あらすじ
雷雨中にたこを上げて電気と雷は同じものであることを発見したフランクリン(一七〇六‐九〇)は、科学者であると共に、出版業者、哲学者、経済学者、政治家であり、そして何よりもアメリカ資本主義の育ての親であった。本書はすぐれた人生教科書として多くの青年に影響を与えてきたが、アメリカ研究のための注目すべき書物でもある。
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## 感想
「勤勉と節倹の徳」
この本をまとめるなら、この言葉になる。
印刷、消防、大学設立、病院建設など、公のために骨を折り、果てはアメリカ独立運動の立役者として、後世に大きな影響を与えたベンジャミン・フランクリン。
「私はいままでの生を初めからそのまま返すことに少しも異存はない。」
そう言い切るフランクリンの人生における成功の秘訣」は、『勤勉と節倹による徳』だと言う。
真面目に働き、無駄なことに時間とお金を使わない。
そうすることで信用を得られ、成功に繋がっていく。
こうした考え方は、以前読んだ渋沢栄一の『論語と算盤』に近いものがあると感じた。
私たちが生きる現代は、フランクリンが生きた時代に比べて、はるかに多くの情報が世界中を飛び交い、人類は発展したように思う。
しかし一方で、人類が歩んできたために生まれた問題が山積されている。
自分だけが儲かれば良いというのではいけない。
人が生まれるのは長い歴史の中で先祖がその時々で懸命に生きてバトンを繋いできたからであって、そのバトンは次世代に繋いでいかなければならない。
人が生きるのは、それぞれができる何かしらの形で、世界に対して良いものを残して、次に繋ぐことだと、私は思う。
私は今、勤めてきた会社の中で新事業を立ち上げる立場にある。
これまでにお世話になった方々に報い、そして次世代に良い形でバトンを渡せるように、自分の仕事の時間を使いたいと考え、社内で手を挙げ、自ら望んでその立場に身を置いた。
あくまで会社に雇われている身ではあるが、だからこそできる時間とお金の使い方がある。
私の場合はそれで世界に貢献するべきだと考えている。
本書にこんな言葉がある。
「時間をむだ使いするな。時間こそ、人生を形作る材料なのだから」
これからはより一層、自分の時間を世界を少しだけ良くするために使いたいと気の引き締まる一冊になった。
## メモ
私はこの幸運な生涯を振返ってみて、時に次のようなことが言いたくなる。「もしもお前の好きなようにしてよいと言われたならば、私はいままでの生を初めからそのまま返すことに少しも異存はない。ただし、著述家が初版の間違いを再版で訂正するあの便宜だけは与えてほしいが」そうした便宜が与えられれば、ただ間違いを訂正するだけでなく、生の玉命の悪い出来事を工合の良いものにかえることが、あるいはできるしょうからだ。(p8)
同じ町にいま一人ジョン・コリンズという本好きの青年がいて、私はその男と仲よしになった。私たちは時々議論をしたが、二人とも議論が大好きで、互に相手を言い負かしたいと心から願ったものだ。ついでながら言うが、この議論好きという性質はともすると非常に悪い癖になりやすいもので、この性質を実地に生かすとなると、どうしても人の言うことに反対せねばならず、そのためにしばしばきわめて人付きの悪い人間になり、こうして談話を不快なものにしたり、ぶちこわしたりしてしまうほかに、あるいは友情がえられるかも知れない場合にも不愉快な気持を起させ、恐らく敵意をさえ起させるのである。私にこうした議論好きの癖がついたのは、父が持っていた宗教上の論争の書を読んだからである。その後私の見たところでは、思慮ある人物は選にこの悪癖に陥らない。(p24)
兄や他の連中が食事のために印刷所を出て行くと、私はひとり後に残り、大急ぎで軽い食事(それはたいていビスケット一つかパン一切れと、一つまみの乾葡萄か菓子屋から買って来るパイーつ、それに水一杯ぐらいのものであった)をすませ、みなが帰って来るまでの時間を勉強にあてることができたからだが、飲食を節するとたいてい頭がはっきりして理解が早くなるもので、そのため私の勉強は大いに進んだ。(p27)
ただ謙遜な遠慮がちな言葉で自分の考えを述べる習慣だけはこれを残し、異論が起りそうに思えることを言い出す時には、「きっと」とか、「疑いもなく」とか、その他意見に断定的な調子を与える言葉は一切使わぬようにし、そのかわりに、「私はこうこうではないかと思う」とか、「私にはこう思われる」とか、「これこれの理由でこう思う、ああ思う」とか、「多分そうでしょう」とか、「私が間違っていなければこうでしょう」とか言うようにしたが、この習慣は、自分が計画を立ててそれを推し進めて行くにあたり、自分の考えを十分に人に呑みこませてその賛成をうる必要があった場合に少からず役に立ったように思う。いったい談話の主要な目的は、教えたり教えられたり、人を喜ばせたり説得したりすることにあるのだから、ほとんどきまって人を不快にさせ、反感を惹き起し、言葉というものがわれわれに与えられた目的、つまり知識なり楽しみなりを与えたり受けたりすることを片端から駄目にしてしまうような、押しの強い高飛車な言い方をして、せっかくの善を為す力を減らしてしまうことがないよう、私は思慮に富む善意の人々に望みたい。(p29)
理性のある動物、人間とは、まことに都合のいいものである。したいと思うことなら、何にだって理由を見つけることも、理窟をつけることもできるのだから。(p58)
彼は相変らず飲みつづけ、毎土曜の夜には、この気違い水のために、せっかく稼いだ給料の中から四、五シリングも支払わないではいられなかった。こんな費用は私にはまったく不要だったわけである。気の毒にもこうして職工たちは、いつまでたってもうだつが上らないのである。(p75)
人はみな世の中の舞台に登場するにって、それぞれ適当な時期を待つべきだということです。人の気持はもっぱら目前の一瞬間だけに向けられているため、私たちは最初の一瞬間のあとになお多くの瞬間がつづくこと、したがって人は生涯のあらゆる瞬間に合うように行動しなければならぬことを忘れがちです。(p124)
何かある計画をなしとげるのに周囲の人々の助力を必要とする場合、有益ではあるが、自分たちより
ほんのわずかでも有名になりそうだと人が考えやすい計画であったら、自分がその発起人だという風に話を持ち出しては、事はうまく運ばない。そこで私はできるだけ自分を表面に出さないようにして、この計画は数人の友人が考えたことで、自分は頼まれて皆から読書家と思われている人のところを話して廻っているのだと説明した。この方法をとってからというもの、仕事は一段と円滑に運んだ。その後もこのような場合にはいつもこの手を使ったものだが、大概うまく行っているところから言って、私は心からこの方法を勧めることができる。現在名誉心を満足させることを少し我慢すれば、後で借いは十分に来るのである。誰の功績か、しばらくはっきりしないような場合には、君よりも名誉心の強い男がそれをよいことにして自分の手だと主張することもあるだろうが、そういうことがあっても、やがては君を嫉んでいる者ですら、偽りの名誉をはぎとって、正常な持主にそれを返そうと公正な態度をとりたい気持になるものである。(p131)
第一 節制
飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
第二 沈黙
自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
第三 規律
物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
第四 決断
なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
第五 節約
自他に益なきことに金銭を費すなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
第六 勤勉
時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
第七 誠実
割りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出だすこともまた然るべし。
第八 正義
他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
第九 中庸
極端を避くべし。たとえ不法を受け、貸りに値すと思うとも、激怒を加しむべし。
第十 清潔
身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
第十一 平静
小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
第十二 純潔
性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに貼りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし借用を傷つけるがごときことあるべからず。
第十三 謙譲
ィエスおよびソクラテスに見習うべし。(p138)
実際われわれが生れ持った感情の中でも自負心ほど抑えがたいものはあるまい。どんなに包み隠そうが、それと戦おうが、殴り倒し、息の根をとめ、ぐいぐい抑えつけようが、依然として生きつづけていて、時々頭をもたげ、姿を現わすのである。恐らくこの物語の中にもしばしばその自負心が姿を見せることであろう。なぜかと言えば、私は完全にこれに打勝ったと思うことができるとしても、恐らく自分の謙護を自負することがあるだろうから。(p151)
またこの企ての規模が、一見ばか大きいからと言って、私は少しも圧倒されはしなかった。なぜかと言って、相当の才能のある人物ならば、最初によい計画を立てて、自分の注意を脇にそらすような娯楽や他の事業などには一切眼もくれず、その計画の選行を確一の研究とも仕事ともするかぎり、かならずや人類に偉大な変化を与え、大事業を炭親することができると私はつねづね考えているのだから。(p155)
さらになく、しばらくしてから次のような方法を用いることにした。彼の蔵書に、ある非常に珍らしい本があると聞いたので、私は手紙を書き、その本を読んでみたいのだが、四、五日拝借させていただけまいかと頼んでやった。するとすぐ彼は本を送ってよこした。私は一週間ほどして、その厚情に感謝する品の手紙を添えて返却した。その後州会で会ったところ、それまでにないことであったが、向うから話しかけてくれた。しかも非常に感な態度であった。そしてその後あらゆる場合に私に好意を示してくれたので、私たちは仲のよい友達になり、二人の交わりは彼が死ぬまでつづいた。私が覚えている諺に、「一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが恩を施した相手はそうはいかない」という古いのがあるが、これはこの謎が本当だということを示す一例である。これを見ても分るように、他人の敬意のある行動を懐んでこれに返報し、敵対行為をつづけるよりも、考え深くそれを取りのけるようにするほうがずっと得なのである。(p165)
トマス知事はこの中で説明されているストーヴの構造がひどく気に入って、数年の期間中専売特許権を与えようと言ってきた。しかし、私はこういう場合につねづね自分には重要と思われる一つの主義があったので、これをことわった。つまり、われわれは他人の発明から多大の利益を受けているのだから、自分が何か発明した場合にも、そのため人の役に立つのを喜ぶべきで、それを決して惜しむことがあってはならないという考えである。(p188)
人間は何かやっている時が一番満足しているものである。というのは、仕事をした日には彼らは素直で快活で、昼間よく働いたと思うものだから、晩は楽しく過すのであったが、仕事が休みの日にはとかく巡らいがちで喧嘩っぽく、豚肉やパンや何かに文句をつけ、終日不機嫌でいるのだった。それで私はある船長のことを思い出したのである。彼は部下の者にたえず仕事をあてがっておくことにしていた。ある時航海士がやってきて、仕事はすっかりすんで、もう何もさせることがないと告げると、彼は言ったものである。「では錨を磨かせるがいい」(p235)
「人生を大切に思うと言われるのか。それならば、時間をむだ使いなさらぬがよろしい。時間こそ、人生を形作る材料なのだから」(p276)
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「13徳」の「規律」と「沈黙」は、まさに自らに課したいものであった。またそれ以上に付録の『富に至る道』で謎の人物「貧しいリチャード」が言及する言葉の数々が実にいい。
Posted by ブクログ
ベンジャミン・フランクリン。
健全な自尊心をもち、相当な読書好きで勉強をしたことがうかがえる。
何故この本が古典となったのか? その価値は青年に向けて、節制や勤勉や誠実であることの重要性を、一庶民であったフランクリンがそれらの特性を養いながら立見出身できたところにあるのではないか。
良い本は行動を促す本だと思うが、
まさにこの本はそれだ。
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一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが恩を施した相手はそうはいかない(190)
初めの百ポンドさえ溜めてしまえば、次の
百ポンドはひとりでに溜まる
金というものは本来繁殖力の強いものなのである(202)
本来の貧乏人一人にたいして、贅沢な貧乏人が百人(330)
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自伝を初めて読んだ。
こんなに面白いものだったなんて。
まず、決して裕福ではない時代、そして家に生まれたフランクリンですが、
彼が彼自身または書物よって導き出した考えにより、
合理的に誠実に動き、苦難にあいながらもまたそうする事で己の人生を運び成功して行く様がとても感慨深く、感銘を受けました。
中でも有名な十三の徳はとても実行してみたく思ったし、似たような事を自分でもすでにしていたことから自分のやっている事に確信を持ちました。
知る 事に遅いという事は言いたくはないものですが、
やはり知るのが遅い事に悔いてしまう。
それだけ素晴らしい書籍であった。
Posted by ブクログ
発熱で寝込んだ時に読み始めた。
もっと説教臭いのかと思っていたが、割と坦々とした内容であった。
時代を感じさせてくれるので面白く読めた。
言うならば、アメリカ開拓時代?の風景が想像されるような時代。
日本で言えば、戦後の昭和40年代から50年代ぐらい?として、勝手に映像化して楽しめた。
偉人伝ではなく、あくまで自伝なので、業績は他をあたった方がいいかもしれない。
幼稚園時代に、ベンジャミンという人が凧揚げをしていた漫画は読んだ覚えがある。伊東四朗とかの流れだったのかも。デンセンマンとか。
ちなみに有名な十三徳もメモしておく。
十三徳
1.節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
2.沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
3.規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
4.決断 なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
5.節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
6.勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
7.誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出ですこともまた然るべし。
8.正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
9.中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
10.清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
11.平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
12.純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
13.謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。
[more]
(目次)
少年時代
フィラデルフィアに入る
ロンドンの一年半
印刷屋を開業す
勤倹力行時代
十三徳樹立
成功の道を歩む
社会的活動
軍事に活躍す
州民を代表して再び英国へ
富に至る道
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個人的には科学者としての側面ばかり認識していたが、
本書を通して実に幅広く、かつ目覚ましい活躍をした人物であり
また著しい立身出世を成し遂げた人物でもあるということを知った。
十三の徳については、その内容自体もだがいかにして身に付けていくか、ということの説明に大きな価値がある。
自分は俗物なのでなかなか実践はむずかしいが、それでも目指すものとして心においておくだけでもいくばくか違うだろう。
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教養的読書。ベンジャミン・フランクリンといえば100ドル札紙幣に描かれているアメリカ合衆国建国に大きく貢献した人物として有名である。フランクリンは決して恵まれた家庭に生まれたとは言えず、植字工など苦労の多い時期を経験している。そこからの立身出世の物語はアメリカンドリームの原型なのだろう。フランクリンは自身で定めた「13の徳」の実践などから、勤労で実直な人物だったことが自伝から窺える。その影響は後にM.ウェーバーがプロ倫で資本主義の源流として言及したほどである。それだけの功績を遺した人物の自伝が現在でも読めることは大きな遺産だと感じる。
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ベンジャミン・フランクリンは、日本ではあまり有名ではないが アメリカではThe Father of All Yankeesと呼ばれ アメリカ建国の父として非常にポピュラーな存在だ。
彼の肩書きは、印刷業者・ジャーナリスト・哲学者・発明家 ・慈善事業家・政治家・外交官・科学者・文学者と多岐に渡っている。
有名なシステム手帳のフランクリンプランナーも彼がルーツであるし 雷が電気である事を凧を使った実験で確認したのも、このフランクリンである。
フランクリンのマルチな活躍ぶりを支えていたのは 彼が一貫して主張している彼の"勤勉さ"である。
フランクリンは25歳の時に 道徳的に完璧な存在になるためにはどうしたら良いかを考え 下記の13の徳目を確立した。
フランクリンの13の徳目
1.節制: 頭が鈍るほど食べないこと。酔って浮かれだすほど飲まないこと。
2.沈黙: 他人または自分自身の利益にならないことはしゃべらないこと。つまらぬ話は避けること。
3.規律: 自分の持ち物はすべて置くべき場所をきめておくこと。自分の仕事はそれぞれ時間をきめてやること。
4.決断: やるべきことを実行する決心をすること。決心したことは必ず実行すること。
5.節約: 他人または自分のためにならないことに金を使わないこと。すなわち、むだな金は使わないこと。
6.勤勉: 時間をむだにしないこと。有益な仕事につねに従事すること。必要のない行為はすべてきりすてること。
7.誠実: 策略をもちいて人を傷つけないこと。悪意をもたず、公正な判断を下すこと。発言するさいも同様。
8.正義: 他人の利益をそこなったり、あたえるべきものをあたえないで、他人に損害をおよぼさないこと。
9.中庸: 両極端を避けること。激怒するに値する侮辱をたとえ受けたにせよ、一歩その手前でこらえて激怒は抑えること。
10.清潔: 身体、衣服、住居の不潔を黙認しないこと。
11.平静: 小さなこと、つまり、日常茶飯事や、避けがたい出来事で心を乱さないこと。
12.純潔: 性の営みは健康、または子孫のためにのみこれを行なって 決してそれにふけって頭の働きを鈍らせたり、身体を衰弱させたり 自分自身、または他人の平和な生活や信用をそこなわないこと。
13.謙譲: キリストとソクラテスにみならうこと。
フランクリンは、徳目を作っただけでなく この13の徳目を1週間に一つ身につけようと、表をつくってチェックした。
13週後にすべての徳目をやり終えたら、それを一番目から繰り返した。
この方法だと、1年で4回繰り返し13の徳目を身につける訓練ができる。
これがフランクリン・プランナーのルーツである。
フランクリンは、決して人間にとって善い事であるから勤勉を推奨しているのではなく 富や名声、個人の幸せを掴むのにもっとも近道だから勤勉を推奨する。この勤勉の姿勢こそ、見習うべきものである。
Posted by ブクログ
「徳」を身につけることの効用を論理的に解明し実践したフランクリン。謙譲な態度は人の信用を得て自分の考えに賛同させるのに効果的である、まずは節制と倹約によって富を築いてこそ誠実の徳を実践できる等々、精神論ではなく処世術としての徳であるところがユニークです。自身もある程度の富を得てからは「この町を(国を)良くしよう」と考えはじめ、街路の清掃などの小さいことから、軍備の増強、「合衆国」システムの基礎を置く、イギリスからの独立に尽力するなど政治の世界で活躍します。
この自伝は前半の方が明らかに熱を入れて書かれていて(途中まで書いたところで多忙になり書く時間と熱意とを失ったもよう)、無一文から処世の基礎を身につけ、そこそこヤンチャもしつつ成り上がる青年時代が読み物としてとても面白いです。後半はやや「やったこと」の単なる羅列になってはいますが、独立戦争前のアメリカやクェーカー教徒の拓いたペンシルヴェニアという特異な州の雰囲気も楽しめます。ところどころに心に残る一節が埋まっていて、時を置いて何度も読みかえしたくなる本です。
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人間の幸福というものは、時たま起こるすばらしい幸運よりも、日々起こって来る些細な便宜から生まれるものである▼相手を説得するために、正論など持ちだしてはいけない。相手にどのような利益があるかを、話すだけでいい▼老いた若者は、若い老人になる。ベンジャミン・フランクリン -1790 政治家・科学者
あなたが転んでしまったことに関心はない。あなたがそこから立ち上がることに関心があるのだ▼もし木を切り倒すのに6時間与えられたら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう▼馬の行きたい方向に馬を走らせるには手間も労力も要らない▼欠点のない者は取柄もない。エイブラハム・リンカーン -1865
英には永遠の同盟国も永遠の敵国もない。あるのは永遠の国益だけである。パーマストン -1865 アヘン戦争を主導
恐れはわれわれに自分の人間性を感じさせてくれる▼逆境に勝る教育はない▼愚か者はあれこれ思いをめぐらすが、賢い者は人にたずねる▼人間は環境の創造物ではない。環境が人間の創造物である▼評論家とは何者か。文学と芸術において成功できなかった人間である。ベンジャミン・ディズレーリ -1881
絶対に失敗しない唯一の人間とは、何もやらない人間である。セオドア・ルーズベルト -1919
屋根を治すとしたら、よく晴れた日に限る▼あなたの敵を許せ。だが、その名前は決して忘れるな。ジョン・F・ケネディ -1963
恐怖は逃げると倍になるが、立ち向かえば半分になる。凧(たこ)がいちばん高く上がるのは、風に向かっているときである▼20歳までに自由主義者でなければ情熱が足りない。40歳までに保守主義者でなければ知能が足りない▼過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来をより遠くまで見渡せる▼歴史は勝者によって作られる。しかし勝者は事実によって裁かれる。ウィンストン・チャーチル -1965
もしきみを批判する者がいないなら、きみはおそらく成功しない。マルコムX -1965
あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか。明日死ぬとしたら、生き方は変わるか? チェ・ゲバラ -1967
あなたが正しいとき過激になりすぎてはいけない。あなたが間違ってるとき保守的になりすぎてはいけない。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア -1968
思い切り泣けない人は、思い切り笑えない。ゴルダ・メイア(イスラエル首相) -1968
私はまた、私の敵にも感謝しなければならない。彼らが私を失望させようとしたことが、かえってこの仕事をやり通す力を私に与えたのである。ジョモ・ケニヤッタ(ケニアの初代首相) -1978
考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。マーガレット・サッチャー -2013
勇者とは怖れを知らない人間ではない。怖れを克服する人間である。ネルソン・マンデラ -2013
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フランクリンの生い立ちとかはあまり興味ないし読み物としてもさほど面白くもなかったので読み飛ばしたが、周囲から評価され社会に貢献し続けている人生だったということはなんとなくわかった。
13の徳を積む具体的な方法、その週に重視し反省する徳目を定義するという話についてはかなりよさそうなので実践しているところ。そこだけ読めばこの本の6割くらいの価値はあるような気がする。
Posted by ブクログ
私が読書に目覚めたきっかけ。
最初の部分は冗長に感じられる所もあるが、とても知己に富んでいる。
ベンジャミンフランクリンは意外と面白い人なんだなぁ、、と思えるし、こんな人でも自分の欠点を治そうとして、でもうまくいかなくて、、でもここだけは気をつけよう、とか考えて生活してたのだなぁ…と思える。
Posted by ブクログ
いかにベンジャミンフランクリンが偉大であったかが一読するだけでわかる。さすが意識高い系の元祖だけあってかなり自分に鞭を打ってより良い幸福を得ようとしていた。
また彼があみだした十三徳は素晴らしいものである。
1 節制 頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
2 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
3 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
4 決断 なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
5 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
6 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
7 誠実 だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
8 正義 不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
9 中庸 何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
10 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
11 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
12 純潔 性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
13 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習うこと。
これらの徳を積むことによって彼は幸せになれると思っていた。
Posted by ブクログ
フランクリンは、1706年ボストンに生まれ、印刷業で立身、政治活動にも身を置き、アメリカ独立宣言書起草委員会にも名を連ねています。アメリカの駐仏全権公使としてパリに居住し、フランスともゆかりのある人物です。雷の研究や発明でも有名と、多才な人物だったようです。
自伝は長い期間をかけて紡がれていて、その時々の正直な思いが盛り込まれています。栄達のため、というよりはより良い人生を歩むための人生訓を後世に残しては、という周囲の人からの薦めもあった、と書かれています。
有名なのは、フランクリンの13徳、でしょうか。一週間ごとに一つの徳目に集中的に取り組むことを繰り返し、年4回転させ習慣づけることから13という数字になったようです。節制、沈黙、規律、勤勉、誠実といった項目は、日本人の道徳感覚と近く、すんなりと受け入れられるものばかりです。
「ものぐさは、錆と同じで、労働よりもかえって消耗を早める。一方、使っている鍵はいつも光っている」
「畑仕事で身代起こしたく思わば、鋤にせよ鍬にせよ、自ら使え」
といった言葉を読むに、フランクリンの自助(Self Help)の基本姿勢が良くわかりました。今の時代にも通じる金言が多く、アメリカ建国時の空気がわかるような気がしました。
Posted by ブクログ
アメリカの建国に大きな役割を果たしたフランクリンの自伝記。本人の自慢話(ご自身も認めていますが)が鼻につくところはあるものの、18世紀自分だけの力で財やネットワークを作り、謙虚かつストイックに生きている姿に勇気づけられます。それにしても翻訳が読みにくいのが残念!他の役者で読んでみようかな。
Posted by ブクログ
ベンジャミン・フランクリン(1706~90年)は、米国独立運動の中心人物として活躍し、米国建国の父の一人といわれるが、本書は、概ね50歳台までを自ら描いた半生記である。
フランクリンは、政治家としてのほかに、外交官、実業家、著述家、物理学者、気象学者として幅広い業績を残した万能人であったが、本自伝で語られる勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会貢献は、まさに建国直後の米国の理想的人間像を象徴しており、本自伝は米国のロング&ベストセラーの一つとなっている。米ドルの100ドル札の肖像が、ワシントンでもリンカーンでもなく、フランクリンであることからも、米国人にとっての存在の大きさがわかる。
日本でも、明治時代にサミュエル・スマイルズの『自助論(西国立志編)』とともに盛んに読まれ、また、福沢諭吉の『福翁自伝』に影響を与えたとも言われている。
本作品では、自らの体験が、失敗も含めて率直に語られているのだが、そのスタンスは常に前向きである。失敗についても、そこから何を学んだかが記されており、著者が、単なる回顧録としてではなく、後に続く若者へ伝えるものとして書かれたことがわかる。特に、道徳的完成に到達することを目指して作った「十三徳」では、「第一、節制~飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ」、「第四・決断~なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし」、「第十一、平静~小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ」など、具体的なものから理念的なものまで、様々な心掛けが示されている。
また、本岩波文庫版では、自伝とは切り離されて出版され、主に勤勉と節倹の説いている『富に至る道』も付け加えられている。
自己啓発書としても、古き良きアメリカ的思潮を知る書としても読める古典である。
(2010年2月了)
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信じる事と自分を自制すること
それが己を高める第1の条件だと
フランクリンは示してくれます
自伝ではありますが自分の思い描いたものを
手に入れるために勉強しますし
強い志を持つ同じような人が集まればいいなにかが生まれることを教えてくれます
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「何か恩恵を受けると、その重荷を自分の肩からはずして、天なる神に押しつけようとするのがお坊さん連中のやり口だと知っているもので、それで君はあくまで地上においておくように工夫したというわけだね。」
ベンジャミンフランクリンの自伝。この本を読むと、彼がいかに自信家だったかわかる。はじめの少年時代が面白かった。他にも、周囲の人を巻き込んだ企画を考えた際には、自分が発案者だと隠し勧誘したほうがうまくいったという話が良かった。また、新聞への寄稿は乗合馬車とは違い、人を選ぶという話、寄付を募る場合には世間でそれを話題にしてから行うのが良いとする話も参考になった。
Posted by ブクログ
この様な自伝を読むのは、本当に久しぶりだ。人の一生を並走するという読書は、映画でいうロードムービーと同じで、自分がこれから何処へ行くのかを一緒に考えながら、読み進め流ことができる。人生の追体験の場を与えてくれる。国も、時代背景も異にしていても、通じる生きることの法則がそこには必ず存在する。それを、より多く映画や書物から、より抽象度を高めて自分の人生を豊かなものにするかに役立てたいと思わせてくれる作品だった。 *付録として、掲載された「富に至る道」に出てくる格言が、古めかしいながらも、重い言葉として伝わってきた。
2014.03.14
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高校時代に手にとった本。存在を知り、親父に頼んで購入してもらったことから思い出深い本でもある。
十三徳の樹立など、あらゆる自己啓発の基盤となった作品と言っても過言でないと思う。
入社四年目に久しぶりに再読。新鮮さは薄れていたが、日々の習慣が大切なことを再認識。良い習慣を如何にシンプルに運用するかという視点は初読時には無かった。
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
著者が自己形成の実験記録とてまとめた本。
2.よかった点を3~5つ
・十三徳樹立(p137)
→いずれも真っ当な内容だと思う。
・十三徳の管理表(p140)
→日々の行動を記録し、欠点を可視化して改善するのは現代の手帳術に通じるものがある。
・事実、規律の点では、…この徳の不足を身に染みて感じている次第である。しかし、…私は自分が心から願った道徳的完成の域に達することはもちろん、その近くに至ることさえできなかったが、それでも努力したおかげで、かような試みをやらなかった場合に比べて、人間も良くなり幸福にもなった(p147)
→理想と現実のギャップを冷静に認める姿勢が良いと思う。
・私がかように自分の勤勉ぶりを事細かに、また無遠慮に述べ立てるのは、…この物語全体を通して勤勉の徳がどのように私に幸いしたかを見てこの徳の効用を悟ってもらいたいからである(p101)
→真面目に一生懸命働くことが重要であるという教えだと思う。
・日曜は私の勉強日だったので、日曜の集会には早くからでないことにしていたが、だからといって、宗教上の主義をまったくを持たないわけではなかった。(p133)
→求めている説教が聞けないとわかったらお付き合いで参加することはしないというのは実利的な考えだと思う。
・私の発明を盗んで人が特許をとったのはこれだけではない。そのような時、私はかつて争ったことがない。というのは、特許を取って自分が儲けようという考えはないし、それに争い事は好まないからだ。(p188)
→人格者だというのがわかる。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・アメリカの独立運動にどのように関わったのかというところが一切書かれていないと思う。
3.実践してみようとおもうこと
・
5.全体の感想・その他
・全体として、この本は自伝として書かれたものではなく人生の記録として書かれた本だと思う。
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アメリカの父の一人といわれるベンジャミン・フランクリンの回顧録。勤勉さや正直に生きることの大事さを伝えている。またアメリカ国民の元々の性質を理解するにも良いとされていたため読んでみました。
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デール・カーネギーの『人を動かす』に記述のあったアメリカ資本主義のキーパーソンであるフランクリン自伝を手に取ってみた。恐らく原文ではとても素晴らしいことを書いてあるのだろうと思うも、自分には直訳風の日本語訳が合わずしっくりいかない。原文を読めるような語学力がないのが残念。中でも有名らしい十三得を記す。毎日自問しこれを習慣化していくべしとの事。
いきなり食べ過ぎなワタクシである。
≪十三得≫
第一 節制…飽くほど食うな、酔うほど飲むな
第二 沈黙…駄弁を弄するな
第三 規律…物は場所を決め、仕事は時間を定めよ
第四 決断…なすべきことをなさんと決心しべし
第五 節約…浪費するな
第六 勤勉…時間を空費するな、益有ることに従え
第七 誠実…詐りを用いて人を害するな
第八 正義…他人の利益を傷つけるな
第九 中庸…極端を避け、激怒を慎め
第十 清潔…身体、衣類、住居の不潔を黙認するな
第十一 平静…小事、日常茶飯事に平静を失うな
第十二 純潔…性向に耽り頭脳を鈍らせ信用を失うな
第十三 謙譲…イエス、ソクラテスに見習え