高島俊男のレビュー一覧
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漢字が日本に取り入れられた歴史がおもしろい。
漢字の音は、3~6世紀の中国南北朝の時代につきあいのあった漢人の南朝から呉音が朝鮮や対馬を経由して入ってきた。平安時代の初めに、遣唐使が学んだ長安の漢語が正音として取り入れられた(漢音)。鎌倉・室町時代には、主に僧侶によって南宋、元、明の頃の漢語が伝えられた(唐音)。
呉音は、如来や供養、精進などの仏教関係、外科、小児科などの医学関係に残っている。呉音以前の音も、相(さが)、馬、梅、銭、竹などに残っている。
漢語がngで終わる音を日本語で表現するために、奈良・平安時代には「ウ」「イ」とし、鎌倉・室町時代には「ン」とした。鈴(レイ、リン)、燈( -
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好きな信頼している書き手だったのですが、2年前に亡くなっていたんですね。合掌。
一本芯の通った硬骨漢で昭和の頑固オヤジのイメージがありました。
本書でも繰り返し主張してますが、戦後定められた常用漢字は全くナンセンスだと思います。時の権力者が文字についてその使い方を強制するのは、やはりよろしくないと思う。国民性、個々の人間性の否定にもつながりかねない問題です。特にメディアはこの問題については、言葉を使うプロとしてもう少し真剣に取り組んでもいいのではないでしょうか。
「お言葉ですが」のシリーズはほぼ持っているはずなので、また読んでみたい。積読本の山のなかから見つかればだが・・ -
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ネタバレ中国の盗賊の代表として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、および毛沢東を紹介。ユーモラスな語り口で読みやすく、理解しやすい。
中国における盗賊とは、仕事にあぶれたならず者の武装集団のことで、中央・地方の政府が組織したものは「官軍」、そうでないものは「盗賊」とされた。頭脳としての知識人や情報網を持つ商人などを取り込みしだいに大きくなり、ついには天下を狙う集団も現れる。
面白いのは毛沢東で、先に紹介された陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全を「農民の革命戦争」として定義し、正義の行いとみなしている。本来のマルクス主義は都市の工場労働者を革命の主導者としているが、共産党は農村のあぶれ者を動員して -
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本来日本語を表記するのに漢字はまったくあっていないというのが高島先生のご意見で、本書もそれが前提で書かれている。日本語と漢語(シナ語)は言語として共通点がほとんどなく、もし日本列島が無文字の時代に漢字とアルファベットが周辺国で使われていたら、日本では間違いなくアルファベットが入ってきたはずなのである。
さらには、日本語を表記するのに漢字を採用したことで日本語が日本語として成熟する事ができなかったとする。無文字時代の日本語では抽象的な概念を表現するコトバはほとんど無かった。本来はコトバが熟成していく中で、日本語で抽象的概念をあらわすコトバが出来てきたはずが、漢字で表現することを先に覚えてしまい -
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言語と文字に着目し、日本語について述べられた本。著者は、日本語が世界でおそらくただ一つの極めて特殊な言語と言う。言語とは本来、音声であり、文字はその影に過ぎないのであって、世界には文字なき言語も存在する。しかし日本語には明治以後の和製漢語の増加により同音違語が多数存在するようになり、日本人の話は、音声を手がかりに頭の中にある文字を素早く参照するプロセスを繰り返しながら進行する。それは、日本語は音韻組織が簡単であるため、漢字の異なる音が日本語では同じ音になり、したがって一つの音が指し示す文字が多いからである。「キシャのキシャ、キシャでキシャ」はどういう意味か、ということである。日本は文字として漢
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ネタバレ十一月の三日は、祝日でちょうど日曜日です。
本書にある、日本語がいかに具合の良くない状態にあるかを示す一例だそうだ。
よく考えてみると、まぁ確かに。
明治維新以降の国字の扱いがまずかった。とする点はぼくもそう思う。が、彼の「漢字をアテたのは重荷」という主張は違うと思う。
日本語母語話者には重荷になってない。
非日本語話者が日本語を学ぶときに障壁になる?なりますよそりゃ。
漢語を取り入れたことで、"本来迎えるはずだった独自の言語体系変化"は無いものになった。
これも違うと思う。非母語の語彙を母語に混ぜて使う、変化できることばなんだ。
取り入れて独自に発展させるのが特 -
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一介の盗賊が国を作る、こんな例が中国には、たくさんあるんですね。
「みんなが代表を選んで、その人に国を建設してもらう」
、、、民主主義の「人の選び方」とは、何もかも違います。
盗賊が国を作った、だから、、、中国はどうひっくり返っても、民主的な国家
(ほんとは、国家と言えないと思いますが、、、)になることはできないと確信しました。
人民裁判は、てっきり「人民による裁判」だと思ったのですが、高島先生は、「人民の前でやる裁判」と
喝破します。これでは、、、一生、法治国家になることはできませんね。
中国の歴史を知れば知るほど、面白いのですが、日本とは、絶望的に「うまくやっていけないな」と
いうか、 -
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日本語と漢字は切っても切り離せない関係だ。と言っても昨日、テレビ番組で反省して謝罪したあの人のような不適切な関係ではない。
たとえ、漢字自体は同じでも意味が違うことがある。例に上がっているのは、写真。日本語だと透明無色だが、中国語になると色がつく。しかももやもやしたわいせつな色が。ズバリ、「エロ写真」を意味する。もともと中国語には、「照相」という語があり、できた写真を「照片」と言う。そのような事情から、日本から入った「写真」の意味は特定のものを現す意味になった。
ここでは例に上がっていないが、「愛人」も違う意味になる。日本だと秘密の香りが漂ってくるが、中国語の「愛人」は、奥さんの -
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歴史上、中国を統一した皇帝には盗賊出身が多い。有名どころは、漢の創始者、劉邦。彼はもともと面倒見の良いアニキ的ヤクザ。そんな劉邦が家柄に優れた項羽との決戦に勝利し、中国を統一する。毛沢東だってガラの悪い農家の出だ。日本で比較できるのは豊臣秀吉くらいだが、彼は将軍、天皇の一歩手前止まりだった点で中国の皇帝には一歩劣る。
本書は、こうした田舎の貧しい盗賊出身でありながら中国を統一してしまった6人を取り上げた成り上がり列伝。
中国でトップに登りつめるためには義とか情は邪魔。ひたすら自分より上の者を倒すのみ。家柄とか、財産とか守るべきものがあることは、逆に不利だ。そんな中国を究極のアメリカンドリー -
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この人の本は、ちょいちょい毒舌が混ざるので面白いです(笑)
漢字と日本語の関係性について、細かい例を挙げながら論じてます。筆者の主張としては以下の通り。
・漢字を文字として採用したが、同時期にアルファベットが入って来ていれば、間違いなくアルファベットを採用したはず。なぜなら漢字は日本語の意味を記すには好いかもしれないが、日本語の音を表現するには不適当だからである。
・漢字が入ってきたことで、抽象的なものや概念的なものを表す日本語(和語)が発展する機会は失われた(「山」や「川」は和語だが、これを包括する「自然」は漢語の概念)
・江戸以前の和製漢語は、文字から意味は分からないが、音から意味を取