マルイノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『魔法少女』の概念はまどか☆マギカのせいでずいぶんと書き換えられてしまった。本作は、書き換わった後の魔法少女達の戦いの話。
バトルロイヤルエンターテイメントとしての勢いは十分。文量のせいでやや圧縮され気味ではあるが、それぞれの戦う理由、固有能力の駆使、信頼と裏切り、あっけない死などなど『無意味に生まれて無関係に生きて無価値に死ぬ』バトルロイヤルものの必要十分条件が十二分に詰め込まれている。
だが、贅沢な要求ではあるが、それ以上の要素はない
『魔法少女達のバトルロイヤル』にループ要素を加えて魔と法と業と情念を描ききったまどか☆マギカの怪作っぷりはやはり異常だったなと改めて思い起こさられる。
頭ひ -
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Posted by ブクログ
魔法と矯正と警戒の話。後編未読。まさかの続編。ゲーム世界を巨大な密室と捉えれば、目前の死と恐怖に耐えかねて救いを求めようとしてもおかれた立場からそれができないという状況は、ある種クローズドサークルを彷彿とさせる。あまり他作品で喩えるのは感心されないが、前作がバトルロワイヤルだとすれば今回はSAWといったところ。ゲームマスターの信念(あるいは被験者たちにとっての悪意)によって過酷なゲームに強制的に参加させられ、死なない、殺さない為の救済の手も意図しない形で振り払われる。魔法の国の使いである白黒饅頭は前作に比べて参加者に対して好意的ではあるが誰が牙を剥くか判然としないなかでコイツくらいしか信用のお
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Posted by ブクログ
街で密かに活躍する魔法少女たち。
その数が16人になったとき、告げられた言葉。
「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」。
突如始まった生存競争に、ルールの表から裏から挑む魔法少女たち。
果たして8人に残れるのは。そして、その先にあるものは―。
ということで。
16人の魔法少女たちの、生き残りをかけたサバイバルレース。
魔法少女の本懐を遂げようとする者、自分に絶対の自信を持ち一人で突き進む者、相方を信頼し立ち向かう者、周囲を利用し生き残ろうとする者・・・
16人が様々な立場からこのサバイバルレースに挑みます。
終始漂うダークな雰囲気と、読後の後味の悪さが素敵な作品。 -
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Posted by ブクログ
絵は可愛いが魔法少女同士のすごくドライなバトルロワイアル物。
シンプルな能力を活かし殺し合いすることになってしまった魔法少女、能力を最大限に活かし徒党を組み能力を補い、何とか生き残ろうとする、そこには気合やら根性などという事もなく絶対的な力の差で不運で命を落としたりするところがよかった。
しっかり魔法少女誕生からシステムからバックグラウンドの説明もばっちり
。
そんな殺し合いに巻き込まれた殺傷を望まない、できない主人公が取った選択は合理的ですばらしい物でした。
ちょっと展開、描写が容赦なさ過ぎるのでグロ体制がない方はちょっとやめといたほうが良いですが、そういうの大丈夫でちょっと面白い独特な -
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Posted by ブクログ
ネタバレこれまで各所各所で発表されていた短編たちのまとめ本。
インターネットでの読書や特典小説の類は全くと言っていいほど触れていなかったこともあり、その全てを初見という状態で楽しむことが出来た。
個人的に好ましかったのは「魔法少女のいないお花見」。木王さんにとってはきっとちいさなおはなしだけれども、わたしたちからしたらもっと大きな意味を持つ、そんなおはなし。深く入り込むわけでもなく、もう顔も覚えていないけれどあのお花見にはひとが何人かいたな、悪くないお花見だったな、と記憶のどこかに残っている、そんな魔法少女ではない彼女らの距離感が心地よい。
人小路庚江さんと魚山護さんをとても愛おしく思っているのでそう -
Posted by ブクログ
文章のリズムは良く、文体も中々で疾走感に溢れている。スラムめいた主人公周りの舞台設定や夏のうだるような暑さ、潰殺鬼等のおどろおどろしさなどは良かったが、肝心の作り込まれた設定が世界観に溶け込めていないように感じる。例えば「指」周りの設定が言うほど語られなかったのは残念の一語。新たな指を付け替えることで能力が発現するのはゲームめいて面白い設定だとは思ったが、そもそもなぜ「指」なるものが流通するようになったかが明かされないままだったのは大きな不満点だった。それ以外にも主人公が探偵業を志すバックボーンであったり、パートナーとの出会いなどは簡素でかなり説明不足に思う。それでも読ませるだけの筆力があるも