【感想・ネタバレ】「城取り」の軍事学のレビュー

あらすじ

大反響を呼んだ『戦国の軍隊』の著者の第二弾!日本の城の9割以上を占め、3~4万か所もある戦国の城。なぜこれほど多数の城が造られたのか。なぜこれほど千差万別なのか。前著と同様、「軍事」の視点から徹底考察、その実像に迫る!通説を覆す渾身の一冊。

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Posted by ブクログ

Lv【初心者】?

内容としては初心者でも解る…けれど、まえがきでも有るとおり、城郭用語の解説などはない、もしくは解っている前提で書かれている。

・曲輪・堀(水堀/空堀/竪堀)・大手・虎口・馬出(主に東国)・単郭/連郭

(↑頭に入れておく、すぐ調べられるサイトや他の本が有れば大丈夫)

戦争論や戦略論を楽しむ人には非常に面白い本だぞ!
ミリタリー系のたとえ話もよく出てくるしな

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2014年03月05日

Posted by ブクログ

いわゆるお城、と呼ばれる近世城郭ではなく、
中世城郭を縄張りという視点で書かれた珍しい本です。
お城にはそれなりに詳しいつもりでしたが、
それでも目から鱗、的な内容も多かったですね。
すべてに賛同できるわけではありませんが、興味深かったです。

お城というと、
天守や櫓や石垣がある近世城郭が思い浮かべがちですが、
圧倒的多数を占める中世城郭にも、
多くの人の興味が集まればと思います。

1
2013年10月03日

Posted by ブクログ

まえがきだけで、ハートを鷲掴み、なんていう表現さえ使いたくなってしまう。われわれが90%だ、という中世〜戦国時代の城。
城ファンは城を「攻める」のに、研究者は「攻める」と言わない理由。この城をどう攻めるか、と聞かれたら「航空隊に爆撃してもらう」という答え。そういう冷静かつ興奮するような視点で、城の通説の理解を正してみよう、という本。研究の中身と著者の人格がよいバランスで出てきている。

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2013年08月23日

Posted by ブクログ

 全ての城に城下町は無い、のも当然といえば当然の話。ただし、そこまで考えないので、改めて指摘されると「確かに」と思う。
 時代が下るにつれ、城は大きくなるのが当然かといえば、それも違う。むしろ鉄砲の影響で、塹壕戦の要素が出てくるのが意外。でも、指摘されると理にはかなっている。

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2018年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お城って考古学のようなところがあって、まず遺構があって、その遺構からこれはどういう目的で造られたのかとかそういうことを考えることが多いのですが、そのときに常に看板の解説とかを怪しいものとして(斜に構えて)考えるのが面白いんです。看板の解説とか固定観念とか、そういうものをなるべくとっぱらって、あるがままの状態から読み解くと、たまーにどこにも解説されていないことが見えてきたりするのです。

本書の著者は、こういった楽しみ方の超上級者といえるように思います。著者は実際に城跡に出て行って縄張り図を書く中で通説に対して、いやそう考えるのは辻褄があわない、実はこうなんじゃないかといったことがたくさんあったらしく、それをまとめたものが本書というわけです。

もちろん内容はマニアックですから、お勧めするという感じの本ではないのですけど、こういう「考え方」はとても大切なことだと思います。

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2013年07月28日

Posted by ブクログ

城取り、って城攻めのことではなく、縄張りから城の建築を指すんだそうだ。
沢山の城跡を、なぜこの場所にこの縄張りをする必要があったのかという、そもそものところから検証していく。
私は城に詳しいわけではないが、こういう視点で城を見ている本て、あまり見たことがない。
大きかろうが小さかろうが、山城だろうが平城だろうが、中世だろうが近世だろうが、特定の武力集団が自分達の軍事上の都合によって構築する防御施設、それが日本の封建制社会にあっての城の本質なのだと解く。
なるほどなあ。

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2022年10月27日

Posted by ブクログ

縄張り研究者の西股総生氏による、戦国城跡本。「ほとんどの城は、純粋な軍事施設」という持論に基づき、城には現実の状況に対峙するための具体的な目的と意図があると説く。そして、「小さい城は、その地域を地盤とした弱小土豪の居城に違いない」という考え方が如何にナンセンスかを強調している。著者は、戦国大名の戦略拠点としての居城を除き、ほとんどの城は特定の状況に対処するために築かれた時限的なものであり、状況が変われば放棄されたと推測している。そのような「時限的な城」には、輪番制の守備隊が詰めているだけなので、「城主」はおらず、「城主の居城」という概念も成り立たない。といったことを主張する本。

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2016年05月14日

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