あらすじ
綻びのできたレースのように繊細で不可思議な世界を紡ぎだす四編の物語
大学の友人サクマの帰省に同行したぼくは、そこで幽霊と暮らす奇妙な村人たちと出会う…「幽霊番」。女性だけの村で育った卯月と、「騙されちゃ、だめよ」と云い、突然いなくなってしまったハルカ。サナさんの秘密の儀式を偶然目撃した卯月は、自分の知らない世界があることに気づいてしまう…「レースの村」。透明になった犬の夢二、病気がちで寝たきりの姉綾子とともに過ごす日々はあの雪の日のように儚い…「透明になった犬の話」。綻びのできたレースのように繊細で不可思議な世界を紡ぎだす四編の物語。
【目次】
幽霊番
レースの村
空まわりの観覧車
透明になった犬の話
【著者】
片島麦子
1972年広島県生まれ。小説家。著書に『中指の魔法』(講談社)、『銀杏アパート』『想いであずかり処にじや質店』(ポプラ社)がある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういう本、とっても好き!
短編が4作入っていてどれも秀逸
この作者は初めて読んだが、他の本もぜひ読んでみたい。
表題になっている、レースの村は、角田光代の八日目の蝉を彷彿とさせる。
Posted by ブクログ
日常の話から、どんどん不思議な世界へ入ってく没入感を体験しました。
特に幽霊番、時間の都合で一気には読めなかったのですが、続きが何故か気になってしまう感じでした。
なんとなくオチを求めていたのか、えっここで終わっちゃうのか…(=自分はもっとこの世界観にいたかったのかも)、と感じました。
Posted by ブクログ
特に『幽霊番』に惹きつけられた。
小学生の頃、蟻の列を足で妨害して
虐めたことを思い出した。
前に進めなくなった蟻が、慌て、ウロウロし始め、何匹もが犇めき合っていく姿を
好奇心で見つめていた。
あの時の背徳感が好きだった。
そして自分は酷い人間なのかなと
子供ながらに思った。
幽霊に、あえて罪深いことをする時の感情表現が
まさにあの頃の私にそっくりで
少し背筋が凍ったような気さえした。
小説の良さは、映画などでは表しきれない
心や感情を言葉で説明してくれることなんだと
気づくことができた。
『空まわりの観覧車』
穏やかな夫婦でいると、食べ物や趣味に関して
自分の好きなのか、合わせた好きなのか、好きだけど好きじゃないフリをしている好きなのか
分からなくなる。
まさにそうだと、実感できた文。
同調も大事だけど、自分を見失わない工夫も必要かな、と思えた。