西股総生のレビュー一覧

  • 戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

    購入済み

    二重構造

    「侍」というと江戸時代に高度に純化されてしまった武士道に基づく侍を想定してしまいがちだが、本当に毎日命のやり取りをしていた戦国時代の武士はもっともっと野蛮なものだった、という最初の説明にすっと納得してしまった。職能別の軍隊構成や侍と足軽以下の二重構造 という説にもさもありなんとこれまた納得。有名な長篠合戦の解説にもこれまた素直に納得 してしまった。

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    2025年07月03日
  • 戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

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    めちゃくちゃ面白い。10年以上前の本だが、我々市井の戦国好きの中で最近流行っている戦国史をもとにしたマンガや小説なんかは著者が取り上げた研究結果が大きく反映されているんだなというのを感じる。軍事的な視点から戦国史を見ると、これだけ景色が変わるのかと。史料の読み方も、目を引く表現にとらわれるのではなく、書いた人間がどういう意図でそういう表現をしなのかとか、冷静に考えているところがまたいいと思う。
    高白斎記などにある備えを立てるという表現、これはそれぞれの領主が動員した兵員を連れて着到してから兵種ごとに部隊を再編したことを指すのではないかと指摘している。東国のほうがそういった面では進んでいたのでは

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    2024年11月08日
  • オレたちの鎌倉殿

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    とても読み応えがあった。
    この時代平氏とか源氏が敵味方入り交じっててよくわからなくなるけど、しっかりキャラ付けして分かりやすく説明していた。
    現代に例えると、という例えやもイメージしやすかった。
    面白くてコミカルな部分もあるけど、歴史背景や当時の人々の心情など細かな描写もある。
    初心者が鎌倉時代を理解するのにピッタリの良書です。

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    2024年01月08日
  • 土の城指南

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    とても楽しく読みました。そもそも、自分が城跡好きだからかもしれないけれど。これまで城跡なんて興味が無かったという人が読んでも、魅力に気付いてくれる人がいるのでないかなぁ。
    筆者による城跡に関する考察と、城跡の各パーツに関する説明、それから城跡に関する筆者の随想/主張が程良いバランスで記述されています。
    筆者の縄張り図及び城跡への想いがひしひしと伝わって来て、そこが本書の魅力だと思います。
    城跡/史跡の保存に関する主張や、復興天守に関する主張は、大いに共感できます。
    多くの方に読んでもらって、まだまだ残されている歴史の痕跡に触れてもらえたらいいなぁと思います。
    みなさん、本書を読んで、城跡に行き

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    2018年10月13日
  • 東国武将たちの戦国史 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

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    面白かった。東国における戦国時代黎明期の事例が強く印象に残る。東国の戦国黎明期においては北条早雲や長尾為景、太田道灌のエピソードをせいぜい知っていた程度。この本のように東国を網羅的に把握してはいなかった。なにはともあれ、長尾景春……強い。

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    2017年01月28日
  • 「城取り」の軍事学

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    Lv【初心者】?

    内容としては初心者でも解る…けれど、まえがきでも有るとおり、城郭用語の解説などはない、もしくは解っている前提で書かれている。

    ・曲輪・堀(水堀/空堀/竪堀)・大手・虎口・馬出(主に東国)・単郭/連郭

    (↑頭に入れておく、すぐ調べられるサイトや他の本が有れば大丈夫)

    戦争論や戦略論を楽しむ人には非常に面白い本だぞ!
    ミリタリー系のたとえ話もよく出てくるしな

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    2014年03月05日
  • 「城取り」の軍事学

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    いわゆるお城、と呼ばれる近世城郭ではなく、
    中世城郭を縄張りという視点で書かれた珍しい本です。
    お城にはそれなりに詳しいつもりでしたが、
    それでも目から鱗、的な内容も多かったですね。
    すべてに賛同できるわけではありませんが、興味深かったです。

    お城というと、
    天守や櫓や石垣がある近世城郭が思い浮かべがちですが、
    圧倒的多数を占める中世城郭にも、
    多くの人の興味が集まればと思います。

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    2013年10月03日
  • 「城取り」の軍事学

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    まえがきだけで、ハートを鷲掴み、なんていう表現さえ使いたくなってしまう。われわれが90%だ、という中世〜戦国時代の城。
    城ファンは城を「攻める」のに、研究者は「攻める」と言わない理由。この城をどう攻めるか、と聞かれたら「航空隊に爆撃してもらう」という答え。そういう冷静かつ興奮するような視点で、城の通説の理解を正してみよう、という本。研究の中身と著者の人格がよいバランスで出てきている。

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    2013年08月23日
  • 戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

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    最終章の内容が、織田・豊臣はRMAの程度は大差なく、単に急成長中のブラックなベンチャー企業だから強かった、という身も蓋もない話だった。

    ほぼ全編を通して、侍と足軽の二層構造という、一度ひっくり返ったものをさらにひっくり返すような大胆な説を、資料を基に丁寧に解説していて説得力があり、読んでいて面白かった。

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    2012年09月16日
  • 1からわかる日本の城

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    堅苦しくなく、フランクな語り調子で、読みやすかった。
    知識を詰め込むよりも、実際に城の防御機能を体感するのが、城の楽しみ方だという考え方で、それはそれで良かったけど、基本的な用語や仕組みも、紹介してくれていたのも、良かった(石垣の積み方など)。
    全体を通して、筆者が本当にお城が好きなんだという事がヒシヒシと伝わってきて、ほほえましかった。
    数を競ったりするのではなく、必ずしも沼にハマらないといけないわけではなくて、自分なりに、気楽に楽しめるのが、一番だと書いてあり、自分もそう考えて城に接していきたいと思った。また、これを機に他の城本にも手を伸ばしてみようとも思った。

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    2025年05月29日
  • 歴史作家の城めぐり――戦国の覇権を競った武将たちの夢のあと<特典付電子版>

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    関東を中心とした戦国時代の土城の紹介。
    歴史作家が書いているため、その城の背景が考え抜かれている。

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    2023年12月17日
  • オレたちの鎌倉殿

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    ドラマを観た後なので登場人物が俳優さんの顔で浮かび、より読みやすくわかりやすかった。この先の歴史もこのようなわかりやすい本で楽しく学んでみたい。

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    2023年05月13日
  • 東国武将たちの戦国史 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

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    ネタバレ

    越山の章を読んで、上杉謙信の、義を重んじ領土的野心を持たないという世間一般の評価に対しての見解が大変興味深かった。また、越山を暖地で越冬する渡り鳥に例えているのも秀逸だと思った。妻帯問題も腑に落ちた。

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    2022年11月03日
  • パーツから考える戦国期城郭論

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    よく言われる土の城がよくわかった。
    この人の本はこういう地道で具体的な話が一番いいと思う。
    戦争とか武将論になると、面白いが飛躍している気がする。
    堀切、切岸、土塁、虎口、馬出どれも詳細でわかりやすく面白い。
    この本を持って現物を見に行くとわかりやすいかも。

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    2022年04月28日
  • 「城取り」の軍事学

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     全ての城に城下町は無い、のも当然といえば当然の話。ただし、そこまで考えないので、改めて指摘されると「確かに」と思う。
     時代が下るにつれ、城は大きくなるのが当然かといえば、それも違う。むしろ鉄砲の影響で、塹壕戦の要素が出てくるのが意外。でも、指摘されると理にはかなっている。

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    2018年10月26日
  • 東国武将たちの戦国史 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

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    八王子出身者としては、やはり北条関係の戦国史が一番興味深いです。武田、上杉(直江)は大河になっているのだから北条もなんとか大河でやって欲しい。内訌が無かったらからつまらないかもしれないが、近隣の小大名との関係の変化や、攻略など面白いはず。この本でまた関東の戦国史について少し詳しくなりました。

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    2015年11月13日
  • 「城取り」の軍事学

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    ネタバレ

    お城って考古学のようなところがあって、まず遺構があって、その遺構からこれはどういう目的で造られたのかとかそういうことを考えることが多いのですが、そのときに常に看板の解説とかを怪しいものとして(斜に構えて)考えるのが面白いんです。看板の解説とか固定観念とか、そういうものをなるべくとっぱらって、あるがままの状態から読み解くと、たまーにどこにも解説されていないことが見えてきたりするのです。

    本書の著者は、こういった楽しみ方の超上級者といえるように思います。著者は実際に城跡に出て行って縄張り図を書く中で通説に対して、いやそう考えるのは辻褄があわない、実はこうなんじゃないかといったことがたくさんあった

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    2013年07月28日
  • 戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

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    まだ第二章を読んでいるところですが、いま書いておきたい。
    これは名著。日本の在野の歴史研究家は、ほんとうにレベルが高い。
    本書全体を通しての問題意識を綴る第一章は、秀吉の小田原征伐の前哨戦である山中城攻めを、豪傑渡辺勘兵衛覚書を題材に辿る。
    そこから、優れて組織的な鉄砲戦術と、手柄第一の個人プレーという相反する要素にどのように折り合いを付けたのか?という論点が提示される。
    同じ在野の歴史研究家である鈴木眞哉の著書も面白かったが、本書はそれを上回る面白さである。
    ちなみに渡辺勘兵衛は、『信長の野望』ファンならお馴染みの豪傑。山中城攻めでも、強襲を渋る主君中村一氏の判断を待たず、どんどん突撃してい

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    2012年12月12日
  • 1からわかる日本の城

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    <目次>
    第1章  城の盛り上がりポイントはココだ!
    第2章  戦いの中で進化した日本の城
    第3章  城を楽しむために知っておきたいこと
    第4章  城のいろいろな楽しみ方

    <内容>
    城歩きの入門書だろう。専門用語もあまり使わず、歴史的にもきちんと説明をしている。具体的な「○○城を深掘り」などがない分、初心者も理解しやすいだろう。ただもう少しその辺を書いた方が、これを読んだあと、「××城に行こうか!」となるのかもしれない。銅像を一般したくて敵情視察のように読んだのだが、参考になりそうだ。

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    2025年08月16日
  • 「城取り」の軍事学

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    城取り、って城攻めのことではなく、縄張りから城の建築を指すんだそうだ。
    沢山の城跡を、なぜこの場所にこの縄張りをする必要があったのかという、そもそものところから検証していく。
    私は城に詳しいわけではないが、こういう視点で城を見ている本て、あまり見たことがない。
    大きかろうが小さかろうが、山城だろうが平城だろうが、中世だろうが近世だろうが、特定の武力集団が自分達の軍事上の都合によって構築する防御施設、それが日本の封建制社会にあっての城の本質なのだと解く。
    なるほどなあ。

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    2022年10月27日