あらすじ
貧富の差など、理不尽な社会に引き裂かれてゆく少女たちの儚く美しい絆を描き、そこに現実に立ち向かう乙女へのメッセージを込めた短篇集。「少女の友」に連載された『花物語』の続篇。
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吉屋信子の短編集。花物語よりおそらくずっとあと、昭和に出たもので、文体も心なしか読みやすかったです(花物語より、わすれなぐさ寄り)。解説にもあったように、教訓めいた、でもそれだけじゃないなんとなく、悲しい気持ちや寂しい気持ちになるお話が多かったです。特に、「天国と舞妓」がお気に入り。最後の「女の子」は、ズル休み好きな私には耳の痛いお話でした笑。
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吉屋信子が1935年に発表した少女小説短編集です。雑誌「少女の友」に『花物語』の続編として連載されたものをまとめたものです。どのお話も貧富の差などによって引き裂かれる少女たちを描いています。本書の特徴としては、社会的に強者の立場にいる女の子が主役になっている所にあると思います。「天国と舞妓」「素直な心のひと」「たまの話」などハッピーエンドではない作品が多いですが、この経験から大人の階段を登って行くのかなと想像したりしています。そんな中で、「田舎の親類」「小さい父さん」などは読むとほっこりします。
Posted by ブクログ
大正5年から9年にわたって連載されたのが「花物語」。それから10年を経て続編として発表されたのが本作ということらしい。「花物語」と本作「小さき花々」はかなり違うように感じる。第一に著者の作劇技術が向上しているし、文章もゆとりを感じさせる。第二に「花物語」がS要素を中心に据えて自由なイメージに溢れていたのに対し、本作は教訓的でキリスト教色も強く窮屈な感じがする。この違いは世相の違いを表しているのかもしれない。「小さき花々」は満州事変の頃だもんね・・・。