内藤朝雄のレビュー一覧
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ネタバレニートのコアとされる「就業意欲の無い若年層」が増加していないという本田の現状分析には手堅さを感じるし、いたずらに心の問題に矮小化しニートの「鍛えなおし」を強調する論に対する内藤の構造批判にも説得力がある。ただ、先に内藤によりニート問題の心の問題化とその背景について分析がなされているので、最後の後藤による様々なメディアにおける言説批判が少々蛇足と感じられた。
一方でニートという言葉が「社会的ひきこもり」と混同されている現状への本書の批判は、残念ながら、「社会的ひきこもり」という現象自体を問題として捉え、再教育を促そうとする声には届かないのではないか?昔からいた裕福な家庭の「道楽息子」(内藤)が、 -
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この手の本は、難しくなり途中で投げ出してしまうことが多いのだが、この本はすぐ読み切ることができた。
いじめというのは大人からしたらなぜ起こっているのか意識しにくいものである。それは、子どもたちと大人の社会構造が根本的に違うからだ。という観点から、筆者はいじめの構造についてわかりやすく伝えてくれる。環境が変われば人は変わってしまうということと、環境の大切さを肝に命じておきたい。
筆者は学校という空間の独特の環境のメカニズムについて、言葉でわかりやすく説明してくれた。そして人は言葉で表現できないモヤモヤとしたものには対処しにくいが、言葉で表現されているとそれに対して動くことができる。いじめの構造に -
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いじめには暴力とコミュニケーション操作系があり、それはどこでも起こりうる
そのリスクを少しでも減らし、逃げ道を確保することが必要
その点、学校について見れば、「学級単位の区割り」や「強制参加」を排すべきで、具体的には「移動教室中心」の授業への切替や部活への強制参加廃止といったように交友関係的な「縛り」を取っ払い、より自由な振る舞いをすることができるようにすることが大事と考えさせられた。
ちなみに、筆者の提案全てに賛成はできないが、筆者提案の最低限の教育の中身である「身を保つために必要な法律と公的機関の利用法」には賛成。
また教育バウチャーについても「教育の機会均等」という理念に関して -
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タマフルの推薦図書にあったので手に取った。
途中小難しいところがあったけどさくっと二日で読み終わった。もう一回読み返そうかな。
教育に関する本かと思ってたけど、読み進めてるうちに学校だけじゃなくて色んなところに応用できそうな話に移ってて面白かった。twitterとかでも群生秩序な人いるよね。
義務教育ほど多くの人が共有してる体験はないし、つい中学のころとか思い出しちゃうね。
多分これから電車とかではしゃいでる中学生とか見ると複雑な目で見てしまうだろうなー。
いじめ関連の本から幾つか引用があって、結構メンタルを削られるのである程度覚悟して挑まないとびっくりするはず。 -
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いじめは群生秩序という学校空間における特殊な秩序が原因で発生する。
この秩序により、社会通念上の常識が通用しない空間が出来上がる。
この空間を破壊するための施策として、
学校内治外法権を廃し、通常の市民社会と同じ基準で法に委ねる事が重要である。例えば、暴力行為は学校内だけで処理せず、警察に通達し、法に照らし合わせる。
そして、学級制度を廃止することで、「みんな仲良く」しなければならない状況を打破する。これにより、シカトや嘲笑などのコミュニケーション系いじめから逃げることができる。
また、中長期的政策として、新しい教育制度を提案している。
これは、学習者が自由に学校支援団体(∈学校)を選ぶと -
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むかし、私の息子が生活しにくい特徴があると診断された時におもったのが、
そのころ読んだ重松のナイフという短編に書かれてあるフレーズが
心にささりずっと私もずっとそう願ってきました。
”生きることに絶望するような悲しみや苦しみには、決して出会わないように。 甘い父親だと笑われても、我が子に望むものはそれ以外に思いつかなかった。 ”
この本の内容はすごく赤裸々で胸の奥にどす黒い塊を感じたり、吐き気がしたり震えがでるような内容もありましたが、真実をよく分析し伝えていると思いました。
いじめの根本は、学校という、異質な他者と長い時間べったり密着させられる環境が要因であり、その異質な環境の下で発生する異 -
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タイトル通りの本。
もともと英国でできた「ニート」の定義を、日本では拡大解釈し、曲解したあげく現在の「ニート≒ひきこもり」のマイナスイメージができたそうな。
だから、「(俺は正しい意味ではニートには定義されないから)「ニート」っていうな!」ということらしい。
ただ定義付け、単語の使い方の誤謬だけに済んでいればいいが、実際はそうではない。
それによって個人の問題としてとらえがちになってしまったため、雇用情勢の改善が進みにくくなってしまったらしい。これは問題だ。
ほかの本や雑誌なども読んだうえで思うことは、やはりメディアはもっと注意深くあるべきだということ。これはスポンサーにヘコヘコしろという意 -
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ネタバレ『ニート問題の間違い』を本筋として、3人の著者が違ったアプローチで展開しています。
第1部執筆の本田由紀氏では統計データから、
第2部執筆の内藤朝雄氏ではマスコミの煽動から、
第3部執筆の後藤和智氏では新聞、雑誌等のメディアから、
それぞれ述べています。
やはり特筆すべきは第1章です。
ニート問題=個人の心の問題と片付ける風潮を一蹴、つまり『ニート自体は昔から存在しており、近年になって急増した、あるいはニートが突然誕生していない。統計データからは時系列ではニート数はさほど変化していない』点と、『問題はフリーターで、彼らも単純に正職がないからフリーターにならざるを得なかったところが -
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ネタバレ「いじめ」が発生するメカニズムについて、学校での事例を中心に分析し、それに対する対策を論じた本。
本書はいじめの根本的な要因は、「空気を読むこと」や「ノリの良さ」が支配する「学校的な秩序」であると指摘する。学校のようにベタベタした人間関係を求められる場所では、普遍的な論理よりもその場のノリが重視されるためである。そうした秩序を乱す者に対する不全感やむかつきが、秩序を安定させる者をして群れて暴力を行使させる方向に導く。
他にも「癒しとしてのいじめ」というものもある。それは「自分はいじめを耐えぬいてタフになった」という自己肯定感を得るために、いじめを再生産するというものである。かつてのい