金田章裕のレビュー一覧

  • 和食の地理学

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     地理歴史文化和食エッセイみたいな一冊。

     もちろん、新書で和食の世界を網羅するのは無理なのだが、コンパクトながら要点をおさえてあって、うんちく材料には事欠かない。

     花ガツオが荒節(カビがつく前のカツオ節)を削ったものとか、緑の茶は江戸時代の終わりごろの技術開発とか、人里離れたところに柿の木があったら住居跡のこともあるとか、会話に挟めばもの知りっぽい(笑)。

     食習慣は育った地域の文化や家庭に影響されるなあと今さらながら再確認した。富山県生まれの著者が慣れ親しんだ食べものの中には、未知のものも。蕪寿しとかおいしそう。

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    2021年01月19日
  • 和食の地理学

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  稲作と農村~奈良盆地・砺波平野と岐阜の棚田、そして酒蔵
    第2章  寿司飯と調味料~和食のさまざまな味と産地
    第3章  茶とダシの文化的景観~宇治・焼津、そして北前船
    第4章  漬物と多様な発酵食品~京都・滋賀と奈良・三重・北陸
    第5章  干し柿と干物~日本各地の名産品
    第6章  果物と堅果~日本各地、それぞれの文化的景観
    第7章  いろいろな畑と養殖~京都・淡路、群馬・滋賀、熊本・金沢、瀬戸内海・有明海
    第8章  ブドウ園とワイナリーの文化的景観~山梨の日本ワイン、オーストラリア・イタリアの新旧ワイン産地
    第9章  文化的景観が意味するもの~生活となりわいの物語

    <内容>

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    2021年01月18日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    地理と歴史が親しい学問領域であるなどいろいろと勉強させていただいたが、結局河川氾濫原と後背湿地でだいたいカバーできちゃうような場所に日本人は住みたがるようです。

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    2021年01月03日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    まあまあだった。
    タイトルやサブタイトルから受ける印象と少し違って、地形の成因やひとびとの地形への働きかけ、あるいは地名についてのいろんな話が含まれている。やや散らかった印象の本。一章や終章の哲学的な話などは不要(本論の補強などにもなってないし)。
    それに、地名の由来とかの話は余計かな。。

    遊水地と後背湿地のことなど、河川との関係などの記述は多くてよかった。新幹線基地が氾濫想定地域にできるのは、氾濫するから住宅などはなく土地が空いていたというのは説得力がある(都市計画的な観点もあろうけれど)。
    平安京のころ、東側の鴨川で堤防のかさ上げや保護をしていたというのも面白い(そんなころから河川工事が

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    2020年12月17日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    著者が富山生まれで京都大学に長年籍を置いていたからであろう、日本人といっても東日本より西日本が中心となり、また河川や湖沼に重きを置いた著作となっている。新書という限られた分量の中では仕方なしか。

    寝屋川流域は1964年から1996年の33年間で最大1メートル以上沈下した、との事。太古は河内湾であった事は知ってはいたが、やはり水害には特に気を配らなければならない一体なのであろう。

    西日本に馴染みがある人には読み易く感じるだろう。一方馴染みのない人には読みづらい所もあるか。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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    2020年11月28日
  • 地形と日本人 私たちはどこに暮らしてきたか

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    ネタバレ

    人がどう地形を改変してきたかと災害の痕跡と。ともかく読みでがある。もうちょっと地図があるとありがたいのだが、そこは、パソコンでででも地図を見ながら読みなさいというところだろうか。

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    2020年11月02日
  • 景観からよむ日本の歴史

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    景観の変遷から歴史をたどる、というアプローチは実に興味深い。本書中では住所の成り立ちなどにも言及されており、歴史のうねりの中で土地や景観がどう移り変わっていったのかに思いを馳せることができる。
    が、いかんせん収録されている古地図などが小さく、何を書いてあるか判然としない。であるにもかかわらず本文ではその内容を前提として解説される。新書サイズを意識したつくりになっていない点が残念。

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    2020年08月30日
  • 景観からよむ日本の歴史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  景観史へのいざない
    第2章  古地図からよみとく景観史
    第3章  景観史の画期を演じた人々とその舞台
    第4章  景観からよみとく地域のなりたち
    第5章  景観史の資料と考え方

    <内容>
    第5章にあった、条里制遺構は奈良時代ではなく、少なくとも院政期以降のもの(①律令の条里プラン②国図の条里プラン③荘園の条里プランとあって、現在残っているものはほとんど③)という話には驚いた。また地名の由来についてもこの章には書かれており、多くの小字名は、10世紀、つまり③に近い時期に生まれている、の話も驚いた。
    景観史のイメージは捕らえられたが、従来の郷土史のイメージとは違うだけに、そのギ

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    2020年08月06日