岡田温司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレキリスト教には二人のマリアが存在する。聖母マリアと罪深きマグラダのマリアである。西洋世界におけるマリア信仰の歴史についての本を読み、マグラダのマリアに興味を持った。原田マハの小説に「まぐらだ屋のマリア」と言う題名のものがある。原田さんの作品の代表作の一つと思っているが、何故この題名なのかと思っていたが、マグラダのマリアの話を題材としている意味が今回改めて理解でき再読しようと思った。
マグラダのマリアは聖女でもあり、娼婦でもある。正しく言えば自らの罪を回心し、聖女になったということである。聖女マリアは言うまでもなく聖なる存在、人々を疫病、災い等から救済する、あたかもキリストのように。一方で、罪深きマリアは罪を悔い、キリストに仕え、聖なるマリアよりもキリストにキリストに近い存在として聖書等に伝えられている。西洋絵画でマグラダのマリアは多くの作品の題材とされているがとても矛盾した要素を含んでいる。貞節と淫ら、美しさと官能。聖女マリアがより神に近い存在であるに比して、マグラダのマリアは人間に近く、人の罪深さを象徴していると感じた。多くの宗教が人間は本来罪深い存在とするところから始まるが、人はいつまでも罪深いものであり、罪から逃れられないのではないだろうか。