野田智義のレビュー一覧
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ネタバレうーん。難しい時代だ。
処方箋は提供されているが、共同体の確立とかできるんだろうか。
食を入口とする、というのはおもしろそう。
P79
人々はもはや地域にも家族にも属さない浮遊した存在となり、それぞれが匿名者として戯れています。そして、グローバル化によって中間層が崩壊した格差社会において、地域と家族の空洞化を埋め合わせているのが、市場や行政といったシステムにほかなりません。システムに依存した社会は「社会の穴を、経済で埋め合わせる」ものです。だから「経済が回らなくなれば、社会の穴に人々が落ち込む」のです。その 事例は、孤独死以外にもさまざまなものがあります。
P88
さらに言えば、日本は災 -
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ネタバレ経営学に於ける、いわゆるプロセス学派の議論の系譜を辿りつつ、コンテクスト・マネジメントの観点から戦略や組織について概観した一冊。骨太であり、各所のロジックはどうしても頭から抜け落ちてしまうが、今後も折に触れて開きたい。
読み違えている部分もあるかもしれないが、個人的な観点からは、本書は「経営に絶対的な唯一解はない」ことを強く念頭に置き、故に戦略でも組織でもなく、コンテクストでマネジメントをする、という概念を提唱されているのだと理解した。コンサルとして働く中で痛感するが、経営という複雑な事象に唯一解は存在せず(もちろん、外してはいけないお作法はあるが)、事業をどのように解釈しどう仮説を立て意思決 -
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経営学のハウツー的な本ではなく、企業独自の制度などがなぜできたのかというプロセス(文脈)を追いかけ、本質的なナニカを語ろうとしている。
遠回しな表現が多いが、本質を掴みにいくための過程が重要であり仕方ないのかも。例によって規模がめちゃくちゃでかく、コングロマリット事業を営む企業群が調査対象になっているため鵜呑みにできないことも要注意。
◯コンテクスト・マネジメントとは
組織による意思決定と行動を考察するフレームワークのこと。
意思決定と行動のプロセスを分けて考え、デザインし、運営し、その中に魂を吹き込むことらしい。
▼個人的な解釈
企業コンテクスト(文脈、歴史)によって引き出された要素から、 -
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「経営リーダーのための」という立て付けになっているが、別にそういうことを志す人でなくても、今、この時代を生きている私たち全員に必要なことが議論されている。
社会システム論(ハーバーマスとか、ルーマンなど)は、理論的には、かなりめんどくさいのだが、ここでの議論は難しくない。今、私たちの生きている時代、世界がどんな状況なのかを大きなシステムとして捉え、そして私たちの日常で身近に起こっていることを分析している。
システムという考え方は、個々の要素だけでなく、要素間の関係もみていくということ。つまり、全体は、一つ一つの要素の単なる積み上げではないということ。
ということは、うまくいけば、システム -
Posted by ブクログ
リベラルアーツはとても広義であると思う
きっとかなり色んな要素を詰め込んだ1冊なのだろう
統計学的なエビデンスは
逆説的に言い切れるのか少し疑問も残る
突き詰めえていくと社会主義的な思想なのではとさえ感じた
フランス、日本、アメリカと生活しているが
フランスやアメリカはレジの見知らぬ店員さんと急に世間話が始まってレジに行列
それでも、あら元気?良い1日を!ありがとう!と声を掛け合う
なんてことはしばしばある
コンビニの話は日本特有のものなのだろうか
しかし、
気にかかる仲間がいるという事実をベースにした同心円的な想像力の働きの延長線上で初めて全体についての意識がうまれる
という指摘などは大 -
Posted by ブクログ
・日頃から宮台先生の本、ビデオニュースドットコムのコメント、他メディア上での発言に慣れ親しんできた人にとってはジャストサイズのサマリーになると思った。
・内容は難しいのではなく深くて正しい。深い事柄を可能な限り平易な言葉で伝えようとしてくれている。そのため事柄の本質を抽出・圧縮・簡略した宮台先生用語を知るには上記他メディアにも日頃から触れているとかなり点と点がつながっていく。
・システム世界の侵食に抵抗するためにこそ、生活世界ーシステム世界が統合されたものとして企業の組織マネジメントはあると改めて思った。企業における組織は重要な社会の足場なので。