あらすじ
徳川三代将軍・家光が生涯で唯一愛した側室・お万の方の一生を描く、著者晩年の代表作。徳川三代将軍家光が見初めた女性は、公卿・六条家の出身で格式ある尼寺の院主となる17歳の娘だった。無理やりに還俗させられ“お万の方”と名を与えられた彼女は、春日局をはじめとする大奥の女人たちからの嫉妬を受けながらも、たおやかに「女の園」を生き抜いていく。
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Posted by ブクログ
大奥のドラマは見ていたので内容しっているしなーと思っていたけれど、お万の方だけをじっくりと描いたこの小説はドラマとはまた別の面をみることができて面白かった!
お付の人達の優秀さもスカッとしていて良く、ドラマをもう一度見返したくなってしまった。
お万の方の心の動きや、その優しさや聡明さ、美しさの表現も見事でした。信平とのことがこれからどうなっていくのか・・・。
ただし、とにかく誤字脱字が多かった・・・
その中でもP67で初めて”お万の方”という名前を下されたその最初のフリ仮名がオカタノカタとふってあるのは諸説あるから?もし単純に誤字だとしたら主人公の名前だけに致命的でした。
Posted by ブクログ
母親の息子を思う気持ちは見苦しい
漫画の大奥の最後で参考文献が掲載されており、
理解を深めるため、また吉屋信子さんの本を読みたい、
ということで読みました。
漫画の大奥の2巻から始まる家光時代のみならず
ドラマで放送されていた大奥第一章も含めて、
この小説が与えた影響は大きいですね。
そのせいか脳内は春日局は松下由樹さんの
ビジュアルイメージで進んで行きました。
大きな感想は、「母親の息子を思う気持ちは見苦しい」
なのですよね。
春日局の息子を思う狂信的な気持ちが
日本を動かしていく様は、
見苦しいとしか言いようがありません。
お万の方に接して思うのは、過度な美しさは
決して幸せではなく、
不幸を呼び寄せるということ。
本人の意思に関係なく羨望と、嫉妬という感情を
呼び寄せてしまう外見は、
人にとっては武器になり、人によっては狂気になると、
実際に余りに美しすぎて、逆に幸せに生きられて
いないのでは、と思う人を見たことがあるので
そう感じています。
お万の方の心映え、振る舞いには心が洗われる思いで
いますが、
上巻の段階で春日の局が逝去となると、
このあとまだ長い下巻の事を思うと、
若干気が重くなります。