岡田温司のレビュー一覧

  • 開かれ

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    さすがアガンベン。
    ひょうひょうひょうと何気なく放った矢があとからざくざく刺さってくるし、入ってみたハイデガーの洞窟は「動物と人間」という目印(と言うよりも枠組み)を頼りに上へ左へ突き進む。
    このあまりに手際よいガイドさんは、(この道でいいの…?と)我々を不安にさせつつ、在り方の深部、ないことのあかるみへと我々を導く。
    そこにおいて動物は、存在と無の外側に存在する。ゆえに「動物頭の義人たち」とは、人間を、内なる人間性/動物性の分割線の外に在らしめる事態の表現であることが理解されるのだ。そしてそれは、とても………

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    2014年10月10日
  • 処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」

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    イエス・キリストの母マリアを中心に、"養父"ヨセフや"マリアの母"アンナが中世では、どのように考えられていたか、旧約聖書、新約聖書、聖書外典からスタートし、絵画や彫刻を通して考察しています。タイトルだけだと、もっと宗教色の強い内容を想像しましたが、どちらかというと美術史としての色合いの濃い内容です。今まで、イエスの誕生というのは、キリスト教として一番重要な部分ではないかと思っていましたが、時代や政治的要求によって、だいぶ解釈が変わっているのだなと分かりました。

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    2014年09月17日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    キリスト教に馴染みの薄い日本人だと"マグダラのマリア"という言葉と娼婦から聖女になったというイメージだけがひとり歩きしてしまっている感もありますが、本書では、そんな彼女について、聖書内での記述の検証から始め、バロック期からルネサンス期の絵画を中心に、彼女がいったい何者なのかを探っていきます。あまり宗教論にならず、あくまで美術史から検証されているので、キリスト教に馴染みが薄くても読みやすいと思います。参考として挙げられている絵画が口絵以外、全てモノクロなのがちょっともったいないと感じました。

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    2014年09月09日
  • アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」

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    『旧約聖書』における、神が天地創造の最後の日につくったアダムとイヴという存在は遠い遥か時空を越えて我々の周知の奥底にいまなお根付いている。名前くらいはきっと誰でもというくらい知っている。そのくらい、認知されている。近年でいえば、アップル社のロゴも、エデンの園の禁断の木の実に由来するものらしいし、遺伝子研究の「ミトコンドリア・イヴ」や「Y染色体アダム」もこの元来の神話にどうやら由来するものらしい。日本アニメ『エヴァンゲリヲン』、渡辺淳一著の『失楽園』も記憶に新しい。しかし、の内容把握にはまちまちで、たとえば、最初につくられた人間は両性具有であるアダムとし、またアダムの中の「思考の力」とされる『光

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    2013年10月03日
  • アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」

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    ・アウグスティヌスは、アダムの両性具有説にダメだし。
    ・リリスなる存在について。イザヤ34:14.
    ・アダムが男だ、という認識は決して当たり前ではなかった。
    ・アウグスティヌス「イブが助け手というのは子作りの意味で」。
    ・アダムの肋骨が何本あるか、またへそがあるかが論争に。
    ・予型論はアウグスティヌスがよく用いた。イブの誕生は、キリストから教会が誕生したことと相似。
    ・ミルトンは、アダムとエバの視点から創造を描いた小説を書いた。
    ・エデンには酒への言及がない点で、ペルシャのそれとは一線を画しているともいわれる。
    ・エデンはどこにあったか1東方2赤道直下、南の高い山、3メソポタミア、4パレスチナ

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    2013年02月23日
  • キリストの身体 血と肉と愛の傷

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    描写されたキリストの姿からいろいろなことが読み解ける。
    キリストがイケメンか不細工か、考えたこと無いし。目から鱗がぽろぽろと。

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    2011年12月13日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    絵画や彫刻の面からみた、マグダラのマリア論。男性優位のキリスト教会において、マグダラが不当に貶められてきたことは疑いもないことですが、聖女として扱われたり娼婦として扱われたりしてきたなかにおいても、マグダラは美しい女性として繰り返し描かれてきたのですね。
    「改悛のマグダラ」はあちこちで見て知っていたのですが、マグダラがサント・ボームの洞窟に引きこもって瞑想と苦行に余生を捧げたことは知りませんでした。

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    2011年05月17日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。
    娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。
    両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。
    貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な、“娼婦=聖女”が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。
    図像資料多数収載。

    [ 目次 ]
    第1章 揺らぐアイデンティティ(福音書のなかのマグダラのマリア;外典のなかのマグダラのマリア;「罪深い女」=マルタの姉妹ベタニアのマリア=マグダラのマリア;隠修士としての

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    2011年04月04日
  • 処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    処女にしてキリストを宿したとされるマリア。
    処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。「無原罪」の「~がない」という否定形の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。
    また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。
    キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」の運命の変転を辿りつつ描き出す。

    [ 目次 ]
    第1章 マリアの処女懐胎
    第2章 無原罪の御宿り
    第3章 「養父」ヨセフの数奇な運命
    第4章 マリアの母アンナ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆

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    2011年03月28日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    いつものように豊富な文献・図像をもちいた、わかりやすい「マグダラのマリア」論。この一冊で、西洋社会においてマグダラのマリアという存在がどのようにして生まれ、どのように消費されていったのかが説明されている。とくに面白かったのはバロックにおける多様性・多義性の議論。過去の著作物の中でも何度か言及されていたような気がするけれど、あらためて著者のバロック論というものをまとめてくれたらいいのに、などと勝手なことを思った。

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    2010年12月02日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    『マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女』(岡田温司、2005年、中公新書)

    新約聖書の福音書に登場する、娼婦でもあり聖女でもある「マグダラのマリア」。本書は、この女性は一体どのような人物なのかということ、この女性が中世においてどのように人々に―あるいは芸術作品として―とらえられてきたのかについて解説している。

    僕はキリスト教が専門ではないので、非専門外の人がこれを一回の通読で理解するのは不可能だったのですが、イエスの使徒の使徒とも称されるマグダラのマリアについての若干の、表面上の知識にはなったかなとは思います。

    (2010年10月28日 大学院生)

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    2010年10月28日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    その身から悪魔を追い出して貰ったことからイエスに付き従い、磔刑を見届け、復活の場面にも居合わせた、マグダラのマリア。その後はマルセイユ郊外の洞窟で、瞑想と苦行に余生を捧げた、という伝承が残っている。キリスト教史には改悛のシンボルとして大きな影響を与え、数多くの芸術作品のイマジネーションの源泉となってきた聖女の姿を、様々な視点から描き出す。

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    2012年09月28日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    原罪を持つエヴァと穢れ無き処女マリアの間の女性、マグダラのマリア。

    多くの絵版と分かりやすい文章で読みやすかった。

    そもそもマグダラのマリアはキリストの復活という重要なモチーフの証言者でありながら聖書では曖昧な存在である。
    4つの主たる聖書の中で存在を否定的に書くものもあれば、好意的に記録しているものもある。
    彼女に好意的ではなかったであろうペテロが教皇の座につく事で、彼女の偶像は娼婦、悪徳からの回心のイメージがついてまわるようになる。

    欲望にその身を委ねながらも、イエスの教えに回心し、天上へ昇る事を許された女使徒。
    そのモチーフは芸術家達の創造性を刺激し、貞淑にして淫ら、美しくかつ敬虔

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    2010年08月15日
  • キリストの身体 血と肉と愛の傷

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    「キリスト教図象学三部作」完結篇 キリストやそれに関係する出来事(奇跡)を後の人々がどのように捉え、絵画・彫刻などの図象に表現してきたか。とかく観念的で難解なこれらのものを比較的解りやすく説明されています。

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    2010年08月11日
  • キリストの身体 血と肉と愛の傷

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    『キリストの身体―血と肉と愛の傷』(岡田温司、2009年、中公新書)

    イエス・キリストの身体に現れるさまざまな象徴的な図像は、いったいいかなる意味を持ち、いかなる役割を担っているのか。

    それらを幅広い視点から検証している。キリストの姿を描いた多くの美術品の挿絵が多いので、わかりやすい。

    (2009年8月26日)

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    2009年10月07日
  • イタリア現代思想への招待

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    神の負の部分、神=良きものという固定観念こそ誤った認識

    不幸ピュシス

    ヨブに関する考察

    penso negativo






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    2009年10月04日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    父親の本棚から拝借。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書それぞれにマグダラのマリアへの位置づけが違う。キリストをもっとも愛し、キリストにもっとも多く愛された悔悛の聖女。

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    2009年10月04日
  • 処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」

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    テーマの展開は非常に面白いし興味深い。図版を多用しての論述も非常にわかりやすい。気軽に読める知的好奇心満足の本。ただし、ジェンダー論への関連付けがやや過剰で鼻につく感あり。

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    2009年10月04日
  • マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女

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    映画「ダヴィンチコード」が流行っているらしく、ネット上どこへ言ってもそんな言葉やダヴィンチの絵などがあるので、この本を本棚から取り出してきた。

    この本は上野の美術館で買った。キリスト教文化になじみのない日本人でもマグダラのマリアは、それでも有名なほうだと思う。ヨーロッパの絵などによく書かれているし。確かこの本を買った日も、何枚かのマグダラのマリアが描かれた絵を見たように思う。

    マグダラのマリアはイエスと結婚していて子どもまで身ごもっていた。そのときの様子を描いたのが「モナリザ」だという説もある。
    絵の中のモナリザは、黒い髪を結わえずに垂らし、黒い服を着ている。これは当時の身分の低い女性なの

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    2009年10月07日
  • キリストと性 西洋美術の想像力と多様性

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    キリスト教関連の絵画や彫刻などには、時に性的な描写がモチーフになっていると思われるものがある。これら美術品の創作の背景を文化や教会を取り巻く歴史と共に分析している。

    その描写方法は「解釈によっては」の物からかなりあからさまな物まである。作者達がどのような意図を持って創作してきたのかは歴史の中の話であり興味深い。芸術性を追求したであろうもの、教義による禁欲と裏腹なもの、中にはウケ狙い(失礼!)で描かれたものを後世の人間が芸術として評価したものもあるだろう。

    こうした作品はキリスト教の権威層から批判、糾弾されながらも描かれてきたのは、なんだかんだ言っても多様性が受け入れられたのか、はたまた規制

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    2025年04月30日