しながらも、読んでよかった

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Posted by ブクログ 2022年03月28日

『人生の短さについて』目的で読みました。
難しく平易な言葉で書いてあり、哲学書のような難しさはなくビジネス書感覚で読めました。

人生はどう過ごすかによって長くも短くもなる。多忙という状態にまかせておくとどんどん人生は短くなってしまう。自分で考え、英知を発揮する事が人生なんだと。

普遍の真理はどん...続きを読むなに時が経とうが変わらないんだなと改めて感じました。

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Posted by ブクログ 2022年03月24日

プライムでの評価の高さから慣れない哲学書を読んでみたのですが、これが2000年以上前に書かれてると思うとすごい。時代は全く違えど、人間の苦悩や理性的な部分はやはり同じなんだと思える。翻訳文は少し難しく感じたから、先に解説から読むと分かりやすい

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