吉屋信子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ1932年発表の百合小説!女学校の女王様陽子、硬派な「ロボット」一枝、無口な個人主義の牧子の3人の女の子たちの関係の変化を書いた作品。
「断然よかったことよ」「あのね、私のお誕生日に来て戴けて?」みたいな古風で雰囲気たっぷりの言葉遣い、「軟派」「硬派」が対立する女学校の人間模様、陽子の誕生会や横浜を遊び歩く時の優雅な様子などの素敵さもさることながら、三人それぞれのキャラがはっきり立っていて、特に軟派の女王様の陽子の奔放で妖艶な圧倒的魅力はすごい。花束を車から投げ捨てるシーンの残酷さと美しさよ!
そしてさらに、男尊女卑的な家庭の問題も現代の私たちにまでリアルに感じられるような生々しさがあり、それ -
Posted by ブクログ
母親の息子を思う気持ちは見苦しい
漫画の大奥の最後で参考文献が掲載されており、
理解を深めるため、また吉屋信子さんの本を読みたい、
ということで読みました。
漫画の大奥の2巻から始まる家光時代のみならず
ドラマで放送されていた大奥第一章も含めて、
この小説が与えた影響は大きいですね。
そのせいか脳内は春日局は松下由樹さんの
ビジュアルイメージで進んで行きました。
大きな感想は、「母親の息子を思う気持ちは見苦しい」
なのですよね。
春日局の息子を思う狂信的な気持ちが
日本を動かしていく様は、
見苦しいとしか言いようがありません。
お万の方に接して思うのは、過度な美しさは
決して幸せでは