高島俊男のレビュー一覧

  • 漢字と日本人

    Posted by ブクログ

    日本人が「漢字」という大陸の(というか外国の)文字をどのように受容していったかというその変遷、つまり日本人の漢字との千年以上に渡る"付き合い方"がよく分かる本。漢字をなんとかして日本語に適用させようとしたかと思えば今度は漢字を徹底的に排除し「かな」やローマ字にしようとする…どうも日本人は甚だ極端であるらしい。なるほど、日本人が漢字をいかに受容していったかという歴史を通して、日本人のメンタリティもよく分かる。

    また、それぞれの民族の言葉がその民族の思考様式と密接に結びついている、という指摘はまさにその通りだと思う。ある言葉がなければ、当然にその概念も存在しないのである。例えばこの部分はなんかも非常に面白い。

    ◼️p165 江戸時代までの日本には「進歩」ということばはなかった。つまりそういう概念がなかった。江戸時代だって、いくらか知識のある人なら、すこしはむかしのことを知っていた。〜しかし、われらの時代は鎌倉時代より進歩している、とか、おなじ江戸時代でも、傾聴元和のころより文化文政のいまのほうが進歩している、などとは思わなかった。

    日本人が漢字を受容して歴史を作ってきた以上、それを手放すのではなく、あくまで「かな」を主体としながら漢字を使うべきである…とまぁ筆者が主張する漢字の使い方を纏めるとこんな感じになるのだろうか。でも「なるべくかなを使う」というのも結構分かりづらい。仮名も「かな」と表記すべきだとのことだが、この「なるべくかな」という部分だってすべてひらがなであればどこで切れるかが甚だ分かりづらいではないか。漢字を多く使うことで、例えば助詞とそれ以外の単語も視覚的に識別しやすくなり読書スピードは上がると思うのだが。

    あと内容は良いのだが、バカだの無教育だの随所に(主に前半に)散りばめられているのが読んでいて不快。親しみやすさの演出なのか、まぁ本当にバカと思ってるのかもしれないけれど、良い印象は受けないぞ。

    0
    2014年03月13日
  • 漢字雑談

    Posted by ブクログ

    難しいながらも、漢字にまつわるいろいろなことがわかったけれども。
    著者の性格の悪さが気になって、スラっと読めないのが玉に瑕。

    0
    2013年09月28日
  • 漢字雑談

    Posted by ブクログ

    「お言葉ですが」シリーズを書かれてきた高島さんの日本語と中国から伝わって来た漢字にまつわるエッセイ。「お言葉ですが」よりテーマが軽めで読みやすい。しかし中国の故事や書物に関わるところは正直、むつかしかった。

    0
    2013年06月24日
  • 漢字と日本人

    Posted by ブクログ

    著者は中国語学・中国文学の研究者。
    日本語における漢字の問題を論じた本。

    先日、田中克彦『漢字が日本語を滅ぼす』を読んだが、それを思い出す内容だった。
    まず、中国語と日本語は言語として異質であるのに、その文字を日本に導入することには無理があったとする。
    さらに、日本語は中国語より音が単純で、中国語では発音し分けていた音の区別がなくなってしまい、同音異義語が溢れることとなったこと。
    時間軸に沿って展開する言語のリニアな構造を、漢字を導入した日本語は崩してしまい、いびつな言語にならざるを得なかったとも言っていた。
    これは、田中さんの本にも見られた議論。
    この辺りまでは、両者の見解は結構重なるように思われる。

    しかし、そこからどうすべきかについては、田中さんとは対照的な主張だった。
    田中さんは日本語は漢字を使わなくても表記できる、表音文字による表記に切り替えるべきだとする。
    これに対し、高島さんは、いかにいびつで、未成熟のまま現代に至ったとしても、ここまで漢字が日本語に食い込んでしまった今、漢字を廃することは出来ないと考える。
    訓読みする語は、ひらがなで書き、字音語だけ漢字表記を続けよ、としていた。

    さて、ここまでくると、漢字制限を撤廃すべきだという論者の意見を読んでみたいけれど・・・
    誰がそういう論調で書いているだろう?

    0
    2012年10月19日