岡田温司のレビュー一覧
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映画「ダヴィンチコード」が流行っているらしく、ネット上どこへ言ってもそんな言葉やダヴィンチの絵などがあるので、この本を本棚から取り出してきた。
この本は上野の美術館で買った。キリスト教文化になじみのない日本人でもマグダラのマリアは、それでも有名なほうだと思う。ヨーロッパの絵などによく書かれているし。確かこの本を買った日も、何枚かのマグダラのマリアが描かれた絵を見たように思う。
マグダラのマリアはイエスと結婚していて子どもまで身ごもっていた。そのときの様子を描いたのが「モナリザ」だという説もある。
絵の中のモナリザは、黒い髪を結わえずに垂らし、黒い服を着ている。これは当時の身分の低い女性なの -
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キリスト教関連の絵画や彫刻などには、時に性的な描写がモチーフになっていると思われるものがある。これら美術品の創作の背景を文化や教会を取り巻く歴史と共に分析している。
その描写方法は「解釈によっては」の物からかなりあからさまな物まである。作者達がどのような意図を持って創作してきたのかは歴史の中の話であり興味深い。芸術性を追求したであろうもの、教義による禁欲と裏腹なもの、中にはウケ狙い(失礼!)で描かれたものを後世の人間が芸術として評価したものもあるだろう。
こうした作品はキリスト教の権威層から批判、糾弾されながらも描かれてきたのは、なんだかんだ言っても多様性が受け入れられたのか、はたまた規制 -
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中世やルネサンスの宗教画や彫刻に黒人、ユダヤ人、ジプシー(ロマ)として描かれているのはどのような場合にどのような意図であるものなのか、多くの作品を見ながら解説したもの。逆に「本来は黒い肌であった人をことさら白い肌に描くことで、黒い肌に聖性を与えることを拒むかのように」(p.173)描かれた作品、というのもある。
キーワードはロマン主義、オリエンタリズム、「神と黄金」(西洋の植民地主義)、世界宗教的(エキュメニカル)といった感じだろうか。「下心」、「脚色」、あるいは暗黙のうちに、あるいは無意識的に不当な他者化する例というのを色々見ることになる。読み終わっても強烈な印象を残しているのは、「静物 -
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前々から興味のあったアート。
ビジネスの教養として役立つかどうかは、ちょっと分からないですが(特にこの本が)、
私自身はとても面白く読めました。
アートという(多くの人にとって)よく分からないものに対して、
歴史とか思想とかテクノロジーといった側面から、
色んなアートについて著者が解説してくれます。
残念なのは、文面で出てくるアートが全て画像として出てこないのと(だから、気になるアートは検索が必要)、
ほとんどのアートは白黒である点。
後者はコスト面もあるから致し方ないところもあるけど、
前者は頑張ってほしかった。
個人的には、バウハウスの解説が
とても自分のインスピレーションを刺激して -
Posted by ブクログ
同じ神をルーツにもつユダヤ教、キリスト教、イスラム教。その中で、公然とレイシズムを推し進めてきたのはキリスト教だけだ、と筆者は指摘する。その証左を宗教画に求める、というのが本書の趣旨。
ただ、その様相はそんなに単純でもないらしく、黒い肌の人物へのリスペクトが感じられる作品も挙げられている。また、アフリカ大陸の人々への蔑視は確かに古くからあるものの、今日のような根深さや執拗さを増していくのは大航海時代であるらしい。しかも蔑視の眼差しはアフリカだけに向けられたものでもなく、さらに、オリエンタリズムやロマン主義とも相俟って、一言で纏めるのは難しい。
ただ言えるのは、美術作品にはその当時の「当たり前」