柳下毅一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画館で『ナイトメア・アリー』を鑑賞後に本書を読み始める。映画は、ほぼ原作通りの展開を描いていることを知った。
薄暗く湿度の高いじっとりとした空気が漂う小道に迷い込んでしまい、彷徨い続けることしかできない悪夢のような作品だった。小説か映画か、どちらが好きか問われてもこの作品は、どちらも好きだ。どちらも、最後の場面は同じシーンで終わる。映画の方が、少し先まで、主人公の反応まで描いている。どちらも強烈な印象を残すラストシーンだ。この最後のシーンを見たくて、再び映画を見たくなる、小説を読みたくなる自分がいる。読唇術、タロットカードの世界も探求してみたくなる。小説でも、映画でもタロットカードがとても印 -
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Posted by ブクログ
『ペルディード・ストリート・ステーション』を読み終えて、私はミエヴィル中毒になった。これはミエヴィルの短編集。『ペルディード』ふたたび、と思っていると、やはりちょっと違う。彼はホラーとかウィアードの作家ということになっており、そういう掌編が並ぶ。マンガも。
何だかダメになったロンドンでジェイクと別れた話。建物の基礎の声を聴く男。デパートのボールルームの怪異。魔法使いの使ったスプラッタな使い魔の行状。ある言葉を聞くと脳の一部が蠕虫状になって脳を食い荒らしてしまう病気についての医学事典の記載。クリスマスのあらゆる細部が商標登録されてしまったロンドンのお祭り騒ぎ。外界の線が相貌になって迫ってく -
Posted by ブクログ
矢野顕子が「監督失格」の主題歌をって聞いたときは「えっ!?」て思ったけど、単に仕事を選んでないんだということがこの本読んでわかった。しかし世の中にはどういう事情でつくられたのかわからない謎の映画がいっぱいあるんだなあ。石原慎太郎映画、西原理恵子映画、幸福の科学映画、イケメンヒーロー映画、プラレール映画、「スールキートス王国」…劇団EXILEとか吉瀬美智子とかよく知らないけれどいっぱい映画出てるんだなあ…。しかし一番衝撃的だったのは元AVクイーンのノイジシャン白石ひとみが主宰するレーベル・カエルカフェによる映画。こんなのが映画が年に何本も撮られてるんだ…。
柳下さんの筆は容赦ないけれど、あまりに -
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