あらすじ
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人気・実力を兼ね備えた落語家、計4組による対談集です。人間国宝の子息・孫にあたる〈桂米團治×柳家花緑〉、いま爆発的な人気を誇る〈桃月庵白酒×春風亭一之輔〉、異色の経歴を持つ〈春風亭百栄×三遊亭兼好〉、将来を担う女性落語家〈柳亭こみち×三遊亭粋歌〉。彼らに迫る司会進行役は、落語家・落語ファンからいま最も信頼されている評論家・広瀬和生氏。普段は客を笑わせる落語家たちから、真摯な思いを聞き出します。共通項を持った彼らの心のうちが引き出されたのは、対談だからこそ。
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Posted by ブクログ
落語界において落語の今を活字化してくれる広瀬和生さんの存在は大きいですね。
今回は「桂米團治×柳家花緑」「桃月庵白酒×春風亭一之輔」「春風亭百栄×三遊亭兼好」「柳亭こみち×三遊亭粋歌」の4つの対談。
印象に残ったところをメモしとくと・・・
・米朝が落語とは何かという問に「おじいちゃんが孫に聴かせるおとぎ話」と答えたそうだ。業の肯定とかイリュージョンというよりはわかりやすかもしれない。
・花緑が弟子の教育に頭を痛めていて、師匠の墓参りに行きたいと思っても、それを弟子たちに「行け」と命令すると恐怖政治になるのでしたくない。でも行くような気持ちにはなってもらいたい どうすればいいのかと悩んでるというのが少し首をかしげるとこがあるけど、神経質な感じが彼の個性なのかもしれない。
・白酒の「はい、これ言ったらウケま~す、これ言ったらウケま~す、」みたいな感じでしゃべるのと、そうじゃないしゃべり方というのは明らかに違う。で、あんまり一言一句まで正確に入れちゃうと、それに陥りやすい。」それでなるべく決めないで話すそうだ。
兼好も「流れ作業みたいな感じで、「はいウケた、はいウケた・・・」みたいな感じてやってるときは、楽しくないですよね。「すげぇ予定調和で今しゃべってんな、っていうときはすぐ忘れるようにしてる。ウケたときのほうが逆に忘れるっていうか」
ウケたものは忘れるようにしているというのがスゴイ。
・兼好は最初落語自体にあまり興味がなかったようで、高座を聞いて、こんなにつまらないのにお金になるならラクだと入ったというのがおかしい。元手がいらない仕事。原材料費はいらないし、運搬も在庫も発生しないのでラクな仕事というのも一般の仕事をした人ならでは。
・こみちさんは二人の子持ちで、「「今日はこれくらいで、安パイで行こう」っていう風になっては絶対ダメなんだよね。これが恐ろしいです。お客さんは安パイの私を聞きにきているわけではないから。台詞とか間違えても闘っていてほしいと思うだろうし、だから闘うんですけど日々いっぱいいっぱいだし」って落語で闘ってるという表現をしているのはここだけでした。