西川正身のレビュー一覧
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人と人とのつながりが大事であることがよくわかる。
彼が定めた戒律。
1、節制。飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
2.沈黙。自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
3.規律。物は全て所を定めて置くべし。仕事は全て時を定めてなすべし。
4.決断。なすべきことをなさんと決心すべし。決心したる事は必ず実行すべき。
5.節約。自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
6.勤勉。時間を空費するなかれ。常に何か益あることに従うべし。無用の行いは全て断つべし。
7.誠実。偽りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出すこともまた然るべし。
8.正義。他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして、人に損害を及ぼすべからず。
9.中庸。極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
10.清潔。身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
11、平静。小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
12.純潔。性交はもっぱら健康ないし子孫繁栄のためにのみ行い、これに耽りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
13.謙虚。イエスおよびソクラテスに見習うべし。
フランクリンはこれを同時に全部を狙わずに、一つ一つ徳を身につけていった。 -
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「徳」を身につけることの効用を論理的に解明し実践したフランクリン。謙譲な態度は人の信用を得て自分の考えに賛同させるのに効果的である、まずは節制と倹約によって富を築いてこそ誠実の徳を実践できる等々、精神論ではなく処世術としての徳であるところがユニークです。自身もある程度の富を得てからは「この町を(国を)良くしよう」と考えはじめ、街路の清掃などの小さいことから、軍備の増強、「合衆国」システムの基礎を置く、イギリスからの独立に尽力するなど政治の世界で活躍します。
この自伝は前半の方が明らかに熱を入れて書かれていて(途中まで書いたところで多忙になり書く時間と熱意とを失ったもよう)、無一文から処世の基礎を身につけ、そこそこヤンチャもしつつ成り上がる青年時代が読み物としてとても面白いです。後半はやや「やったこと」の単なる羅列になってはいますが、独立戦争前のアメリカやクェーカー教徒の拓いたペンシルヴェニアという特異な州の雰囲気も楽しめます。ところどころに心に残る一節が埋まっていて、時を置いて何度も読みかえしたくなる本です。 -
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人道主義者。救世主は人間であり、当の自分は神であると信じている者。
急進主義。今日の諸問題に注入した明日の日の保守主義。
反逆者。新しい悪政を主唱しながら、これを敷くことに失敗した者。
実証主義。「実在」についてのわれわれの知識を否定し、「仮象」についてのわれわれの無知を肯定する哲学。
三段論法。大前提、小前提、非論理的な結論、の三つから成る論理方式。
理性。偏見に対する偏った好み。
偏愛。幻滅への準備段階のこと。
運命。暴君が悪事を行う時に利用する典拠または愚者が失敗をしでかした時に持ち出す口実。
労働。Aなる者がBなる者のために財産を獲得してやる方法の一つ。
無宗教。世界中の偉大な信仰の中でもっとも重大な信仰。
幽霊。内なる恐怖が外に現れた目に見えるしるし。
用心深い。耳にする10%、読むものの25%、目にするものの50%しか信じないさま。
恋愛。一時的な精神異常。結婚すれば簡単に治る。
バッカス。古代の人々が酒に酔っ払う口実として便宜上作り出した神。
冷笑家。物事をあるべきようにではなく、あるがままに見る、たちの悪いやつ。 -
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人間の幸福というものは、時たま起こるすばらしい幸運よりも、日々起こって来る些細な便宜から生まれるものである▼相手を説得するために、正論など持ちだしてはいけない。相手にどのような利益があるかを、話すだけでいい▼老いた若者は、若い老人になる。ベンジャミン・フランクリン -1790 政治家・科学者
あなたが転んでしまったことに関心はない。あなたがそこから立ち上がることに関心があるのだ▼もし木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう▼馬の行きたい方向に馬を走らせるには手間も労力も要らない▼欠点のない者は取柄もない。エイブラハム・リンカーン -1865
英には永遠の同盟国も永遠の敵国もない。あるのは永遠の国益だけである。パーマストン -1865 アヘン戦争を主導
恐れはわれわれに自分の人間性を感じさせてくれる▼逆境に勝る教育はない▼愚か者はあれこれ思いをめぐらすが、賢い者は人にたずねる▼人間は環境の創造物ではない。環境が人間の創造物である▼評論家とは何者か。文学と芸術において成功できなかった人間である。ベンジャミン・ディズレーリ -1881
絶対に失敗しない唯一の人間とは、何もやらない人間である。セオドア・ルーズベルト -1919
屋根を治すとしたら、よく晴れた日に限る▼あなたの敵を許せ。だが、その名前は決して忘れるな。ジョン・F・ケネディ -1963
恐怖は逃げると倍になるが、立ち向かえば半分になる。凧(たこ)がいちばん高く上がるのは、風に向かっているときである▼20歳までに自由主義者でなければ情熱が足りない。40歳までに保守主義者でなければ知能が足りない▼過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来をより遠くまで見渡せる▼歴史は勝者によって作られる。しかし勝者は事実によって裁かれる。ウィンストン・チャーチル -1965
もしきみを批判する者がいないなら、きみはおそらく成功しない。マルコムX -1965
あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか。明日死ぬとしたら、生き方は変わるか? チェ・ゲバラ -1967
あなたが正しいとき過激になりすぎてはいけない。あなたが間違ってるとき保守的になりすぎてはいけない。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア -1968
思い切り泣けない人は、思い切り笑えない。ゴルダ・メイア(イスラエル首相) -1968
私はまた、私の敵にも感謝しなければならない。彼らが私を失望させようとしたことが、かえってこの仕事をやり通す力を私に与えたのである。ジョモ・ケニヤッタ(ケニアの初代首相) -1978
考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。マーガレット・サッチャー -2013
勇者とは怖れを知らない人間ではない。怖れを克服する人間である。ネルソン・マンデラ -2013 -
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いかにベンジャミンフランクリンが偉大であったかが一読するだけでわかる。さすが意識高い系の元祖だけあってかなり自分に鞭を打ってより良い幸福を得ようとしていた。
また彼があみだした十三徳は素晴らしいものである。
1 節制 頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
2 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
3 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
4 決断 なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
5 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
6 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
7 誠実 だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
8 正義 不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
9 中庸 何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
10 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
11 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
12 純潔 性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
13 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習うこと。
これらの徳を積むことによって彼は幸せになれると思っていた。 -
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ネタバレフランクリンは、1706年ボストンに生まれ、印刷業で立身、政治活動にも身を置き、アメリカ独立宣言書起草委員会にも名を連ねています。アメリカの駐仏全権公使としてパリに居住し、フランスともゆかりのある人物です。雷の研究や発明でも有名と、多才な人物だったようです。
自伝は長い期間をかけて紡がれていて、その時々の正直な思いが盛り込まれています。栄達のため、というよりはより良い人生を歩むための人生訓を後世に残しては、という周囲の人からの薦めもあった、と書かれています。
有名なのは、フランクリンの13徳、でしょうか。一週間ごとに一つの徳目に集中的に取り組むことを繰り返し、年4回転させ習慣づけることから13という数字になったようです。節制、沈黙、規律、勤勉、誠実といった項目は、日本人の道徳感覚と近く、すんなりと受け入れられるものばかりです。
「ものぐさは、錆と同じで、労働よりもかえって消耗を早める。一方、使っている鍵はいつも光っている」
「畑仕事で身代起こしたく思わば、鋤にせよ鍬にせよ、自ら使え」
といった言葉を読むに、フランクリンの自助(Self Help)の基本姿勢が良くわかりました。今の時代にも通じる金言が多く、アメリカ建国時の空気がわかるような気がしました。 -
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ベンジャミン・フランクリン(1706~90年)は、米国独立運動の中心人物として活躍し、米国建国の父の一人といわれるが、本書は、概ね50歳台までを自ら描いた半生記である。
フランクリンは、政治家としてのほかに、外交官、実業家、著述家、物理学者、気象学者として幅広い業績を残した万能人であったが、本自伝で語られる勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会貢献は、まさに建国直後の米国の理想的人間像を象徴しており、本自伝は米国のロング&ベストセラーの一つとなっている。米ドルの100ドル札の肖像が、ワシントンでもリンカーンでもなく、フランクリンであることからも、米国人にとっての存在の大きさがわかる。
日本でも、明治時代にサミュエル・スマイルズの『自助論(西国立志編)』とともに盛んに読まれ、また、福沢諭吉の『福翁自伝』に影響を与えたとも言われている。
本作品では、自らの体験が、失敗も含めて率直に語られているのだが、そのスタンスは常に前向きである。失敗についても、そこから何を学んだかが記されており、著者が、単なる回顧録としてではなく、後に続く若者へ伝えるものとして書かれたことがわかる。特に、道徳的完成に到達することを目指して作った「十三徳」では、「第一、節制~飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ」、「第四・決断~なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし」、「第十一、平静~小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ」など、具体的なものから理念的なものまで、様々な心掛けが示されている。
また、本岩波文庫版では、自伝とは切り離されて出版され、主に勤勉と節倹の説いている『富に至る道』も付け加えられている。
自己啓発書としても、古き良きアメリカ的思潮を知る書としても読める古典である。
(2010年2月了) -
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「何か恩恵を受けると、その重荷を自分の肩からはずして、天なる神に押しつけようとするのがお坊さん連中のやり口だと知っているもので、それで君はあくまで地上においておくように工夫したというわけだね。」
ベンジャミンフランクリンの自伝。この本を読むと、彼がいかに自信家だったかわかる。はじめの少年時代が面白かった。他にも、周囲の人を巻き込んだ企画を考えた際には、自分が発案者だと隠し勧誘したほうがうまくいったという話が良かった。また、新聞への寄稿は乗合馬車とは違い、人を選ぶという話、寄付を募る場合には世間でそれを話題にしてから行うのが良いとする話も参考になった。