笹本祐一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表紙に一目惚れして購入。ハヤカワ文庫って多分ニューロマンサーくらいしか読んだことがなくて、そもそもSFというジャンルに関しては生まれたての赤子くらいの知識しかないので、そんな自分がこういう本を読んだらどうなるんだろうっていう興味もあった。
中身はこれぞジュブナイルというか、作者さんが現役最古のラノベ作家を自称してるだけあってストーリーの筋は古き良き王道を直進している。今時のラノベと比較したら間違いなく硬派なものに分類されるのかもしれないけど、自分はその方が好き。小さい頃はこういうシチュエーションに憧れたもんですよ。
文体はSFだからなのかこの人の特徴なのかはわからないけど、登場人物の感情描写よ -
Posted by ブクログ
とりあえず読む本を求めて、買ったうちの一冊。
にも関わらず半年近く部屋の隅で転がっていた本。
序章はとても美しい。
まさかのMT軽ワゴンで山道を疾走。山頂よりの天体観測。
何かがはじまる予感。
が。全体的に会話の分量が多くて、少し残念。
高校生たちとSFと、という分野では、個人的に『サマー/タイム/トラベラー』が出来すぎな気がする。
とはいえ、この物語は、まだ終わってはいない。
この先どうなっていくのか?は、少し気になるところ。
だけど、「地球防衛軍」じゃなくても、学校の片隅の天文部で──って話の可能性も感じるなぁ。そういう魅力は、登場人物たちにある気はする。
SFじゃなくなっちゃうけ -
Posted by ブクログ
今の時代、こういう若者たちは居ない。
1980年代って、本当のリアルタイムの高校生たちはこんなだったんだろうか?と思う。丁々発止でテンポよく掛け合い、男子も女子もアクが強い。
リアリティが大事だとよく言われるが、別にこのお話にリアリティがあるわけじゃない。重要なのは引きの強さだ。「この先どうなるんだろう」と思わせて先を読ませるちから。
リアリティは目的にはなりえず、道具なのだなぁと思う。
かつてこういう時代があったんだろうか。それとも、物語の中だけなんだろうか。学年ヒエラルキーがなく、フラットな関係性。
いや、夢だと思うけどね! もし過去にこんな学生生活(トラブルを除いて)当た -
Posted by ブクログ
ネタバレ妖精作戦最終章。
お気楽極楽な彼らの冒険は、思わぬ苦味と共に幕を下ろしたのでした。
当時これがどれほどのインパクトであったのかは分かりませぬ。
作品が溢れる今となっては、追体験することも難しいでしょう。
しかして影響の広さを整理する事はできます。
「涼宮ハルヒの憂鬱」「イリヤの空、UFOの夏」「レインツリーの国」・・・
ラスト・レターから25年。個人的には、太陽系全域に「アイ・ラヴ・ユー」と
愛を囁いた某超大作の行く末が判明するまでは死ねません。
一方そのころ笹本先生は、往時の夢をかなえて、宇宙海賊モノを
書いていたのであった。しかも女子高生。しかもミニスカ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ21世紀の今日、我々の世代が享受している諸々のエンターテイメント。
その、アーキタイプの一つである処の「妖精作戦」であります。
曰く元祖ライトノベルですが、元祖である本作の構成要素も
スター・ウォーズEP4(特にデス・スター内での追っかけっこ)に
インスパイアされているだろうことを考えるに、文化とはこうやって
世代を越えていくのかと得心する次第。
個人的に恐ろしいのは、デビュー作である妖精作戦シリーズと、
ミニスカ宇宙海賊から全く同じ匂いがするあたり。
夢を燃やして飯食ってる人種は強いなぁ。
まぁ、デビュー作だけあって、文章は今読むと割としんどいですけどね…