内藤朝雄のレビュー一覧

  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    大変な名著。学校のいじめを通じて普遍的ないじめ、つまり「人間が人間にとっての怪物になる心理ー社会的メカニズムである、普遍的な現象としてのいじめ」の構造を分析し、そのようないじめが生まれないための構造の作り方(制度設計論)を提案している。短期的な教育制度改革論から、中長期的な社会構想まで論じられている。その構想はリチャード・ローティの「リベラル・ユートピア」に通じる。

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    2017年01月04日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    いじめという局所的な事象の構造を明らかにするだけでなく、私達が暮らす社会に内蔵する中間組織的全体主義について言及した非常に感銘を受ける良書であった。教育関係者には一読することを勧める。

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    2015年07月25日
  • 「ニート」って言うな!

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    本田由紀さんのパートはまっとう。
    2番目の社会学者のパートは、挑発的な文章を目指したのかいなか、ちょっと引いてしまう。

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    2015年01月16日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    戦争中の大人、水槽に閉じこめられたメジナは市民性を失い、いじめを行う。
    いじめは中学生を中心に起こっているものと捉えるのではなく全ての人間が「豊さ」を獲得するために考えるべきことではないだろうか。
    具体的な教育制度改革には一部賛成、一部反対という感じだ。

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    2014年10月13日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    ニートのコアとされる「就業意欲の無い若年層」が増加していないという本田の現状分析には手堅さを感じるし、いたずらに心の問題に矮小化しニートの「鍛えなおし」を強調する論に対する内藤の構造批判にも説得力がある。ただ、先に内藤によりニート問題の心の問題化とその背景について分析がなされているので、最後の後藤による様々なメディアにおける言説批判が少々蛇足と感じられた。
    一方でニートという言葉が「社会的ひきこもり」と混同されている現状への本書の批判は、残念ながら、「社会的ひきこもり」という現象自体を問題として捉え、再教育を促そうとする声には届かないのではないか?昔からいた裕福な家庭の「道楽息子」(内藤)が、さほど裕福でない家庭にも出現し始めたことへの社会の当惑が昨今のニート批判であるとするなら、ニートの一角を確実に占める「社会的引きこもり」に対する本書なりの処方箋(その必要性の有無も含めて)を示してほしかった気がする。

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    2013年12月22日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    「ニート」と一般的に呼ばれる人たちの、社会の中での扱いを批評している。
    メディア等により、「ニート」が単純に「だらしない若者」を指すような風潮になっており、それは現状を錯誤する原因ともなり、施策の方向性をも謝らせてしまう。
    3人の著者により、社会で取り扱われている「ニート」なるものへの統計分析を行い、取るべき施策も提案している。

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    2013年09月12日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    タイトル通り、いじめを構造的に捉える試みは、非常にためになる。
    また、歴代の陰惨ないじめの実例は、改めて読むと、本当にこんなことが起こるんだという、衝撃を受けた。
    ただ多くの子ども達が、潜在的にはその要素をもっていようとも、それをきちんとコントロールして逞しく生きてることも、忘れてはならないと思う。

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    2013年05月18日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    この手の本は、難しくなり途中で投げ出してしまうことが多いのだが、この本はすぐ読み切ることができた。
    いじめというのは大人からしたらなぜ起こっているのか意識しにくいものである。それは、子どもたちと大人の社会構造が根本的に違うからだ。という観点から、筆者はいじめの構造についてわかりやすく伝えてくれる。環境が変われば人は変わってしまうということと、環境の大切さを肝に命じておきたい。
    筆者は学校という空間の独特の環境のメカニズムについて、言葉でわかりやすく説明してくれた。そして人は言葉で表現できないモヤモヤとしたものには対処しにくいが、言葉で表現されているとそれに対して動くことができる。いじめの構造についてモヤモヤとしている人はこの本を読み一度言葉として自分の中に整理するのもいいかもしれない。

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    2013年01月29日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニートが流行のひとつで消え去るものだろうと書いてあるけれど、今なおこの言葉が存在感を持っているのは何故だろう。

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    2013年01月22日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    いじめには暴力とコミュニケーション操作系があり、それはどこでも起こりうる

    そのリスクを少しでも減らし、逃げ道を確保することが必要

    その点、学校について見れば、「学級単位の区割り」や「強制参加」を排すべきで、具体的には「移動教室中心」の授業への切替や部活への強制参加廃止といったように交友関係的な「縛り」を取っ払い、より自由な振る舞いをすることができるようにすることが大事と考えさせられた。


    ちなみに、筆者の提案全てに賛成はできないが、筆者提案の最低限の教育の中身である「身を保つために必要な法律と公的機関の利用法」には賛成。

    また教育バウチャーについても「教育の機会均等」という理念に関しては賛成。

    まとめると、どんな規模の社会も「逃げ道」と「自由」がなければ壊れるということ。

    さらにいえば、専門家でもない首長等が教育に口を出すべきではないが、聖域化された「部分社会の法理」を突き通せば必ず問題は起きる。

    せめて、「いじめ」ではなく、「刑事事件」として扱うべき。

    学問の自由と警察の関係は「治安維持法下で思想が侵されたような時」にしか問題にすべきではない。

    そして、いじめを見つけることが人事考課上「マイナス」ではなく、見つけて解決することを「プラス」とすべき

    メモ
    いじめをやめるとき
    学校的秩序が市民社会の秩序に触れ、もはやその秩序が維持できないと分かった時

    学校的秩序(群生秩序)
    善悪の基準は流動的⇔善悪の基準は普遍的(市民社会の秩序)

    ⇒ノリに乗るか反るかが人倫の要

    ※仮にけがをしようが、人が死のうが「ノリに従っていれば」正当化され、個人責任といったものは発生しない

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    2013年01月20日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    タマフルの推薦図書にあったので手に取った。
    途中小難しいところがあったけどさくっと二日で読み終わった。もう一回読み返そうかな。
    教育に関する本かと思ってたけど、読み進めてるうちに学校だけじゃなくて色んなところに応用できそうな話に移ってて面白かった。twitterとかでも群生秩序な人いるよね。
    義務教育ほど多くの人が共有してる体験はないし、つい中学のころとか思い出しちゃうね。
    多分これから電車とかではしゃいでる中学生とか見ると複雑な目で見てしまうだろうなー。

    いじめ関連の本から幾つか引用があって、結構メンタルを削られるのである程度覚悟して挑まないとびっくりするはず。

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    2012年11月15日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    いじめは群生秩序という学校空間における特殊な秩序が原因で発生する。
    この秩序により、社会通念上の常識が通用しない空間が出来上がる。

    この空間を破壊するための施策として、
    学校内治外法権を廃し、通常の市民社会と同じ基準で法に委ねる事が重要である。例えば、暴力行為は学校内だけで処理せず、警察に通達し、法に照らし合わせる。
    そして、学級制度を廃止することで、「みんな仲良く」しなければならない状況を打破する。これにより、シカトや嘲笑などのコミュニケーション系いじめから逃げることができる。

    また、中長期的政策として、新しい教育制度を提案している。
    これは、学習者が自由に学校支援団体(∈学校)を選ぶという、学校選択制の考え方を肯定している。

    このように筆者の論調は、強制的に作られた共同社会によって、いじめが発生するというものだが、昨今話題の"絆"を軽視しているわけではない。(警察との連携など)
    ただ、消費者が自由に教育機関を選択するという考え方は、個人主義的で消費社会主義的すぎる。
    ここは賛否が分かれるところだが、個人的にはやや反対。
    生徒は顧客ではない。教師と生徒は明確な上下関係があるべきである。

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    2012年10月30日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    むかし、私の息子が生活しにくい特徴があると診断された時におもったのが、
    そのころ読んだ重松のナイフという短編に書かれてあるフレーズが
    心にささりずっと私もずっとそう願ってきました。
    ”生きることに絶望するような悲しみや苦しみには、決して出会わないように。 甘い父親だと笑われても、我が子に望むものはそれ以外に思いつかなかった。 ”
    この本の内容はすごく赤裸々で胸の奥にどす黒い塊を感じたり、吐き気がしたり震えがでるような内容もありましたが、真実をよく分析し伝えていると思いました。
    いじめの根本は、学校という、異質な他者と長い時間べったり密着させられる環境が要因であり、その異質な環境の下で発生する異質な秩序(ノリとこころを最も重みを持つローカルな幼児的で狡猾な秩序)が原因。

    いじめへの中期的な改善方法として、
    (1)学校内のことでもきちんと法に委ねる。
    (2)コミュニケーション操作系のいじめには学級や学校への囲い込みを廃止し自由な交友関係を試行錯誤できる場を提供する。
    というのもよくわかる。

    でも、息子のようにコミュニケーション操作系のいじめ(いやがらせや無視悪口陰口など)を見過ごせない、ほっとこうと逆に無視することができない性質をもっているような人はどうすればいいのか?
    中長期的な社会としての是正策もわかるけど、今実際に被害を受けて自己を破壊せざるを得ない状況になっている被害者は具体的にどうすればいいのか?
    もっと具体的な策を提示してほしかったという感じもあります。
    でも、学校という幻想世界を神聖化して考えるのではなく、多様性を認めてそのうえで、必要であればとことん逃げても、息子は守ってやろうと思いました。

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    2012年09月21日
  • 「ニート」って言うな!

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    今の「ニート」の見方を、痛烈に批判。

    根拠も明確で、自分の見方もけっこう
    操作されてたなーと思った。

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    2012年08月02日
  • 「ニート」って言うな!

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    個人的には読んでてちょっとしんどい 若者が大人に幻滅するために読む本ではないのだけど、読み方によってはそんな作用もあるなあという感じ 一部が秀逸 データで正しい概観をつかめる

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    2012年05月09日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    いじめの構造について徹底的に論理的に分析を試みている.
    「大切なことは、群れた隣人たちが狼になるメカニズムを研究し、そのうえでこのメカニズムを阻害するような制度・政策的設計を行うことだ.」と述べ、その構造の分析や処方箋を提供している.
    子供の世界のみならず、大人の世界にも通用する論考.
    子供のいじめには、(1)学校内のことでもきちんと法に委ねる.(2)コミュニケーション操作系のいじめには学級や学校への囲い込みを廃止し自由な交友関係を試行錯誤できる場を提供する.
    この2点が大切だとわかった.

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    2012年04月21日
  • 「ニート」って言うな!

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    ニート(日本)
     →15〜34才、未婚、学生じゃない、働いてない、働く意志なし

    1ニートの定義が問題
     →労働問題に置き換えるべき(働きたくても働けない)

    2青少年ネガティブキャンペーン
     →自己同一視、悪循環、
      教育、労働を人間の絶対条件のようにしてる
      不透明な社会へ(相対化)
      
     
    3

        

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    2011年11月20日
  • 「ニート」って言うな!

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    タイトル通りの本。
    もともと英国でできた「ニート」の定義を、日本では拡大解釈し、曲解したあげく現在の「ニート≒ひきこもり」のマイナスイメージができたそうな。
    だから、「(俺は正しい意味ではニートには定義されないから)「ニート」っていうな!」ということらしい。
    ただ定義付け、単語の使い方の誤謬だけに済んでいればいいが、実際はそうではない。
    それによって個人の問題としてとらえがちになってしまったため、雇用情勢の改善が進みにくくなってしまったらしい。これは問題だ。

    ほかの本や雑誌なども読んだうえで思うことは、やはりメディアはもっと注意深くあるべきだということ。これはスポンサーにヘコヘコしろという意味ではない。
    イメージ操作がひどい。本当に。
    ニートもその被害を受けた結果だ。もっと冷静に見なければならない。

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    2011年10月12日
  • 「ニート」って言うな!

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    ネタバレ

    『ニート問題の間違い』を本筋として、3人の著者が違ったアプローチで展開しています。
    第1部執筆の本田由紀氏では統計データから、
    第2部執筆の内藤朝雄氏ではマスコミの煽動から、
    第3部執筆の後藤和智氏では新聞、雑誌等のメディアから、
    それぞれ述べています。

    やはり特筆すべきは第1章です。
    ニート問題=個人の心の問題と片付ける風潮を一蹴、つまり『ニート自体は昔から存在しており、近年になって急増した、あるいはニートが突然誕生していない。統計データからは時系列ではニート数はさほど変化していない』点と、『問題はフリーターで、彼らも単純に正職がないからフリーターにならざるを得なかったところが大きい。つまり労働の需給問題である』
    と両断。それも客観的資料に基づいているので説得力があります。今まで知らなかった事なので瞠目です。

    第2章と第3章については割愛しますが、総じて『最近の若者は』云々を放言する人に読ませたい一冊です。
    個人的には第1章だけで十分満足でした!

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    2011年09月07日
  • いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか

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    ネタバレ

     「いじめ」が発生するメカニズムについて、学校での事例を中心に分析し、それに対する対策を論じた本。

     本書はいじめの根本的な要因は、「空気を読むこと」や「ノリの良さ」が支配する「学校的な秩序」であると指摘する。学校のようにベタベタした人間関係を求められる場所では、普遍的な論理よりもその場のノリが重視されるためである。そうした秩序を乱す者に対する不全感やむかつきが、秩序を安定させる者をして群れて暴力を行使させる方向に導く。

     他にも「癒しとしてのいじめ」というものもある。それは「自分はいじめを耐えぬいてタフになった」という自己肯定感を得るために、いじめを再生産するというものである。かつてのいじめられっ子がいじめっ子になるというものである。

     対策としては
    ・学校の法化(暴力的いじめには警察で対応)
    ・「学校的な秩序」を作り出している学級制度、推薦入試の廃止
    ・特定の生き方が共通善とならない「自由な社会」の達成
    ・学ぶ内容を教科的、技能的、道徳的な分野に分けた上で、すべての子供に国家試験を受けさせ、合格した者に卒業認定をする

    といったもの。ドラスティックすぎて少々受け入れにくい感じがする。全体的には面白く読めたが。

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    2011年06月06日