西股総生のレビュー一覧

  • 鎌倉草創 東国武士たちの革命戦争

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    戦話を楽しむ講談調のもの。陰謀論が多すぎるが娯楽としては楽しめる。
    なるほどと思ったのは鎌倉政権も巨大な荘園領主、即ち既得権益者だったということ。だから上手く権門体制を構築し、京の貴族や寺社を保護したのかと納得した。

    一方、その立場に固執し、更に権益を拡大したために、御家人から見捨てられ、一瞬で滅亡したのか。その点では、最後は平家と同じ立場なのかもしれない。

    武士、現地支配者の立場に立てば、上への貢納はしたくない。
    最初は管理者の立場に満足していた武士が次第に不満をつのらせ、後醍醐の企てをきっかけに爆発したのは、頼朝の蜂起と同じこと。

    南北朝と室町期を経て、荘園と職の世界は崩壊し、領地支

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    2022年04月20日
  • 1からわかる日本の城

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    歴史とからめてとか、切り口が自分の好きな感じだったので、面白く読めた。皇居の周り、自転車で通り掛かるだけで、あんまりちゃんと見てなかったの勿体無いなと思ったので、じっくり見てみようと思った。堀に興味行く前に、白鳥を見てしまってたのもあるけど(関西では動物園にいる鳥なので)。ちなみに、清水門から科学技術館に上がる巨石の階段が、マイフェイバリット。

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    2021年06月06日
  • 「城取り」の軍事学

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    縄張り研究者の西股総生氏による、戦国城跡本。「ほとんどの城は、純粋な軍事施設」という持論に基づき、城には現実の状況に対峙するための具体的な目的と意図があると説く。そして、「小さい城は、その地域を地盤とした弱小土豪の居城に違いない」という考え方が如何にナンセンスかを強調している。著者は、戦国大名の戦略拠点としての居城を除き、ほとんどの城は特定の状況に対処するために築かれた時限的なものであり、状況が変われば放棄されたと推測している。そのような「時限的な城」には、輪番制の守備隊が詰めているだけなので、「城主」はおらず、「城主の居城」という概念も成り立たない。といったことを主張する本。

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    2016年05月14日
  • 土の城指南

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    中世・戦国期の城郭について知っているべき事項が、用語レベルから縄張り図の見方・書き方、さらに、より大局的な問題まで含めて書き尽くされている。城郭の復元に関する問題や、城主に関する通説や伝承の疑わしさ、平時の館と戦時の詰城という「常識」への疑問など、読者の立場としては「そういう考え方もある」としつつ、評価は保留にして読むのが良い。

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    2016年05月14日
  • 戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢

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    ネタバレ

    信長・秀吉の頃の軍隊を現代軍事学の概念を当てはめて見直す。「長篠での鉄砲三段撃ち」や「戦は農閑期に行われる」といった、昔学校で習った定説を覆す。歴史は固定された不変なものではなく、資料の発見と研究、再解釈によって更新されていくものだとわかる。

    P102
    戦国時代(おおむね十六世紀)の日本では、軍隊が等間隔で整然と隊列を組んで行動する習慣はなかった。というより、そうした行動をとる必然性がなかった。したがって、映画やドラマに出てくるように、鉄砲隊が一斉射撃を繰り返すことなどありえない。

    P189
    戦国の軍隊は、支配階級に属する侍と、被支配階級に属する足軽・雑兵以下の非正規雇用兵からなる二重構造

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    2013年06月08日