アンドレアス・グルーバーのレビュー一覧

  • 黒のクイーン

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。

    舞台はプラハ、絵画の焼失にウィーンから保険調査員のホガートが向かう。
    前任の調査員が行方不明となってしまったためだ。
    前任者の立ち寄り先の一つ、
    「プラハの王」と呼ばれる密入国を取り仕切る犯罪者の家を訪ねて、
    痛い目に遭うホガートだったが、女探偵に出会い、連続殺人事件にも関わることに。

    古い映画に、チェスの棋譜に、解離性同一性障害とのせてくるなら、
    もうちょっと長くても良かったのでは。
    というのも、もう少し長く楽しみたかったのかも。

    途中で登場した、ユダヤ人市庁舎の時計塔が興味深かったので、
    うっかり調べてしまった。
    素晴らしい。
    プラハ、行ってみ

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    2025年06月07日
  • 月の夜は暗く

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。

    冒頭から女性が次々と残虐な殺され方をして、
    かなり読み進めるのが辛い。
    その中の一人は女性刑事ザビーネの母親で、
    誘拐され、インクで溺死させられ、大聖堂で発見された。
    誘拐犯は離婚した父親に電話をし、
    なぜ誘拐されたのかという謎を解けば解放すると言っていた。
    その説明を信じない警察は、父親を殺人の容疑者として拘束する。

    捜査に現われた連邦刑事局の誘拐捜査官スナイデルは、
    全てを三言で説明しろと言い、マリファナを吸い、
    群発頭痛持ちで、緩和のために鍼を打ち、
    特定の本屋から本を万引きせずにはいられない強迫症の持ち主。
    誰とも協力せずに捜査を行うが、

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    2025年05月14日
  • 刺青の殺人者

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」の続編と知って。

    パトリックを殺すとは!
    しかもかなりあっさり、と。
    前作から登場して、弁護士エヴェリーンを常に助け、
    今回は一緒に暮らし始めたと言うのに。
    とても残念だった。

    前回の犯人を弁護し無実を勝ち取ったエヴェリーンは、
    刑事弁護士として独立していた。
    今回、仕事を依頼してきた外科医の男は、
    婦女暴行の嫌疑をかけられたことがあり、
    その女性が遺体で発見されたことから、疑われていると言う。
    未婚、子供なし、プレイボーイといかにも怪しい。
    なぜ依頼を引き受けたのか全く理解できない。

    一方、プラスキー警部の方は、
    娘を殺された母親が、同時に行方不明になったもう一人の娘を

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    2025年04月12日
  • 夏を殺す少女

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    事件の共通点や犯人が知りたくてどんどん読んでしまった。
    犯行がゴリ押しすぎるだろって思う所もあったけど、それでもハラハラわくわくさせてもらえました。

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    2017年02月20日
  • 夏を殺す少女

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    ネタバレ

    次々と場面が変わり、時間の流れも前後するので、
    話についていけるのか心配なぐらいだったが、
    場面の長さが短めで、
    主人公の刑事と弁護士の決断と行動の速さが
    心地よくそのスピード感を楽しめた。

    二人の主人公、リニ―弁護士とヴァルター刑事がそれぞれの事情を抱えながら、
    それぞれの事件を二方向からつき進んでいくのは面白かった。
    サイドストーリーの恋愛話もよかったし。

    贅沢を言わせてもらえば、
    もうちょっとくどく長く作り込んでもらいたかったかな。
    それと、ヴァルター刑事が救急車で運ばれそうになりながら、
    リニ―弁護士に恋愛のアドヴァイスをするシーンはもうちょっとかっこいい台詞にしてあげてほしかった

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    2015年11月04日
  • 夏を殺す少女

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    [怨根の行く末]元小児科医がマンホールに落下して死亡。市会議員が運転ミスで死亡。そして、精神を患った少女が自らの体に薬物と酒を投与して死亡。一見無関係に見える事件をそれぞれに追っていた弁護士のエヴァリーンと刑事のヴァルターは、それぞれに事件の裏に隠された更なる闇に気付き始めるのであるが......。完成度の高さからドイツやオーストリアで高い評価を受けたミステリー。著者は、オーストリアミステリーの一翼を担うアンドレアス・グルーバー。訳者は、ドイツ文学の翻訳家である酒寄進一。


    純粋に、純粋に面白かった。割と細かい文字で400ページ超を数える作品なんですが、そんなことがまったく気にならないほど本

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    2015年01月09日
  • 夏を殺す少女

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    ここのところ立て続けてヨーローッパ・ミステリーを読んでいまして、酒寄氏翻訳本の一冊の本作を読みましたが、直前の「白雪姫には死んでもらう」よりもハマリました。
    読んでいる最中、本当に主人公と同じように胃液が上がってくるような不快な場面もありましたが、筆致に引っ張られるように一気読み。この作者の次作を欲しいものリストに入れました。

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    2014年10月05日
  • 夏を殺す少女

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    スピード感があって面白い。特にに後半の展開はまさに手に汗を握るような迫力がある。洋物にしては読みやすいなと思ったら、シーラッハと同様酒寄さんの翻訳だった。
    それにしても、ヨーロッパのこの手の犯罪がテーマの作品は読んでいてとてもやるせなくなる。やはり社会が病んでいるのだろうか。

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    2014年06月11日
  • 黒のクイーン

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」で鮮烈な日本デビューを飾った作者による傑作ミステリ。
    行方不明になった保険会社の女性調査員を探す依頼を受けたホガートがプラハで連続殺人事件の調査をしている女性私立探偵と知り合い、その事件にも巻き込まれて行く。
    先に挙げた「夏を殺す少女」と比較すると、ジックリと物語が展開するイメージだが、まどろっこしさなどはなく、謎が謎を呼ぶ展開は先を読む手を休ませない。
    「夏を〜」と共通する点といえば、主人公が身体的にハンディとなるものを持っている点や主人公とともに活躍する女性にトラウマとなるような過去がある点、二人が謎を解決するためには手段を選ばない行動をとる点が挙げられる。これらの要素は決

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    2014年03月02日
  • 夏を殺す少女

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    ネタバレ

    オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの本邦デビュー作。一気読み必至の佳作。
    なんでもない事故のために窮地に陥っていた叔父を助けるために、その案件に関わっていたエヴェリーンは、同じようになんでもない事故だと思われていた案件にも同じ少女の姿が映っている映像があることに気づく。
    一方、精神病院に入院歴のある子供が自殺している案件で不審な注射の後を見つけ、殺人ではないかと疑いを持ったヴァルターは、その犯人の後を追うように捜査を始める。
    一見、なんのつながりもない事故、あるいは自殺にまつわる、二人の視点で物語が展開する。いずれも心に傷を持ち、一方では真実のために脇目も振らない活躍をする。エヴェリー

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    2014年02月25日
  • 夏を殺す少女

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    ドイツのミステリで、舞台はヴィーンとドイツ各地です
    関係のないところで起こった殺人事件を別々に追う、弁護士と刑事、それが一つの点に繫がります、児童虐待(性犯罪)被害者、加害者を巻き込んだ殺人事件です
    テーマはとんでもなく重いものですが、昨日は一気読みをしてしまいました、読後感は意外と爽やかなところは良いですね ミ(`w´彡)

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    2013年10月08日
  • 夏を殺す少女

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    ネタバレ

    酔っ払ってマンホールに落ちた医師、山道から転落死した市議会議員。現場に現れる謎の少女の存在に気がついた弁護士のエヴェリーン。同僚弁護士でゲイのホロスペックの転落死。事件にぎもを持ったエヴェリーン。精神病院での少女の自殺事件に疑問持ったヴァルター。監視カメラに映った白髪の男。自殺した少女の生い立ち。児童虐待。過去に謎の死をとげた少年、少女。15年前にフリートベルク号のクルーズで起きた事件。エヴェリーンとヴァルターの捜査が繋がり事件の全貌が。

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    2013年07月22日
  • 刺青の殺人者

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    オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
    アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
    娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
    事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
    一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護

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    2025年08月23日
  • 黒のクイーン

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    『夏を殺す少女』を読んだのは9年前。大変面白く読んだ記憶はあるが、内容はてんで覚えていない。これも楽しめましたよ。イギリスやアメリカの作品と違い、翻訳に馴染むのが一苦労。エクスクラメーションマークか矢鱈と出てくるし、会話もすっと読めないのがもどかしい。

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    2024年06月13日
  • 月の夜は暗く

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    オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『月の夜は暗く(原題:Todesfrist)』を読みました。
    ここのところドイツミステリが続いていましたが、今回は同じドイツ語圏のオーストリアミステリです、、、

    「アンドレアス・グルーバー」の作品は、約2年振りで3作品目ですね。

    -----story-------------
    「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官「ザビーネ」は、父から知らせを受ける。
    母親は見つかった。
    大聖堂で、パイプオルガンの脚にくくりつけられて。
    遺体の脇にはインクの缶。口にはホース、その先には漏斗が。
    処刑か、なにかの見立てか。
    「ザビーネ」は

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    2024年01月04日
  • 黒のクイーン

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    オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『黒のクイーン(原題:Schwarze Dame)』を読みました。

    『夏を殺す少女』に続き、「アンドレアス・グルーバー」作品です。

    -----story-------------
    保険調査専門探偵「ホガート」は顧客からある依頼を受けた。
    プラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は行方不明になった。
    調査員の安否と保険詐欺のことを調べて欲しいというのだ。
    プラハに飛んだ「ホガート」は、そこで猟奇連続殺人事件に巻きこまれる。
    首と手を切りおとしビロードにくるんだ死体の謎。
    『夏を殺す少女』で衝撃のデビュ

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    2023年03月25日
  • 夏を殺す少女

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    オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『夏を殺す少女(原題:Rachesommer)』を読みました。
    オーストリアの作家の作品は初めて読みましたね… この前まで読んでいたドイツミステリと同じドイツ語圏なのですが、この作品を読んだ限りではオーストリアミステリの方が好みかな。

    -----story-------------
    酔った元小児科医がマンホールにはまり死亡。
    市議会議員がエアバッグの作動で運転をあやまり死亡。
    一見無関係な事件の奥に潜むただならぬ気配に、弁護士「エヴェリーン」は次第に深入りしていく。
    一方ライプツィヒ警察の刑事「ヴァルター」は、病院での少女の不審

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    2023年03月25日
  • 黒のクイーン

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    名画の焼失事件が徐々に連続殺人事件とリンクしていく展開はよくできている。様々なキャラが絡み事件の謎が広がっていくプロット、プラハという東欧の陰影のある街の描写も魅力がありラストまで一気に読める。
    ただ、名画焼失の方が物足りないし、キャラやそこに付随するドラマも少し大仰な作り物っぽいところは残念。

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    2021年08月18日
  • 刺青の殺人者

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    シリーズ第2作。
    ヴァルター警部とエヴァリーン弁護士がそれぞれの立場から殺人事件に関わることとなり、章ごとに視点が変わりながら話が進んでいく。

    前作同様、緻密な構成で、東欧そしてドイツと舞台を移動しながら話がテンポよく進み、全てが収斂していくラストまで全く飽きることなく読み進む。

    話しの完成度が高く、セバスチャン・フィッツェック、ヘニング・マンケルらと並ぶストーリーテリングの巧さを堪能できるので、他の作品も期待大。

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    2021年04月11日
  • 夏を殺す少女

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    事故に見える殺人事件、自殺に見える少年少女の殺人事件、一見無関係な事件を追う女生弁護士と刑事。

    二つの事件が徐々に繋がっていくプロットが精緻に練り上げられていてラストまで一気読み。
    女性弁護士と刑事のドラマも過不足なく描かれているし、何より交互に描かれるそれぞれの事件が少しずつ真相に近づく過程が丁寧で、あまり読んだことのないオーストリア産のサスペンス小説だが完成度が高く映像化にも向いている。

    テイストとしてはセバスチャン・フィジェックに少しスパイスを効かせた感じ?

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    2021年03月13日