あらすじ
徳川三代将軍・家光が生涯で唯一愛した側室・お万の方の一生を描く、著者晩年の代表作。家光の寵愛を一身に受ける、お万の方。しかし、その胸の内には公卿出身で徳川家に仕える鷹司信平への恋心が芽生えていた。許されぬ恋に苦しみ、世継ぎの母になることを強いる大奥の枷から逃れるため、彼女はある決断を下す。家光の没後、家綱にまで仕えた麗人の一代記。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
お万の方の所作や言葉、他人を思いやる気持ちが優秀すぎて手本にはならないけど、自分もお万の方のような心の持ち主になりたいと思う。
女の嫉妬をさらりとかわしながら味方にし、不愉快にさせない人となりは読んでいて自分のドロドロした感情もお万の方が癒してくれたようなそんな感じ。
まだ篤姫までの本が出ているので購入したいと思う。
Posted by ブクログ
信平、家光、家綱、と3人と相対すお万の方の何れも真摯に向き合おうとする姿勢が清々しく、聡明なお万の方に男性も女性も惹かれていくのも当然という気がしました。
母子の立場に昇華したお万の方と家光とのシーンが印象的で素敵でした。最後まで、少女の面影を残すお万の方、ちょっと見習いたいです。
Posted by ブクログ
後半は家光が亡くなった後くらいから何だか切なかったです。
お万の方が素敵に描写されすぎて、何だか嘘らしい感じも否めませんでしたが、ところどころに京ことばが散りばめられ、美しい所為や素敵な着物などの描写もあり、お万の方、そして、大奥の世界にどっぷり浸かってしまいました。
Posted by ブクログ
上巻はドラマの影響も受けていたのですが、
下巻ではいよいよ自分の脳内に江戸の大奥の姿がありありと浮かんでくるようになりました。
とはいえ、自分の脳内のイメージを作ってきたのは、
そのようなドラマだったり、歴史の教科書の挿絵だったり、
全国の寺社に行った際の風景の蓄積ではあるのですが。
そんな空想を働かせていると、
将来、制約のない暮らしができるのならば、
自分が寝殿造りを基本として、夢殿も配置する家に住みたい。
と学生時代に思っていたことを、10数年ぶりに思い出しました。
渡殿を使って池の上を移動して隣の部屋に移動。
今思うと雨の日どうするんでしょうかねという感じですが。
そんな脳内の使っていないところを活性化させながらの読書だけに、
下巻の半分くらいお万の方を苛むことになる、
閨での家光に抱かれている際に伸平を浮かべてしまう場面では
もうドキドキです。
ここの描写が抜群です。吉屋さんの筆力が存分に伝わる本の中でも、
後ほどフラッシュバックするほどのインパクトがあるシーンでした。
この徳川の夫人たちには続もあるとのことで、こちらも
読むのを楽しみに、読みたい本リストに入れたいと思います。
こう思うと、日本の歴史にまつわる小説の幅広く、面白いことよ!
遅すぎるということはありませんので、気になった本を引き続き、読んで行きたいと思います。