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○本書は、私たちが暮らす場所の地形にはどのような特性があって、どう変化してきたのかについての見方を紹介する歴史地理学入門。近年各地で発生している水害や地形災害は、単に地球温暖化や異常気象だけで説明できない。どこで、どのように災害が発生しているのかについて理解を進めるために、地歴、地形環境やその歴史的改変の知識が欠かせない。
〇日本人の大半は平野に居住している。そもそも平野は川によってつくられた。平野は、扇状地・自然堤防・後背湿地・氾濫平野・三角州などに分類でき、後背湿地や氾濫平野は、主に水田に利用され、集落は自然堤防沿いにつくられてきた。
〇近年相次ぐ大型台風による洪水や山崩れは、地形的に災害の発生しやすい低地や地盤の弱いエリアに集中して発生している。本書は過去の日本人の土地との付き合い方、地形環境の改変の歴史を豊富な事例とともに紹介、大災害時代の必携教養として伝えたい。
Posted by ブクログ 2023年01月18日
大学卒業以来、久々に読んだ歴史地理学の本。
日本の地形は主に侵食力のある河川によって作られたもの。
「堤防を作ると洪水が起きる」説明の箇所は必読だと思う。
堤防で完全に河川を囲ってしまうと、土砂が堆積して川床が高くなるため
さらに堤防を高くする必要がある。また、水の逃げ場が無いので、
一旦堤防が決...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月16日
先日読んだ「地形で読む日本」の前の作品があったということで、順番を違えて手に取った一冊。
著者が提唱する歴史地理学の入門第一弾という位置付けです。
歴史地理学は「空間と時間の学問」。歴史学と地理学における空間と時間のギャップへの、架け橋の役割をも果たすもの、としています。現在、歴史と地理は別々に学習...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月10日
著者は歴史地理学の分野の専門家。
まず、その分野がどんなものか興味があって、本書を読むことにした。
空間の学問(地理学)と時間の学問(歴史学)をつなぐ分野であるとのこと。
時間地理学なる分野もあり、ビッグデータの利用が進めば、これも何か進展がありそうな気がするが、本書では深くは紹介されていなかった...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月20日
新書というより、きちんとした歴史地理学の教科書的な内容なので、とっつきやすくはない。読む側も、ちゃんと読まなくてはいけない感じ。だから、この内容を新書として出すのが間違っているように思う。また、せっかくの内容なのに、地図が見にくいのもいただけない。
ということで、出版社の姿勢に対しては☆2つなのだが...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月30日
◯出だしでカントの自然学が出てきて、これは壮大な体系の理論が打ち出されるのか、テーマ的にも興味深いと思ったが、内容としては事例に則した紋切り型の解説という印象であった。
◯個々の章では、ブラタモリさながら古地図と現代の地図の比較、自然の状況が描かれており、とても面白い。後書きにもあるが、河川に関する...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月22日
河川による地形の形成過程や、地形と人々の生活との関わりなどについて、事例を挙げながら解説しています。少し文章が堅い感じがしました。また、せっかくの興味深い事例も、図版の少なさとその文字の小ささ(特に地形図)ゆえに、よく理解できないところもありました。地形の形成過程をイラストで説明したり、歴史資料を豊...続きを読む
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