渡辺一史のレビュー一覧
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映画を観てからこの本を読んだ。
映画やアニメを観ると、その原作を読みたくなるタイプだ。
正直、今の私に刺さるものが多かった。
映画以上に学びがあった。
医療機器や福祉サービスなど、知らなかったことが多かった。
親を遠ざけたくなる気持ちなど、共感できることも多かった。
私は、彼ほどストレートに発言したり、感情を出したりはできない。
それでも、見習うべきところが多いと思った。
私は今現在、入院中である。
呼吸器こそ必要ないが、寝たきりになってしまったし、吸引器も欠かせない。
「家に帰りたい!」と言い続け、やっと明日、家に帰れる。
「いつでも救急車で戻ってきたらいい」などと言われたが、できる限り -
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真剣に生きる1人の障碍者の生き様 筋ジストロフィー患者の鹿野靖明は6歳で発症し、20歳まで生きられないと言われた。
筋肉の力がだんだん弱まっていく病気のため、寝返りもうてない。体位を交換するためには介助が必要で、その介助にはボランティアがあたる。
医大生の田中とその彼女、美咲は鹿野のボランティアを通して自分の生き方や様々な困難を乗り越えていく。
本書はノンフィクションと原作を基にした映画の脚本のため様々な脚色がなされている。
しかし、病院でただ世話されるだけの人生を否定し、自宅で自分の思うがままの人生を送りたいと願い、実際にそのように振る舞う鹿野の言動はいつも真剣で、自分の生に正直過ぎ -
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ネタバレこれまで、「障害者」と触れ合う機会がなかった私にとって、いい意味で固定観念が覆される本であったと感じた。
鹿野さんのボランティア(鹿ボラ)として働く人々にもその人たちなりの悩みがあり、いわゆる健常者と障害者が密接に関わるシカノ邸は様々な葛藤や価値観のすれ違いが生じながらも精神的にも身体的にも他のどこよりも"前進"ができる場所であったと確信できた。人によって"普通"の基準は異なるが、障害者と健常者の間のそれは著しく異なる。鹿ボラの1人である斎藤さんはその"普通"境界を均すことが障害者を理解するということであるとした。長年ボランティアとし -
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ネタバレ壮絶な生き様だと思った
そういう人生を選んで生まれてきて、他人の心を美しくするために生まれてきたような人
私にはそんな感じがするけど、美化してはいけないと、シカボラのメンバーさんが言っていたのでそうなのかなぁ
著者のあとがきにも、堂々めぐりと書かれていたけど、けっこう堂々めぐりだなーとは思いながら読んだ
実際答えがなくて、重度身体障害者福祉の考え方や社会としてのあり方、人としてどう生きるか、人としての主体性をどこに保つか、など考えはじめたら、無数の答えがあると思う
だからノンフィクションとはいえいろいろ堂々めぐりだった
知らないことだらけど、普通に知ることからはじめればいいのだと思 -
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筋ジストロフィーを患う鹿野靖明さんと、彼が亡くなるまで関わった多くの介助ボランティアの人たちとの物語である。
筋ジストロフィーは、全身の筋肉が衰えていく進行性の疾患であり、有効な治療法は見つかっていない。筋肉が衰えていくと、歩けなくなり、手が使えなくなり、呼吸に必要な筋肉が衰えて自力での呼吸が出来なくなる。鹿野さんは、自力呼吸が出来なくなり、人工呼吸器を装着している。使える筋肉は、両手の指が少し動く程度なので、日常生活で自力で出来ることはほぼない。唯一、自分で出来るのはしゃべることだけであり、しゃべることによって、自分のして欲しいことを、介助者に伝えることは出来る。
そういった状況のなかで、 -
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夢中で読んでしまった。心情的には星7くらいは付けたい。
恐らくこの本の一番のポイントは’バランス’だと思う。
著者・渡辺一史 氏がこの親本を執筆された当時はまだ30代前半から半ば、福祉や医療分野にはさしたる興味や知識があった訳ではなく、「日々を切実に、ギリギリのところで生きている人に会ってみたい」(p13)という動機から取材が始まったとある。
こういった背景だったからこそ、客観的立場かつ’ごく一般的な感覚で’シカノさんやボランティアと接する事が出来たのではないだろうか。
とりわけ難病や障害、福祉を題材にとった文章や取材だと、どうしたって当事者側に寄り添った内容になるのは当然で、ただし、そ -
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長い本。何回か休憩をはさみながら、一気に読んだ。
筆者が何度も何度も考え抜いて書いたんだろうなと思わせる、とても正直な文章。無下に飾りたてることもなく、フラットな筆者と主人公の鹿野さんの関係性がそこにあらわれているよう。
様々なエピソードに共感しながら、時にはつらい気持ちになったり、くすくす笑ったりしながら読んだ。
「障害」や「病気」があることで、「本当はいつもそこにあるけれど見えていないもの」が見えてくることがあるのかもしれないと思った。
人間どうしがかかわることは、健常者や障害者といった枠組みに関係のない、普遍的な営みであることを考えさせられた。
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ネタバレ障がい者福祉の知識がないので本を読みたいと言ったら、その仕事の人に勧めてもらいました。
美談にされておらず、具体的な描写から関わる人たちの心情も想像もでき、入門に良い本。
「わがまま」と見える態度について、覚えておきたいところ。
障がい者自身にとっては、周囲の望む方向と自分の欲求のズレをいかに明確に意識するかが、自我に目覚めるために決定的に重要。
健常者が「よかれ」と思ってした好意、安易な優しさを突き破るような自己主張として伝えられることが多い。介助者にしてみれば、常に好意が打ち砕かれるような、激しさと意外性を伴う体験なのだ。
とは、誰にでも、健常者同士にも当てはめられるね。