広瀬和生のレビュー一覧

  • 21世紀落語史~すべては志ん朝の死から始まった~
    広瀬さんが週刊モーニングに連載していた『この落語家を聴け!』をきっかけに落語を聴き始め、志の輔や談春、そして市馬や白鳥や談笑や喬太郎や白酒や三三や一之輔たちを聴きに行くようになった自分の現代落語史とぴったり重なる。

    志ん朝を聴き逃し、また談志をも聴き逃した(喉を痛めていくつか触れる機会はあった)、...続きを読む
  • 噺は生きている 名作落語進化論
     同じネタでも噺家によって演出は異なる。どの師匠についたかにもよるし、噺家自身の感性・強み・工夫といったものが大きく影響してくる。人気でかかることの多い4つのネタ『芝浜』『富久』『紺屋高尾と幾代餅』『文七元結』について、おそらく日本でいちばん落語を聞いている著者が、源流にさかのぼり、実名を挙げながら...続きを読む
  • 噺は生きている 名作落語進化論
    広瀬さんの本はいつもわかりやすくすらすら読める。

    談笑師匠の芝浜はラストでお酒を飲んでしまうってのをポッドキャストで聴いてからどうしても聴きたかったんだけど、配信で販売もしてないし、落語会を聴きに行くのもまず不可能でがっかりしてたらこの本で明かされていた☆彡
    そうかあ、こういうストーリーかあ、って...続きを読む
  • 柳家三三、春風亭一之輔、桃月庵白酒、三遊亭兼好、三遊亭白鳥 「落語家」という生き方
    三遊亭兼好の「落語とは業の否定」というのが白眉。
    芝浜にすれば、「金を使い続ける、酒を飲み続ける」というのが業だろうと。
    それを止めるなんてのは、業の否定じゃあなかろうか、という提起。

    なるほど・・・。談志ファンの自分も唸ります。

    ただ、芝浜は落語の中では異端ですよね。(広瀬氏も文中で語っていま...続きを読む
  • 落語の目利き
    かなりボリュームがあって読み応えあり。
    兼好さんのイラストも堪能しつつ、若手から名人までたっぷり紹介。知らない噺家さんのことも興味を持ちつつ、敬愛する亡き喜多八師匠の名前がたくさん出てきて嬉しさも増幅。それにしても広瀬さんの落語の見識の深さには本当に恐れ入る。
  • 小三治の落語
    芝居じゃないんだ。落語は、“おはなし“なんだ。
    俺がやりたいのは、本を素読みにして面白くないものを、噺家がやると、こんな面白くなるのか、って話にしたいわけ。

    小さん師匠から受け継いだ真髄が二章の演目解説と三章のインタビューで繰り返し語られる。
  • 柳家三三、春風亭一之輔、桃月庵白酒、三遊亭兼好、三遊亭白鳥 「落語家」という生き方
    『#「落語家」という生き方』

    ほぼ日書評 Day316

    内容的には軽めのものだが、この手の芸能本は読むのに時間がかかる。今回であれば落語の噺のタイトルが出てきて、馴染みのないネタであれば都度Googleさんのお世話になる。下手したらYouTubeだ。
    一般書で、カントやヘーゲルと言われて、それを...続きを読む
  • 21世紀落語史~すべては志ん朝の死から始まった~
    広瀬和生さんといえば、ヘヴィメタル雑誌の「BURRN!」の編集長というイメージが強いです。
    私は中学から高校にかけて同誌を愛読しており、大変お世話になりました。
    恐らく、私のような「BURRN!」愛読者は、「広瀬さんが言うなら」と全幅の信頼を寄せているはず。
    だから、「すべては志ん朝の死から始まった...続きを読む
  • 噺は生きている 名作落語進化論
    当たり前ですが古典落語の演目は内容やストーリーが決まっています。
    サゲ、と言われる最後のオチも当然決まっています。

    しかし、これも当たり前の話ですが同じ演目でも落語家によって全く違う味わいがあります。

    特に大ネタと言われる有名な演目では、皆が独自色を強めて聞き手に強烈な印象を与えるようにアレンジ...続きを読む
  • 柳家三三、春風亭一之輔、桃月庵白酒、三遊亭兼好、三遊亭白鳥 「落語家」という生き方
    柳家三三、春風亭一之輔、桃月庵白酒、三遊亭兼好、三遊亭白鳥の客席前でのロングインタビュー。三三については小さん師匠が「さんじゅうさん」と読んでしまうからダメだと言っていたのにNGのまま名前になってしまったといった裏話や、兼好師匠の落語は業の肯定なんじゃなくて否定なのではといった落語観、白鳥師匠の新作...続きを読む
  • 噺は生きている 名作落語進化論
    落語ファンによる落語ファンのための本。
    古典落語5席を談志・志ん朝といったレジェンドから白酒・一之輔といった現役まで演出を語る。
    同じ噺でも演習によって演じ分けるのが落語の魅力であるのは確かだが、流石に本で読むと少し眠くなる。
    でも、落語の魅力が凝縮されている。
    是非。
  • 僕らの落語 本音を語る! 噺家×噺家の対談集
    落語界において落語の今を活字化してくれる広瀬和生さんの存在は大きいですね。
    今回は「桂米團治×柳家花緑」「桃月庵白酒×春風亭一之輔」「春風亭百栄×三遊亭兼好」「柳亭こみち×三遊亭粋歌」の4つの対談。
    印象に残ったところをメモしとくと・・・

    ・米朝が落語とは何かという問に「おじいちゃんが孫に聴かせる...続きを読む
  • 落語評論はなぜ役に立たないのか
    「BURRN!」編集長として音楽評論の世界に携わってきた著者が、落語評論家としてのみずからのアティチュードをまとめた一冊。

    ここで著者は、落語の本質を「同時代の観客の前で演者が語る芸能」としたうえで、評論家とは「ツウの客」「最も良い客」であろうとすることで「演者」と「客」の中間に位置する「媒介」と...続きを読む
  • 落語評論はなぜ役に立たないのか
    立川流を聴かない落語評論家がなぜダメか、という点が中心ではあるが……落語評論家の使命とは何かという点については共感。広瀬さんのおかげで素敵な落語家をたくさん知った自分としては。
  • 噺は生きている 名作落語進化論
    誰それはこう…誰それはこの噺家の設定を踏襲してあぁしてアレンジ…と実際噺を聞かないとわからないね!とYoutube見ながら確認したり。最近の噺家さんのは見たことあるのでイメージしながら読める。文七元結が好きな私としてはいろいろな解説が読めて興味深かった。
  • 21世紀落語史~すべては志ん朝の死から始まった~
    落語史とあるとおり、基礎知識のある人向け。興味をもつための本ではない。ニーズを間違わなければ面白く読めると思う。
  • 僕らの落語 本音を語る! 噺家×噺家の対談集
    2 桂米團治 X 柳家花緑
    1 桃月庵白酒 X 春風亭一之輔
    3 春風亭百栄 X 三遊亭兼好
    4 柳亭こみち X 三遊亭粋歌

    番号の順で対談しているので、司会者広瀬が前の対談で聞いた話を振ってくる。
    それがなかなか良い。
  • 柳家三三、春風亭一之輔、桃月庵白酒、三遊亭兼好、三遊亭白鳥 「落語家」という生き方
    私が落語を好きな理由に、「落語家の生き方が好き」というのがある。それゆえ、このタイトルに惹かれた。
    「落語家さんは話して飲んで遊んで明るくて、昔ながらの芸人さん!」という、偏見があって、なぜかそこに猛烈に惹かれる。そういう落語家の普段の生活や生き方が落語の登場人物の輪郭を作ってくれていたらいいな、と...続きを読む
  • 落語評論はなぜ役に立たないのか
    業界ではタブーらしい「立川流」を賞賛している本。

    すべてにおいて意見が合うわけではなかったが、
    落語を勧めるときに「まず寄席に行け」ではなく、
    落語家を選ぶというのは納得。
    自分が落語を聞き始めたておもしろさが少しわかってきたときに感じたことを書いてくれていて心地よかった。

    今までの落語評論本と...続きを読む