森田成也のレビュー一覧
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本当にロシアでの革命を理解した男です。
レーニンは勿論ロシアにおける革命家ですが、マルクス主義に固執しすぎるところがありました。トロツキーの理論を「歴史を飛び越している」と非難しました。
しかし十月革命以後、レーニンはトロツキーを認めました。レーニンはトロツキーを「一番のボルシェビストである。」と評価しました。
レーニンはブルジョワ民主主義革命が起きた後、プロレタリアート革命が起きる、とする二段階革命論にいつまでも固執していましたが、トロツキーは「ブルジョワ革命が起きた国はフランスやイギリスのような先進資本主義国家だけ。ロシアは後進国だ。ブルジョワは地主は国家権力と結びつき革命を起こすような階級にはなりえない。外国からの投資でロシアは近代化が進んでいる。今一番革命を起こしうる存在はプロレタリアートのみ。」と検証しました。
元々トロツキーの理論はボルシェビキの路線に叶ったものです。スターリンが意図的に歪曲し、あたかも自分たちの理論が正統なレーニン主義であるかのような振る舞いを見せたので、トロツキズムという蔑称が使われています。あまりに高度な理解力を必要とする永続革命論は、レーニンしか理解者を得られず、レーニン死後、トロツキーは孤立してしまいます。
なぜボルシェビキは永続革命をするはずだったのか、ではなく、永続的に革命を起こしうる存在だったはずのものが、ボルシェビキである。といった気がします。
頭が良すぎるがゆえに、孤立した。その存在が、トロツキーなのです。 -
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『共産党宣言』は、人類の歴史を支配階級と被支配階級との階級闘争の歴史として捉えた書物である。マルクスは、封建社会から資本主義社会への移行によって経済は発展した一方、生産手段を所有する資本家と、それを持たない労働者との間に搾取の構造が存在すると分析した。そして、その原因を生産手段の私的所有に求め、これを廃して階級のない社会を実現すべきだと主張した。これが本書の核心である。
では、なぜマルクスが描いた共産主義社会は実現されなかったのか。その理由は、大きく二つある。一つは、資本主義が労働運動や民主化の進展を受け、労働環境の改善や社会保障制度の整備などを進めたことだ。その結果、資本主義はマルクスが想定した19世紀の姿から変化し、革命を求める機運が弱まっていった。
もう一つは、社会主義国家の実践において、マルクスが想定した労働者階級による社会運営が行われなかったことだ。実際には共産党官僚に権力が集中し、新たな支配階級が形成された。特にソ連では、この権力集中により、マルクスが理想とした共産主義社会には到達しなかった。
しかし、資本主義にも多くの課題が残されている。資本主義は経済成長を通じて社会の発展をもたらしてきた一方で、資源や環境に限界がある現代社会では、そのあり方や持続可能性が問われている。近年、SDGsや脱成長といった考え方が注目されている。本書は、資本主義の問題点を指摘するだけでなく、より良い社会のあり方について考えるきっかけを与えてくれると感じた。 -
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pp. 240
「機械は絶え間なく労働と競争しており、しばしば、労働の価格がある一定の高さに達した場合のみ導入されるのだが、機械の採用は労働の生産力を引き上げるための多くの方法の一つにすぎない。肉体労働を相対的に過剰にするのとまさにこの同じ発展が、他方では、熟練労働を単純化して、したがってそれを減価させるのである」
訳者は解説で、「とっくに工業化を終えサービス経済化と情報化を経た今日においても、まったく過去のものにはなっていない」と述べている(p. 278)が、このことは機械をAIに置き換えても当てはまる。しかし、AIの方は、マルクスの想定する労働者ではなく、いわゆる“ホワイトカラー”が対象となる。既にそういう時代に来ている。 -
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ネタバレ少しレーニンのことを知らないと
読むことはつらいかもしれません。
あくまでも彼は搾取される立場のものを
見据えて、たたかい続けました。
今でこそ、黒歴史と批判されますが、
この本を読んで、彼の人柄を見る限りは
そうは感じませんでしたね。
著者は、彼に見初められた人。
だけれども、この巨大な星が堕ちてからは
それなりの手腕のあるトロツキーですら
以前の栄華を取り戻すことはできなかったようです。
それよりも気になったのは、
ある有名作家のくだりですね。
本の世界では超有名なお方ですが
人としては最悪の人間ですね。
何しにきたんだか。
その後のソ連はいろいろと
大変だったみたいですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレその名の通り、トロッキーがレーニンについて書いた話。傍にいた人だからこそ分かるレーニンのその時々の感情などの描写は興味深い。ただ、傍にいたからこそ盲目的な記述も多く見られる。
ソビエトはまず理論があり、そして国ができた。理論通りに動かすためには強力な指導者が必要で、強力な指導者は周囲の批判を受け付けない。「今はこうだけど、いつかは理想の世界がやってくるはず」これがソ連の前提だった。
この理論には感情が入っていないことも問題である。指導者は大衆を非理性的だとバカにして見下しており、理性を抑えてこそ、ソビエトが完成すると考えていた。ただし理性を抑えられたのでは帝政の頃と変わらない。
ロシアでは未だ強い指導者と、理性を抑えこまれて批判を許されない民衆の構図が存在する。民衆は抑圧されることに慣れてしまっていると言われているが、その「慣れ」を醸成してきた固有の歴史に、まだまだ興味は尽きない。 -
Posted by ブクログ
トロツキーがニーチェを評論?と読んだ本。ニーチェ論は思想そのものよりも、成り立った社会環境をマルクス主義的に分析するもので、読んでいてその切り口が懐かしいな、と、、、、。他に収録されている「国家社会主義とはなにか」の論評の的確さには瞠目。この時代、マルクス主義は武器だったのだと思う。残念なのは、資本主義を克服して出現するはずの社会について、マルクス・エンゲルスの時代からレーニン、トロツキーが活躍するあたりで、もう少しきちんと設計しておけば、今頃、世の中はもう少しは良くなっていたかもしれないなあ、ということ。みな革命だけで手一杯だったのだろうけれど。