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Posted by ブクログ
知識は孤立したままでは使えるものにならない。
どうかすれば、それは簡単に抜け落ちてしまう。
システム化することで、知識は精緻化し、問を発見できるようになる。
本書の趣旨はだいたいこんな感じ。
私もたくさん本を読んできたが、読むだけで終わってしまうのはそういうことなんだろう、と思ってきた。
やっぱりそうか、と思いながら読んだ。
では、どう組織化するか。
本書ではあるカテゴリー全体を貫徹する基本的な性質を「共通性」とし、個々にしかあてはまらない性質を「個別特性」と分けて、セットで考えていくことを推奨する。
「共通性」がないと、対象を把握できないし、「個別特性」にも目を向けないと、「知っているつもり」に陥りやすいと。
それを、例えば植物の分類や磁石などを例に、丁寧に説明してある。
生物学のように、ドメイン、界、門、綱、目、科、属、種…と整理されている分野に適合する考え方かなあ。
階層的に整理できない分野(例えば芸術)などはどうするんだろう?
さて、知識はシステム化すると、問題発見につながるという。
たしかに、知識がほとんどない状態では、自分が何が分かっていないのかさえわからない。
経験的によくわかる話だ。
著者は知識が結びつく過程で、3つのタイプの「疑問」が浮かび上がるという。
・矛盾…既存の知識との衝突
・隙間…ある事柄と事柄をつなぐ情報の不足
・探索…関連する他のことが疑問として意識化される
こういうものに動かされて、知識システムを刷新していくことで、知識が意味あるものとして身につくという。
一つの孤立した知識を、他の孤立した知識に結び付ける方法として、「機能」を考えることを筆者は挙げている。
例として、イモが栄養繁殖のためにあるという機能を考えることで、それが茎・根のどちらが変化したものか(個別特性)を問わず、イモを作る植物が多年生の植物であることが自信をもって判断できるようになる、といったことが挙げられている。
ここで、またしても「機能」を持たないものはどうなるんだろうという疑問が頭をもたげる。
「機能」は、結局共通性なのかなあとか、機能以外に他の観点があった方がいいのか、とか思う。
筆者はこのような形で知識を身につけさせる教育を望んでいる。
「学習はある特性を持った主体がある状況に置かれた時に生じる特定のものである」という学習観が提示されていた。
だから、筆者の主張は子どもの知識が不十分なままに問題解決学習をさせても意味がない、とも言っていて、教育は学習主体の外側の条件を整えるものであるということになる。
この学習観にはもっともだと思うけれど、こうなってくると、もはや学校での教育は成り立たないのか?という気にもなってくる。
Posted by ブクログ
人は誰しも「知っているつもり」に自然となるものだろう。
現代において、ネットやAIが普及したことで、急速に誰もが知識を手軽に手に入るようになり、真偽も正否もわからずに吸収していく。それ自体には正解もないのだろう。歴史を振り返っても木版印刷然り、活版印刷然り、その時代によって情報の扱い方や吸収するものは変わってきた。
さて、私たちの多くは「知っているつもり」という状態になっていることだろう。学問とは繋がりであり、それは日常でも役に立つ。本著では「問いを投げること」を主張している。そして「知識の結びつき」についても触れている。
多様な学問、学術領域、業界、業種など、どのジャンルであれ、その分野にいればある程度、体系化された知識に基づいて知識がまとまってくるが、それでは足りない。
他分野や専門領域や自分たちが知らない世界に触れることで、知識の結びつきが強固となり、本著が主張するような現象が起きるだろう。
世界とは不思議なもので、全ての学問は何かしらの知識で繋がっており、私たちの生活に還元されており、視野を広く持つ、または、視座を高く抽象度を俯瞰し理解できるように私たちは意識して問いを投げ続け行動しなくてはならないのだ。
Posted by ブクログ
例えば、「じゃがいもは茎」「さつまいもは根」という断片的な知識で「知っているつもり」になっていないか。そんな警告をならす本。
知識量が増えるほどに、「疑問」が多く生まれる。知識が増えるほど「知らない」が増える。
三角形の面積を求めるとき、なぜ斜辺ではなく高さをかけるのか、など自分が知って使いこなしているはずの知識をひとつひとつ取り上げ、いかに知らないかをつきつけてくれる。
だが、どうしても「何故?」と考え、深く探求し、そして使える知識として定着するには、「必要性」に迫られないとなかなか難しいと思う。
日本人にとっての「英語」と同じで。必要性があり、すぐに使えないと困る環境にないから身につかない。
Posted by ブクログ
とある方が、SNS上で紹介されていたのを見たことがキッカケで手に取りました。
ひと言で説明すると、
孤立した知識を「知ってるつもり」でいる人々に警鐘を鳴らし、「知っているつもり」では知識として応用が効かないよ、というお話。
知識を応用できるものにするためには、「個別特性」と「共通性」に焦点を絞って、「いろいろあるから=個別特性」のなかにも「共通性」があることを知れば、知識は有機的に繋がっていくよ、という例を幾つも紹介されています。
手を変え品を変え、ですが、著者の言いたいことは一貫して「知識は個別特性と共通性に着目して、有機的つながりを持たせよう」ということです(個人的には、ある意味これさえ体感的に分かれば、例をしっかり隅々まで理解していなくても十分な気がしました)。
これは私が文系だから感じることなのかもしれませんが、「言いたいことはわかる。でも扱っている内容が難しくて途中で嫌になる」「頭のいい人がずーっと一方的に喋りかけてくる」系統の新書でした(わかる人には分かる表現だと思います)。
ここまで読んだのだから、という気持ちで頑張って読み進めましたが、扱われる内容が当たり前のように知識のミルフィーユ状態なもの(ひとつ理解するためには複数の知識を持っていること前提なもの)ばかりで、なかなかハードな読書体験でした。
一方で、一度読むだけで仕組みがわかる例もあり、これは私の得意不得意と関係しているんだろうな、としみじみ感じました。
著者が言いたいことは受け取ったし、次第点を貰った気持ちで、この本から卒業したいと思います。
ありがとうございました。
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