金田章裕のレビュー一覧

  • 景観からよむ日本の歴史

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    景観とは風景とは少し違う。
    風景は個人の心象が中心で、景観は客観的なもの。
    筆者が撮影した日本各地の景観の写真が数多く掲載されていて、いろんなところに旅行した感じになった。
    写真がもっと大きくて、カラーだったら良かった。
    QRコードでそれらの写真にスマホでアクセスできるようになっていたらいいと思った。

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    2023年03月29日
  • 古地図とゆく京都歴史散歩

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    <目次>
    第1章  平安京と嵯峨
    第2章  中世・近世初期の洛中洛外
    第3章  近世の京
    第4章  近代の京都

    <内容>
    各時代の古地図をベースに、京都の町を語っていく。京都大学を出て、京都大学で教鞭を取られていただけあって、テーマも視点もしっかりしている。その辺の観光本とは違う、地に足の付いた京都ガイドとなっている。おそらく取り上げられたところの多くには観光客が来ることはないだろうが(天竜寺や金閣、三十三間堂や平安も神宮もあるが)、京都の成り立ちや発展を考えるときに重要なところが取り上げられている。

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    2024年12月07日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    大学卒業以来、久々に読んだ歴史地理学の本。

    日本の地形は主に侵食力のある河川によって作られたもの。
    「堤防を作ると洪水が起きる」説明の箇所は必読だと思う。
    堤防で完全に河川を囲ってしまうと、土砂が堆積して川床が高くなるため
    さらに堤防を高くする必要がある。また、水の逃げ場が無いので、
    一旦堤防が決壊すると、被害は昔よりも大きくなる。
    また、堤防の後背地に開発されたエリアの地盤沈下が進めば、
    相対的に河川水位より低くなり、洪水時の被害は大きくなる。
    結局はイタチごっこを数十年・数百年単位で繰り返しているわけである。

    どこに住むか検討するにあたり、地形の変遷に関する知識は必須。
    今でこそ、日本

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    2023年01月18日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    先日読んだ「地形で読む日本」の前の作品があったということで、順番を違えて手に取った一冊。
    著者が提唱する歴史地理学の入門第一弾という位置付けです。
    歴史地理学は「空間と時間の学問」。歴史学と地理学における空間と時間のギャップへの、架け橋の役割をも果たすもの、としています。現在、歴史と地理は別々に学習すべきものという印象がありますが、もともとは一緒に学ぶべきものでした。確かに、歴史と地理はお互いに影響し合うものです。個人的に興味がある分野でもあります。
    そして著者は、「私たち日本人はどこで暮らしてくたのか」を知るためには、空間と時間を同時に視野にいれた、歴史地理学の視角こそ有用として、この視点で

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    2022年01月16日
  • 地形で読む日本 都・城・町は、なぜそこにできたのか

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    歴史地理学の入門書第2弾。
    地理や地形から歴史を見ようとする内容の書としてはかなり本格的な一冊でした。前著より先にこちらを読んでしまったことを少し後悔しています。
    日本の古地図の歴史を見ながら、日本人や外国人が日本をどのようにとらえようとしていたか、という所から始まり、過去の遷都の歴史とそれにまつわる背景、特に交通の発展や外交関係などを振り返り、解き明かしていったり、武士の拠点である城の立地の変遷を見ながらその意義がどのように変わっていくか、というかなり詳細の内容でした。
    これまでの歴史とは違った視点で見ることができ、かなり考えさせられる内容でした。

    ▼大阪平野南部や奈良盆地に緒宮を構えた天

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    2021年12月31日
  • 景観からよむ日本の歴史

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    「景観からよむ日本の歴史」というタイトルですが、「景観から歴史を見る」「歴史による景観の形成」といった感じの内容でした。取り上げている地点が多いので、一つ一つの記述が薄く感じます。あと、ブラタモリなどで目の前の景色や古地図から過去を想像する能力を磨いた人が増えた今となっては、その内容知ってますという人が多いのではないかと思えます。2020年発売の新刊なんですけど。

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    2021年03月17日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    恥ずかしながら地理の知識は中学生以下で止まっており、輪中などの単語がそれなりに有名であることをこの本で知った。電子書籍では図版が見にくかったのが難点だったが、小字の移り変わりなど楽しく読めた。

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    2021年02月14日
  • 古地図からみた古代日本 土地制度と景観

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     日本の荘園図の検討から、当時の社会の実像をとき、さらに中国やローマの古代地図との比較によって各地域の古代社会の構造の違いを明示する。

     現代の衛星すら使用した精確な地図にみなれた現在の人間には、東西を問わず古代の地図はとてもいびつなものにみえる。しかし、金田氏によれば現存する荘園図をそこに描かれた実地でひもときながめると、正確無比な現代の地図よりも感覚的にはしっくりくることすらあるという。
     これは古地図が、その作製の際、あくまで人間生身の感覚が付されているからであろう。

     もちろん、やはり古地図には歪な点が多々あるのだが、しかし、それはその地図が表現しようとする内容が現代の精緻な

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    2009年10月04日
  • なぜ、日本には碁盤目の土地が多いのか

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    古今東西の、農耕地区画、都市の方格・区画が紹介されており、カタログとして面白いが、本の表題である「なぜ碁盤目の土地が多い?」については、しごくあっさりしか説明していない。もちろんすべてのケースに共通する大原則がある、というわけでもないので、碁盤目であれば、これとあれの点でメリットがあると思われる・・という程度のお話でも仕方ないのかもしれないが。
    文中で、すごく久しぶりに浮田先生の名前を目にして、懐かしさを感じた。人文地理学かあ。

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    2023年01月31日
  • 地形で読む日本 都・城・町は、なぜそこにできたのか

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    平安京までの朝廷の拠点の変遷や、戦国時代の城下町の種別の話がメイン。ちょっとタイトル詐欺かもしれないが、特に朝廷の動きは面白く読める。戦国時代部分は列挙感が強くて退屈な印象

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    2022年12月07日
  • 地形で読む日本 都・城・町は、なぜそこにできたのか

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    斬新な視点がなかったのと、時系列に沿った記述(かつ、飛鳥〜奈良時代が長い!)ので少し退屈。
    専門とされる時代のせいか、水運や防衛といったテーマに偏っており、宗教や資源といった多様な切り口に欠けるのも寂しいところ。

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    2022年09月25日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    著者は歴史地理学の分野の専門家。
    まず、その分野がどんなものか興味があって、本書を読むことにした。

    空間の学問(地理学)と時間の学問(歴史学)をつなぐ分野であるとのこと。
    時間地理学なる分野もあり、ビッグデータの利用が進めば、これも何か進展がありそうな気がするが、本書では深くは紹介されていなかった。

    さて、筆者は「微地形」(プレート移動など大規模な地殻運動でできたものではない地形)についての業績で知られる人とのこと。
    私の出身地近くの濃尾地方が取り上げられることも多く、土地感覚があるので、興味深く読んだ。

    人間が堤防(連続堤)を作ることで、天井川を作り出し、さらに水害のリスクを高めてしま

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    2022年04月10日
  • 和食の地理学

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    以下、引用
    ●灘の酒は、江戸時代すでに、樽廻船などで江戸へ廻漕され、「下り酒」として人気を博してきた。西宮から神戸にかけてという沿岸の酒産地は、水運に適し、好適な立地条件となった。酒という重量物の輸送、とりわけ長距離の輸送には、当時は水運が不可欠であった。
    ●伏見もまた、水運に有利な立地条件であった。宇治川の中書島の港は、三〇石船などで淀川水運を通じて大阪へ、また高瀬川を通じて水運でも京と結びついていた。
    ●ただし西条は、かつて西国街道の宿場町(四日市)ではあったが、内陸なので近世における重い酒樽の輸送には恵まれていなかった。従って、西条の酒蔵はいずれも明治維新後の操業であり、(中略)特に、明

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    2022年03月05日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    新書というより、きちんとした歴史地理学の教科書的な内容なので、とっつきやすくはない。読む側も、ちゃんと読まなくてはいけない感じ。だから、この内容を新書として出すのが間違っているように思う。また、せっかくの内容なのに、地図が見にくいのもいただけない。
    ということで、出版社の姿勢に対しては☆2つなのだが、内容は勉強になったので☆3つにしました。

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    2022年02月20日
  • 地形で読む日本 都・城・町は、なぜそこにできたのか

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    <目次>
    第1章  国土をどのように認識してきたのか~日本図を読む
    第2章  宮や都を遷したのはなぜか
    第3章  古代・中世の山城と平地の居館
    第4章  城はなぜ山から平地に移動したのか
    第5章  都市はどのように交通と結びついていたのか

    <内容>
    金田先生の歴史地理学第2弾。分かってきたことをきちんといわれてもな、という感じ。地図を使いながらの説明なので、まあわかるが…。第5章の交通の話が、港湾を中心としたもので、少し面白かった。

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    2021年12月12日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    災害だけではなく、生活のなかで人がどのように地域の自然と過ごしてきたかを、歴史や地図、地名から語る。自分のポジションを考えるきっかけ。

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    2021年07月05日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    ◯出だしでカントの自然学が出てきて、これは壮大な体系の理論が打ち出されるのか、テーマ的にも興味深いと思ったが、内容としては事例に則した紋切り型の解説という印象であった。
    ◯個々の章では、ブラタモリさながら古地図と現代の地図の比較、自然の状況が描かれており、とても面白い。後書きにもあるが、河川に関する部分が大半を占めている印象。
    ◯新書くらいのページ数だからか、若干の物足りなさを感じる。とても興味ある章も少なくないのでもっと深掘りしてほしいと感じる。
    ◯地図や写真が多いのは理解を促進できて大変好感であった。

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    2021年05月30日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    堤防を築き河川のコントロールを始めた結果、河床に砂利が堆積し天井川となり、堤防のかさ上げや砂利取りを続ければなければならない運命となった人類。旧約聖書の禁断の木の実のようだ。

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    2021年05月27日
  • 和食の地理学

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    歴史地理学の専門家である筆者が、食物・食材の栽培、生産、収穫、加工にかかわる文化的景観という、日本から失われつつある生活となりわいからなる景観にスポットを当てた1冊。文化的景観という視点は自分にとって新鮮で、仕事や旅行でどこか地方に出向く際、この視点で見てみようという楽しみが増えた。

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    2021年03月25日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    河川による地形の形成過程や、地形と人々の生活との関わりなどについて、事例を挙げながら解説しています。少し文章が堅い感じがしました。また、せっかくの興味深い事例も、図版の少なさとその文字の小ささ(特に地形図)ゆえに、よく理解できないところもありました。地形の形成過程をイラストで説明したり、歴史資料を豊富に引用したりすれば(私としては)もっと読みやすくなったのではないかと思いました。

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    2021年01月22日