丹羽宇一郎のレビュー一覧
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伊藤忠商事の元社長で、中国大使も務めた丹羽宇一郎氏の著書。
伊藤忠商事創業者である近江商人の伊藤忠兵衛や、近代資本主義を研究したマックス・ウェーバー等の思想を引き合いに、商いを行う上で、クリーン(清)・オネスト(正)・ビューティフル(美)、という「心」の大切さについて語っている。
商いという言葉を聞くと、どうしても相手との腹の探り合いとか、一円でも多く搾り取りたいとか、弱肉強食的イメージが浮んでしまう。しかし丹羽氏が唱えるように、金銭に替えられないモチベーションや仲間との感動の共有など、正しい「心」持つ事により人間味溢れる営みとなる。
もちろん商売である以上、利益が無ければ会社は成り立た -
Posted by ブクログ
前中国大使によるフィールドワーク的なレポートは、他の学者達の著作とは視点が異なっていて面白い。
中国は広大であり、世界一人口が多い国である。我々が接している情報は、中国共産党の一部の情報に過ぎない。
草原と馬と羊がイメージされる内モンゴルは、今世紀に入ってからは毎年20%近い全国トップの成長率で急激な経済発展を遂げている。その一方で、チベット、ウイグルと同様にモンゴル族に対する粛清と弾圧の歴史を有し、大規模な抗議デモが続いている。
中国人で日本人に会ったことがない人は98%。会ったことがあるのは2%だから約2800万人。日本に来る観光客は年間340〜350万人だから、10年かかっても35 -
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ネタバレ伊藤忠の元社長で、その後中国大使を務めた丹羽宇一郎氏からみた中国について書かれた本です。
中国の要人の人脈も広く、とても説得力があり日本の将来を考えさせられる内容で、なんだかとても危機感を感じました。
中国嫌~い、なんて言ってる場合じゃないかも。
例えばワシントンのシンクタンクがアメリカと中国に対する好感度を調査した結果なんかも驚きです。
これは、自国にとって相手国が「敵」か「味方」かを問う調査なんですが、世界における中国に対する好感度は私のイメージより格段によいのです。
例えば、アメリカやヨーロッパは4~5割、ラテンアメリカやアフリカは6~7割、高い国では8割ほどが中国を好意的に -
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人間は、仕事で磨かれ、読書で磨かれ、ヒトで磨かれるという丹羽さんの考えがまとめられている。
普段の考え方を振り返って、以下も自分へのメモ。
「正直であること。嘘はつかない。」
「アリ(のように20代は働き)、トンボ(のように幅広い知見を持てるよう30代は邁進し)、人間(を理解することができる50代)になれ。」
「努力が努力で無くなるようにせよ」
「お金をもらって勉強させてもらっていると考えよ」
「任された仕事を予想以上にしっかり心配りをして仕上げられているか。」
「不自由を常と思えば不足なし」という徳川家康の言葉。
自分の生き方(価値観)を曲げてまで会社におもねるくらいなら辞めてやる。
世界に -