小林玲子のレビュー一覧
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文句なしの良書。
文章も平易で読みやすくわかりやすいし、『昆虫』というテーマで幅広く過不足なく章立てされていて理解しやすい。
最近話題になっているコオロギ食で、なぜコオロギがクローズアップされているのか、大変納得出来る理由が提示されていて、なるほどこうした理由があってのことかと納得出来た。昆虫食については今までも研究自体は色々されていて、現在の酪農システムを維持するのは、色々と限界が生じるのではないかという危惧もあり、より効率の良いタンパク源を求めての研究であったわけだが、昨今で見かける意見は感情論が多くを占めていて、違和感を覚えていたのだけれど、その違和感の招待が理解出来た気がした。
海外で -
Posted by ブクログ
この本を読むと、エジルはサッカー選手以上の存在に感じる。バックグラウンドであるイスラム教やトルコルーツは彼にとって非常に大きな意味を持っていて、一見関係なさそうなサッカーにも大きく影響していてた。まあメディアでもよく取り上げられていたから、何となく感じてはいたけど。
印象的だったのはエジルとチームメイト、監督との関係性。特にセルヒオ・ラモスとモウリーニョとの関係性は、本人のキャリアにも大きく影響を与えたんだと思う。ラモスはエジルにとって兄貴のような存在で、まさに相思相愛という感じだった。モウリーニョに関しては、良好な関係だったのかどうかはよく分からないが、エジルの成長に間違いなく貢献している -
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「勝てばドイツ人、負ければ移民」
エジルがジダンを尊敬するのは、二人が全く同じ境遇だからってのもあるよね。
ジダンもアルジェリア系フランス人で、エジルもトルコ系ドイツ人。
そういえば、早稲田の入試で『支配なき公共性』が出題され驚いた。
「ありがとう、ジダーヌ、フランス万歳」とあった。
エジル「得点しても喜ばないようにしたのは、誰も不快にさせたくなかったからです」
(66頁)
「ひとつの心臓にドイツとトルコ、二種類の血が流れることだってある。ドイツ人らしい思考と、トルコ人らしい感性。それが移民の融和というものだ。一流のサッカークラブに、たがいを尊重する空気が息づいているように。」
(67頁 -
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Posted by ブクログ
いつも努力しているはずなのにうまくいかない理由は何か、次上手くいくようにするためには何を変えるべきか、悩んでいたとき、自分の”悪性”完璧主義(この本では”不健全な”と示されている)に何か原因があると感じ、その解決に向けて探した一冊。完璧主義の仕組みを理解したうえで、不健全な完璧主義を失くし、健全な完璧主義を伸ばすことを目標に書かれているが、かくいう著者も完璧主義および強迫性障害に悩まされており、だからこそこういう視点で書けたんだと思う。自分自身もこの本を読んで、自分の完璧主義がうまくいくとき、いかないときを少し理解できたと思うし、挙げられている事例にも共感できるものがたくさんあった。何より「完
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私自身は完璧主義とは程遠い人種ですが、この本を読んで分かったのは実に簡単なことで、行き過ぎた完璧主義の人たちは、努力の効果はある段階から、努力に見合う効果が薄れ始める「収穫逓減」や、仕事は重要な2割をすることで成果の8割を生み出す「80対20の法則」を全く知らないか、理解しようとしない人達だったのです。
その背景にあるのは、「この仕事は絶対うまくいかなくてはならない。さもなければおしまいだと考えること」にあるのでしょう。まあこれは一種の不安に過ぎませんので、本当にこの仕事がうまくいかなくて起こる最悪の結果は何かと考えさせることが一番効果があるのではと考えるように思いました。
完璧主義の人は -
Posted by ブクログ
ハエやカに対して「存在しなくても良いのでは?」と思ったことがある人は多いと思う。序盤でその質問に答えてくれる。曰く「①カを始めとする昆虫たちは食物連鎖の一員である ②昆虫を研究することで、ヒトは思わぬ形で益をもたらしてもらってきた ③全ての生き物は生きる機会を尊重されるべきであり、また人間には地球に棲む多様な生き物たちを出来る限り保護していく責任がある」。
昆虫の定義とは何か。それぞれの持つ興味深い体の構造とは。昆虫はどのような性質を持ち、研究することでどのような益をもたらしてくれるのか。昆虫たちが現在置かれている危機的状況とは。幅広いトピックを網羅した内容で、読む前と後では昆虫に対する感じ方