片島麦子のレビュー一覧

  • 中指の魔法

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    某書店文庫担当者さんのオススメだったので読んでみた。
    物語は主人公が回想する形で進んでいく。それだからか、なんとなく白いベール越しにみているような、もやっとした世界観がなんかいい感じ。
    「おおばあ」の存在感がすごいだけじゃなく不思議な力を持っているのに案外簡単に死んじゃったり、主人公ロクの父親に関する事がちょっとした謎解きになっていたり、あれだけ伏線らしきものがあったにもかかわらずロクとミウリがいい仲にならなかったり、この辺が面白いポイントだったかな。
    著者はこれがデビュー作らしい。
    ラストは続編を期待してしまう終わり方だったし、次の作品も読んでみたいなぁ。
    いずれにしても、こういう作品って自

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    2013年06月19日
  • ギプス

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    朔子(さくこ)27歳は、中学生の時に仲違いしたあさひの姉だという女性から行方不明のあさひ捜索を押し付けられてしまいます。その中で朔子が過去を振り返りつつ思い改める物語りだったと思います。人との関わり、自立して生きていく、といったテーマで軽妙にストーリーが展開され面白い内容と思いました。登場人物たちの考え方が私個人とは違っていて、深くは思い入れることができず、星3つの評価としました。

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    2025年08月27日
  • 想いであずかり処 にじや質店

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    不思議な質屋のお話。
    自分の大切なものを差し出してまで願いを叶える…
    今のところ私にはそこまでの想いはないなぁ。

    少し陰りがありながらも月明かりに照らされているような優しいお話でした。

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    2025年04月12日
  • 未知生さん

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    不思議な小説。
    でも、嫌いじゃないよ、むしろ好き❤️

    不慮の事故…息子さんを助ける代わりに亡くなった一人の男性の思い出話を、いろんな人が語る…的なお話で、
    まあ、主人公が、小説のタイトル未知生くんね。
    淡々とした、ちょっと変わった人なんだけど、本当にいい人みたいで、ちょっと憧れる感じ。

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    2025年02月24日
  • 未知生さん

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    もう亡くなってしまっているのだ、未知生さんは。
    それも読み始めたと同時に、最初の行の最初の一文で。
    そしてそこから始まるのは、未知生さんという男を知るための物語だ。
    色々な人によって語られていく未知生さんを知るたびに、とらえどころのない未知生さんにどんどん惹かれていく。
    物語が終って、私の中に私だけの未知生さんが出来上がったとき
    猛烈に淋しくなるのだ。
    あぁ、未知生さんはもう亡くなってしまったのかと。

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    2024年02月17日
  • 未知生さん

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    不慮の事故で亡くなった羽野未知生41歳。協調性がなくマイペース、人にものを頼めないけど人から頼まれると受け入れる、周りに対してだけじゃなく自分のことにも無頓着、そんな未知生とうっかり関わってしまった同級生、元カノ、会社の同期と上司、そして家族目線で描かれる七つの物語。

    設定からして「横道世之介」をなんとなく思い出してしまう。人を庇っての電車のホームからの転落死というのも同じ。だからか、同じような感動を期待して読んだ。

    「横道〜」と違うのはあちらが世之介が常に主人公であるのに対し、こっちは未知生さんと関わった人物の“今”により重点が置かれていること。
    掴みどころがなく、そばにいてもやり過ごし

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    2023年12月06日
  • 未知生さん

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    全体的にいい人なんだけど、つかみどころがない不思議な人、未知生さん。
    そんな彼に関わってきた高校の同級生や会社の同僚、上司、元カノ、妻、息子など、様々な人の視点で、未知生さんの人生が語られる。
    彼らが語っているのは、彼らの人生なのに、そこに未知生さんの人生も透けて見えるから不思議だ。でも、生きることとはそういうものかもしれない。
    他人と関わり合って、影響されたり影響を与えたりしながら、それぞれの人生の色を重ねていくのだ。
    そんなことを考えさせられた話だった。

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    2023年07月11日
  • レースの村

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    「空まわりの観覧車」以外は、不思議なお話しだった。
    「幽霊番」はすっごく不思議なんだけど、怖いんだけど、1番面白かったかな。
    辺鄙な田舎で、本当にありそうだし。出ないとしても。

    「レースの村」はちょっとカルトちっく。
    そういう集団で暮らす居心地の悪さ。

    「透明になった犬の話」は子供にしか見えない愛犬。
    行方不明になって戻ってきたら透明だった。
    存在はずっと感じられるけど、親にはわからない。
    ずっとその愛犬と人生を歩む八重。

    初めて読む作家さんだったけど、読みやすかった。
    他のも読んでみたい。

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    2021年06月22日
  • レースの村

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    4篇の、ちょっと不思議な物語。
    う~ん、空気感は悪くないんだけど、どこか消化不良というか、満足感が薄い。
    全体的に「惜しい」。

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    2021年06月11日
  • 想いであずかり処 にじや質店

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    片島麦子さんは初めましての作家さん。

    最近、こういう感じの作品が増えたなぁ。
    だからこそ、筆致だったり、キャラクターだったり、何かしら突出したものがないと、どんどん埋もれちゃうんですよね。

    わたしにとってこのお話は、あんまりピンとくるものではありませんでした。

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    2019年04月25日
  • 中指の魔法

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    威風堂々としたおおばあと孫の緑の主に小中学生時代がほのかな雰囲気で語られて、現代ものだけれどそこはかとないファンタジーさが心地好い。呼吸を合わせることで夢の中に入り眠り続ける少女を起こし、死に触れる。自分を好きになろうとする変化が急で、させられた感があったけれど、その先の結末が意外でストンとなった。

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    2018年10月14日
  • 中指の魔法

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    黒い革でできた頑丈な長手袋を常に身につけ、威風堂々としているおおばあ。不思議な力を持つ彼女のもとには、悩みを抱える人々が絶えず訪れ、お礼にさまざまなものを置いて行く。

    数学者でリアリストの母さんと対照的なおおばあ。全く思い出せない父さんと、くっきり記憶にある伯父さん…。父不在の女系一家で、ぼくは黒犬のやじろべえと共に、所在なさを感じているが、ふとした拍子におおばあの持つ不思議な力が自分にも受け継がれているらしいことに気づいて…。

    ワルプルギスと言えば、魔女ものでは有名なキーワード。ワルプルギス賞受賞のこちらもやはり、魔女的な要素を感じるストーリーだった。

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    2014年04月30日