藤ダリオのレビュー一覧
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ネタバレ見ると死ぬと言われる「呪いの動画」。茜の勤める女子高でもその噂が流れており、どう噂の流布を食い止めるか苦心していた。同時期に黒い手形の痣を持つ不審死が複数出現し、警察は調査に乗り出すが、次第に事態はあり得ない方向に向かっていく。
「リング」で誕生した貞子はもはや伝説的。はじめに貞子が生まれ、社会現象を巻き起こした「リング」から12年の時を経て再び別の作品として映画化されるというのは本当にすごい。そして、こちらの小説はその映画のノベライズ版。さて、ビデオの時代から飛躍的に映像技術が進歩している現代が舞台のため、貞子もよりハイテクになっていた。ビデオを媒介として呪いの動画を拡散していた時が懐かしい。今日はネット時代。動画配信サイトを利用して呪いを拡散する貞子。(もちろん、貞子がパソコンを繰って呪いの動画を拡散するわけではないが)うまく自分の怨念に共鳴する人物を探し出しその人間を操って呪いを拡散する。何のために、というのはネタバレになるので割愛するが、読み進めていくと明るみになる貞子目的にニヤリ。というか尋常じゃない執念に感服する。さすが、とある意味で彼女を称えたい。しかし、映画版貞子は原作版貞子よりも悲劇性を含んだ人生を歩んでいるため、そこまでして世界を呪い続けたいというのは納得できる。 貞子3D2に続けるためか、尾を引くような不穏さを残して終了。続けて2を読もうと思うが、こちらはどのような結末を迎えるのか、今から楽しみである。 -
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「出口なし」で知った著者。これも面白いよ、と以前読友さんに教わり読んでみた。
V系4ピースバンドのベルベット・リンチ。メンバー全員霊にまつわる能力がある。リーダーでヴォーカルで主人公の恭平は霊とお話が出来る。初期メンバーのギター兆は霊感はもちろん、予知夢を見てしまう。中でも一番霊感が強く、女好きのベース柊人はその霊がどうやって亡くなったのかが分かる。武闘派ドラム、イエスマンの夕輝は霊感はないが憑依体質。
ライブを邪魔されたり、バンド合宿中に心霊現象に巻き込まれたりする。怖さは少なめで良い話ばかりだったので物足りなさを感じてしまった。まぁライトでサクッと読み易いとも言う。 -
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出口なし、がとんでもなくつまなかったから全く期待せずに拝読。その期待値の低さのせいか、意外と楽しめた。疲れた頭には調度よい安直さだ。得るものはないし、本当にただのエンターテインメントのための本。ただ、オチなし(出オチ)の出口なしよりかは練られているかな。ラストの描写は、恐らく呪いの続きではなく、新しく誰かに呪われたということだろう。愛する子供を守って行く決心を固めたそばから呪いが始まり、それを回避するためには子供を殺すしかない、さあどうする?ってラストなんだと思う。だとすれば、奈央が再度呪われる布石を打っておくべき。呪いが曖昧なものだけに、続いていたのかどうかも判然としなくなっちゃうからね。
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ネタバレドアも窓もない部屋に拉致され閉じ込められた男女。部屋には1台のパソコン。 状況もよくわからないうちに出口のない部屋からの脱出を賭けたゲームが始まる。
設定などはよく見るような話だが、非常にテンポがよくサクサク読みすすめれる。
この物語のポイントとなるチャットを使ったやりとりも
状況説明なしに会話を追う構成となっているため、
この本の世界観に引き込むよい演出をしている。
また、序盤釈然としないゲームの趣旨が主人公と共に少しずつ明確になっていく構成がすばらしかった。
これは読み手によって別の感想をもつ人もいると思うが、私の場合はゲームの趣旨が作中で明らかになる少し前に気付くことができた為、謎が解けたという優越感に浸ることができた。
もしかしたら、その優越感も作者の意図的な構成なのかもしれないが。。。
ただ、残念なのは少し物足りないラストシーン。謎が謎のまま終わってしまっている。
本編をあれだけ疾走して読み進めていけたのだから、多少、設定が説明されるような書き込まれたラストシーンがあってもストレスは感じないだろう。 -
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古くは映画『CUBE』があり、映画『saw』のヒット以降、後を追うように作品が量産された作品ジャンルがあります。最近では「ソリッド・シチュエーション・スリラー」なんて仰々しいジャンル名が付けられているようですが。つまるところ、密室に複数の人間が監禁されており、そこから脱出するためにあるいは協力、あるいは戦いを繰り広げていく作品群です。たとえば、外海良基さんのマンガ『JUDGE』や土橋真二郎さんのライトノベル『扉の外』、『unknown』や『NINE』といった映画もございました。そして本作『出口なし』もその系譜に名を連ねる作品の一つです。
けだし、このジャンルの難しい点は2つあります。一つは「作品の大部分での差別化が難しいこと」。先にあげた作品のいずれもが、「気づかぬうちに謎の密室に閉じ込められている」「黒幕を思い、疑心暗鬼に陥る」といった共通要素が見られます。もはや様式美? その中で、たとえば「ゲーム」を取り入れ、そのゲーム内容によって差別化を図るなどの対策がとられるようですね。
もうひとつに「オチが期待されてしまうこと」があるでしょう。『saw』の「オチ」が秀逸すぎたために、それを超えようと思いながらも、超えきれない作品の多いこと。どうしたって「納得のいかないオチ」になってしまいがちのように感じます。『saw』が凄かったのは「後残りのないオチ」を用意したように思い込ませた点なんだろうなー。それに比べると、他作品は「え? 結局アレはなんだったの?」になってしまう。
さて、自分のなかの考えを整理するのはここでおしまい。『出口なし』について考えてみます。本作も典型に漏れず、「差別化を図る要素」を用意して、「オチを工夫する」という試行錯誤が垣間見られます。しかし、だからといって手放しで「スバラシイ!」と言える作品かといえばやや疑問が残るなあ。「ソリッド・シチュエーション・スリラー」作品の一つとして、及第点といったところでしょうか?
【目次】
出口なし
解説 杉江松恋