柳下毅一郎のレビュー一覧

  • 異形の愛
    登場人物のほぼ全員がフリークス。人間離れした容姿と尋常ならざる能力を持っているキャラクター達が、人間味が溢れた行動(良くも悪くも)を振る舞い、愛し、苦悩する。
    常人には理解し難い愛が確実にそこにある。面白いので、ツラツラと読み進められるが、裏には社会風刺の劇薬を盛り込んでいることに気づくと、この本の...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    町山智浩さんと柳下毅一郎さんとの対談で映画作品を語ったもの。過去の出版されたものを再編集したものとのこと。映画への愛と、少年の心、そして両氏の視点、切り口のおもしろさにあふれている。
  • プロメテア 1
    魔法や神のあり方を、この世ならざるものの論理(カバラ神秘学?)でロジカルに説明し、それが「芸術」や「創作」、さらには「想像力」の賛歌になっているという。なに、この離れ業。

    意外なのは、「セックス、スター、スネイク」の章。邦訳があるアラン・ムーア作品でのセックスって、人の愚かしさの側面を描くことが多...続きを読む
  • 異形の愛
    異形、というと高級感すらあるが、ゲテモノ、見世物芸人、不適応者、エグい、どうしょうもない、といった重層的意味を持たせているはずだ。
    (オタク、マニア、といったニュアンスはまだなかったころの小説だ。)
    「存在しているだけで稼げる」という素晴らしいアイデアから畸形を作り上げる、という奇矯な家族小説からス...続きを読む
  • 異形の愛
    すげーすげーとは聞いてたものの、オイラが知った時にはペヨトル工房は既になく…河出がまずすげーわ。愉楽とかも相当ヤバいと思うけど、よう次から次へとこうどっかから怒られそうなんを出すわ。エラい。
    で、中身。フリークス小説の金字塔みたいな話は聞いてたけど嘘やなかったなぁ。愉楽よりだいぶ古いけど古さを感じへ...続きを読む
  • プロメテア 1
    アラン・ムーアの魔術書!!と、よく紹介される本。まったくもってその通り!!
    絵とストーリーでわかりやすく、かつ資料的な意味合いもすごいかと。さすがのアラン・ムーア御大…!!
    まだこれがあと2冊続くのかと思うと至福です!!
    主人公のソフィーを通して、歴代プロメテアから、想像界から物質界への脱出、解釈を...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    ざっくりとした批評に文字面見えるけど、ものすごいカンペを手にやってるんじゃないかってくらいの知識の量で圧倒されます。ただしバカ。
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    単行本版の3冊を読んでいても、やっぱり面白い。ベスト盤なので話の追加は無いけど、宇田丸さんの解説が追加されている。その内容も二人への尊敬と畏怖と軽い軽蔑?満載でグッと来た。今回もまた同じ箇所で笑ってしまった。。。チャーリーズエンジェルの話が一番笑えるかな。あと、蓮見センセイとのシンクロ率の高さも最高...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    ファビュラスバーカーボーイズによる対談形式の映画感想。

    こういうムック的なものが文庫化するとは良い時代だね。

    解説の宇多丸が喝破しているように、映画の評価っていうのは絶対的なものではなく、読者をミスリードしないように敢えて逆のことを言ったり、とぼけて見せたり、こういうの、やはり漫才ユニットという...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    いやあ〜、面白かった!一番印象に残った言葉は「昔の映画は1本観ると確実に少しだけ成長したような気にさせてくれたもんだよ。」
    まさにその通り!
    だから生ぬるいハリウッド超大作や邦画より、韓国のバイオレンス映画を好んで観てしまうんだろうなあ。
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    映画愛に溢れたすごい大人が二人が真剣にボケる漫才評論が楽しい。まだ完成もしていない「タイタニック」を数年前まで「殺人魚フライングキラー」 でハリボテ作ってた男の感情移入できない大虐殺映画と言い切ってしまう。こんな感じの破壊力のある言動が500ページも続く恐ろしい本。あと宇多丸の解説が的確過ぎて面白い...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    オリジナル版の3冊をかつて読んでいたんだけど、またまたあの毒舌映画批評漫才を読み直したくて購入しちゃいました。

    再読ながらも、当時と同じように楽しめました。再編するにあたって、わりと後半2冊に収録されていたものがメインとなっているようで、一般向けっぽい感じになっています。

    個人的には初期の感じも...続きを読む
  • ジェイクをさがして
    すごいふしぎな短編集。
    ぞっとするものにやっとしてしまうもの、さまざま。
    「あの季節がやってきた」が好きかな。
  • ジェイクをさがして
    ホラー・ファンタジー色の強いSF短篇集。収録作の多くが主人公の体験する恐怖のみが濃厚に描かれ、その原因や結末は語られぬまま読者に委ねられている。この独特な味わいが個人的にはかなりツボ。どれも面白かったけど、お気に入りは「ある医学百科事典の一項目」「仲介者」「あの季節がやってきた」かな。
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    映画欠席裁判1〜3を再編集、文庫化したもので、原文は1997年から2007年に書かれたものだが、2023年の今読んでも面白い。

    映画ガイドとして読者の役に立つということを第一にしているのではなく、映画の話題で笑わせることを第一にしている。どの回も、だいたいパターンは同じで、ボケとツッコミで笑えると...続きを読む
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判
    伝説の活字漫才コンビ、復活!
    映画への愛ゆえに怒り、ツッコミ、笑い、時に対立も辞さず語りつくす。
    『千と千尋の神隠し』のアンタッチャブルなテーマを喝破し、『スター・ウォーズ』を『巨人の星』に、『チャーリーズ・エンジェル』を「通いたい店」にたとえて止まらない、対話型暴走映画評論集。
    映画秘宝の人気連載...続きを読む
  • 柳下毅一郎の特殊な本棚
    作中にある一夫多妻の男は、捕まった人ですよねぇ。ずいぶん昔にワイドショーで見たことがあります。沖縄の女性がかわいそすぎる。興味深い本ばかりでぐいぐい読めました。
  • 皆殺し映画通信 死んで貰います
    記念すべき 10 作目! 映画評論家・柳下毅一郎が贈る、
    映画考現学の立場から発掘、解剖、保存するタブーなき日本映画レビュー!

    10年目のレビュー+イベント採録+総索引。堪能いたしました。
  • ナイトメア・アリー
    映画館で『ナイトメア・アリー』を鑑賞後に本書を読み始める。映画は、ほぼ原作通りの展開を描いていることを知った。
    薄暗く湿度の高いじっとりとした空気が漂う小道に迷い込んでしまい、彷徨い続けることしかできない悪夢のような作品だった。小説か映画か、どちらが好きか問われてもこの作品は、どちらも好きだ。どちら...続きを読む
  • 異形の愛
    とても長かった。アメリカでの著名人が愛するカルト的な問題作が復刊。ここにてそれなりの感想をたやすく書けばいいのだろうが、自分の一番の感想は長かっただ。見せ物サーカス夫妻の経営するテントの中で、わざと奇形に産まれ育った兄弟達。がっちり外の世界からガードされ、より多く人に見た目で賞賛されるかが、一家のヒ...続きを読む