西林克彦のレビュー一覧
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ある文章を読んで、実は正確に分かっていない、理解できていないけれども、「分かったつもり」という安定状態で満足してしまい、それ以上知ろうとしなくなるその原因は何か、それを防ぐにはどうすればいいのか、という話。小学校の国語の教科書を中心に、最後はセンター試験の小説も題材として取り上げている。
サブタイトルは「読解力がつかない本当の原因」ということだけど、そもそも「読解力」って何なのだろうかと思った。本書では、「分かった」と言っても細部は読めてなかったり誤認していることが多々ある、という話が出てくるけれど、それが「読解力がついていない」と言えるのだろうか、と疑問に思った。例えば細かい事実の正誤は -
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★「わかった」=「わかった"つもり"」の状態になっていないか?
本書は「わかった"つもり"」にならないよう、詳細に記しています。
文法の勉強にぴったりな1冊。
■ 「わからない」「わかる」「よりわかる」
①文章や文において、その部分間に関連がつかないと、「わからない」という状態を生じます。 ②部分間に関連がつくと、「わかった」という状態を生じます。 ③部分間の関連が、以前より、より緊密なものになると、「よりわかった」「よりよく読めた」という状態になります。 ④部分間の関連をつけるために、必ずしも文中に記述のないことがらに関する知識を、また読み手が作り -
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ネタバレわかったつもりになっているだけかもしれませんが、「読解力がつかない本当の原因」という副題は少し内容と違うような気がしました。
より良く読むための指南書という感じで、なぜ読解力がつかないのかということは書いていないような……? わかったつもりになっているからといって、それはその人に読解力がないせいだと主張しているわけでもないですし…
国語の教科書に載っているというファーブルの話は、「ふしぎに思う」という言葉尻をとらえているような(「ふしぎ」という言葉にこだわっているような)印象だったのですが、そもそも「ふしぎに思う」と書かれていたのは、もしかしたら翻訳とかのせいもあるのではと思いました。「wo -
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人は誰しも「知っているつもり」に自然となるものだろう。
現代において、ネットやAIが普及したことで、急速に誰もが知識を手軽に手に入るようになり、真偽も正否もわからずに吸収していく。それ自体には正解もないのだろう。歴史を振り返っても木版印刷然り、活版印刷然り、その時代によって情報の扱い方や吸収するものは変わってきた。
さて、私たちの多くは「知っているつもり」という状態になっていることだろう。学問とは繋がりであり、それは日常でも役に立つ。本著では「問いを投げること」を主張している。そして「知識の結びつき」についても触れている。
多様な学問、学術領域、業界、業種など、どのジャンルであれ、その分野にい -
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例えば、「じゃがいもは茎」「さつまいもは根」という断片的な知識で「知っているつもり」になっていないか。そんな警告をならす本。
知識量が増えるほどに、「疑問」が多く生まれる。知識が増えるほど「知らない」が増える。
三角形の面積を求めるとき、なぜ斜辺ではなく高さをかけるのか、など自分が知って使いこなしているはずの知識をひとつひとつ取り上げ、いかに知らないかをつきつけてくれる。
だが、どうしても「何故?」と考え、深く探求し、そして使える知識として定着するには、「必要性」に迫られないとなかなか難しいと思う。
日本人にとっての「英語」と同じで。必要性があり、すぐに使えないと困る環境にないから身 -
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とある方が、SNS上で紹介されていたのを見たことがキッカケで手に取りました。
ひと言で説明すると、
孤立した知識を「知ってるつもり」でいる人々に警鐘を鳴らし、「知っているつもり」では知識として応用が効かないよ、というお話。
知識を応用できるものにするためには、「個別特性」と「共通性」に焦点を絞って、「いろいろあるから=個別特性」のなかにも「共通性」があることを知れば、知識は有機的に繋がっていくよ、という例を幾つも紹介されています。
手を変え品を変え、ですが、著者の言いたいことは一貫して「知識は個別特性と共通性に着目して、有機的つながりを持たせよう」ということです(個人的には、ある意味 -
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直前に同様の書籍を読んでいたがため、色々つながりを見つけることができた。
知識=具体事象、知恵=抽象事項、知識モデル=構造、他の要因への構成要素の当て込み/「個別特性」「共通性」=抽象⇔具体の行き来、、、。
疑問の持ち方、事態も欲を言えば構造的にぶつけることができると、抜け漏れが無いし、その疑問を解消することに意味があるということが分かる。飛行機の機首の話は、恐らく通常に説明を受けたら出てこない文脈ではあるが、そのほかにもっと確認することはなかったのか、とは気になってしまう(それでもその知識システムを持っておく方が断然ベター)。
他の知識と関連しづらい、ということもあるが、そもそも体系立 -
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<目次>
はじめに
第1章 「知ってるつもり」をなぜ問題にするのか
第2章 「共通性」と「個別特性」によるものごとの捉え方
第3章 孤立した知識への対応
第4章 知識システムと教育
第5章 知識システム構築に関する留意点
<内容>
言っていることはわかる。学んだり調べたりして、身につけた知識も、その分野の体系性から見たら「部分」でしかない。根本的な法則やルールを学んだり、理解をしていれば、違う視点や応用性の問題で、困惑したり間違った結論を導き出すことが少ない。そこで「知識システム」をどう伝えるか?の問題(これは自分の問題)という話だ。ただ第5章の終わりが今ひとつ解せない。