アンドレアス・グルーバーのレビュー一覧
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ネタバレ「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。
舞台はプラハ、絵画の焼失にウィーンから保険調査員のホガートが向かう。
前任の調査員が行方不明となってしまったためだ。
前任者の立ち寄り先の一つ、
「プラハの王」と呼ばれる密入国を取り仕切る犯罪者の家を訪ねて、
痛い目に遭うホガートだったが、女探偵に出会い、連続殺人事件にも関わることに。
古い映画に、チェスの棋譜に、解離性同一性障害とのせてくるなら、
もうちょっと長くても良かったのでは。
というのも、もう少し長く楽しみたかったのかも。
途中で登場した、ユダヤ人市庁舎の時計塔が興味深かったので、
うっかり調べてしまった。
素晴らしい。
プラハ、行ってみ -
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ネタバレ「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。
冒頭から女性が次々と残虐な殺され方をして、
かなり読み進めるのが辛い。
その中の一人は女性刑事ザビーネの母親で、
誘拐され、インクで溺死させられ、大聖堂で発見された。
誘拐犯は離婚した父親に電話をし、
なぜ誘拐されたのかという謎を解けば解放すると言っていた。
その説明を信じない警察は、父親を殺人の容疑者として拘束する。
捜査に現われた連邦刑事局の誘拐捜査官スナイデルは、
全てを三言で説明しろと言い、マリファナを吸い、
群発頭痛持ちで、緩和のために鍼を打ち、
特定の本屋から本を万引きせずにはいられない強迫症の持ち主。
誰とも協力せずに捜査を行うが、
ザ -
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ネタバレ「夏を殺す少女」の続編と知って。
パトリックを殺すとは!
しかもかなりあっさり、と。
前作から登場して、弁護士エヴェリーンを常に助け、
今回は一緒に暮らし始めたと言うのに。
とても残念だった。
前回の犯人を弁護し無実を勝ち取ったエヴェリーンは、
刑事弁護士として独立していた。
今回、仕事を依頼してきた外科医の男は、
婦女暴行の嫌疑をかけられたことがあり、
その女性が遺体で発見されたことから、疑われていると言う。
未婚、子供なし、プレイボーイといかにも怪しい。
なぜ依頼を引き受けたのか全く理解できない。
一方、プラスキー警部の方は、
娘を殺された母親が、同時に行方不明になったもう一人の娘を -
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ネタバレ次々と場面が変わり、時間の流れも前後するので、
話についていけるのか心配なぐらいだったが、
場面の長さが短めで、
主人公の刑事と弁護士の決断と行動の速さが
心地よくそのスピード感を楽しめた。
二人の主人公、リニ―弁護士とヴァルター刑事がそれぞれの事情を抱えながら、
それぞれの事件を二方向からつき進んでいくのは面白かった。
サイドストーリーの恋愛話もよかったし。
贅沢を言わせてもらえば、
もうちょっとくどく長く作り込んでもらいたかったかな。
それと、ヴァルター刑事が救急車で運ばれそうになりながら、
リニ―弁護士に恋愛のアドヴァイスをするシーンはもうちょっとかっこいい台詞にしてあげてほしかった -
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[怨根の行く末]元小児科医がマンホールに落下して死亡。市会議員が運転ミスで死亡。そして、精神を患った少女が自らの体に薬物と酒を投与して死亡。一見無関係に見える事件をそれぞれに追っていた弁護士のエヴァリーンと刑事のヴァルターは、それぞれに事件の裏に隠された更なる闇に気付き始めるのであるが......。完成度の高さからドイツやオーストリアで高い評価を受けたミステリー。著者は、オーストリアミステリーの一翼を担うアンドレアス・グルーバー。訳者は、ドイツ文学の翻訳家である酒寄進一。
純粋に、純粋に面白かった。割と細かい文字で400ページ超を数える作品なんですが、そんなことがまったく気にならないほど本 -
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ネタバレ「夏を殺す少女」で鮮烈な日本デビューを飾った作者による傑作ミステリ。
行方不明になった保険会社の女性調査員を探す依頼を受けたホガートがプラハで連続殺人事件の調査をしている女性私立探偵と知り合い、その事件にも巻き込まれて行く。
先に挙げた「夏を殺す少女」と比較すると、ジックリと物語が展開するイメージだが、まどろっこしさなどはなく、謎が謎を呼ぶ展開は先を読む手を休ませない。
「夏を〜」と共通する点といえば、主人公が身体的にハンディとなるものを持っている点や主人公とともに活躍する女性にトラウマとなるような過去がある点、二人が謎を解決するためには手段を選ばない行動をとる点が挙げられる。これらの要素は決 -
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ネタバレオーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの本邦デビュー作。一気読み必至の佳作。
なんでもない事故のために窮地に陥っていた叔父を助けるために、その案件に関わっていたエヴェリーンは、同じようになんでもない事故だと思われていた案件にも同じ少女の姿が映っている映像があることに気づく。
一方、精神病院に入院歴のある子供が自殺している案件で不審な注射の後を見つけ、殺人ではないかと疑いを持ったヴァルターは、その犯人の後を追うように捜査を始める。
一見、なんのつながりもない事故、あるいは自殺にまつわる、二人の視点で物語が展開する。いずれも心に傷を持ち、一方では真実のために脇目も振らない活躍をする。エヴェリー -
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オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。
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全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護 -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『月の夜は暗く(原題:Todesfrist)』を読みました。
ここのところドイツミステリが続いていましたが、今回は同じドイツ語圏のオーストリアミステリです、、、
「アンドレアス・グルーバー」の作品は、約2年振りで3作品目ですね。
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「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官「ザビーネ」は、父から知らせを受ける。
母親は見つかった。
大聖堂で、パイプオルガンの脚にくくりつけられて。
遺体の脇にはインクの缶。口にはホース、その先には漏斗が。
処刑か、なにかの見立てか。
「ザビーネ」は -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『黒のクイーン(原題:Schwarze Dame)』を読みました。
『夏を殺す少女』に続き、「アンドレアス・グルーバー」作品です。
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保険調査専門探偵「ホガート」は顧客からある依頼を受けた。
プラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は行方不明になった。
調査員の安否と保険詐欺のことを調べて欲しいというのだ。
プラハに飛んだ「ホガート」は、そこで猟奇連続殺人事件に巻きこまれる。
首と手を切りおとしビロードにくるんだ死体の謎。
『夏を殺す少女』で衝撃のデビュ -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『夏を殺す少女(原題:Rachesommer)』を読みました。
オーストリアの作家の作品は初めて読みましたね… この前まで読んでいたドイツミステリと同じドイツ語圏なのですが、この作品を読んだ限りではオーストリアミステリの方が好みかな。
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酔った元小児科医がマンホールにはまり死亡。
市議会議員がエアバッグの作動で運転をあやまり死亡。
一見無関係な事件の奥に潜むただならぬ気配に、弁護士「エヴェリーン」は次第に深入りしていく。
一方ライプツィヒ警察の刑事「ヴァルター」は、病院での少女の不審