片島麦子のレビュー一覧

  • ギプス

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    少女のお母さんとおばあちゃんの造形が説得力がある。なんかおばあちゃんに感情移入して読み、お母さんに感情移入して読み、くるくる回りながら何回か読み直す。いや、そこじゃないんだけど。レモンスカッシュの話が妙に印象に残った。こういうお母さんでもお母さんやってるつもりなんだけどね。

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    2025年09月22日
  • 未知生さん

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    異色の作品。未知生さんがすべての鍵なのに、いつまでたっても顔がわからない。装丁画のように顔が見えない。たくさん話している場面があるのに、さっぱりだ。でも、そこがいい。

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    2024年01月13日
  • 未知生さん

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    未知生さんの事が頭から離れない。

    空気が読めなくて、どんくさい。
    でも現実にいそうだなとも思える。

    物語は、41歳にして不慮の事故で亡くなった羽野未知生に生前関わった男女七人の視点で綴られる。
    未知生に出逢った人達、それぞれの物語も面白い。

    皆の語りで、おぼろげだった未知生さんの輪郭が徐々に形成されていったが、終盤で彼の抱えていたものを知り、それまでに抱いた印象は一変。

    元カノに向けた言葉も、通勤電車内で繰り返された光景も、肝試しビルで起きた出来事も、全てに理由があったなんて。

    読後は未知生さんの苦悩と献身に胸が一杯。

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    2023年09月07日
  • レースの村

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    こういう本、とっても好き!
    短編が4作入っていてどれも秀逸
    この作者は初めて読んだが、他の本もぜひ読んでみたい。
    表題になっている、レースの村は、角田光代の八日目の蝉を彷彿とさせる。

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    2021年10月23日
  • 中指の魔法

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    祖母と孫が織りなす成長物語と言えば、孫の性別は違いますけど真っ先に思い浮かぶのが「西の魔女が死んだ」です。ただ、ファンタジックな成長物語としては本作の方があきらかにハイレベルで、「西の…」を全く評価できない俺でも脱帽です。

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    2014年03月11日
  • ギプス

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    間宮朔子は何を望むわけでもなく、すべてを諦めている。
    職場のブックカフェでもただ淡々と仕事をし、無難にやり過ごしていたが、ある日中学の同級生・葛原あさひの姉だと名乗る鳴海が、あさひがいなくなったので探してほしいとやって来る。
    中学の一時を過ごしただけで、それから以降は全く存在すら忘れていた彼女のことが蘇ってきたのだが…
    彼女とは親友だったはずが、ある行き違いがあって疎遠になっていた。
    彼女と出会った頃と現在を交互に物語っていく。

    朔子の家庭は、口癖のように「普通」を強調し、両親と妹の三人だけがわかり合っているという家族で、あさひも歳の離れた姉だと言っていたのが実母で、ずっと祖母が母となり暮ら

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    2025年10月28日
  • ギプス

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    『未知生さん』で心掴まれた片島麦子さんの新作もしみじみ良かった。

    主要人物は間宮朔子と葛原あさひ。
    現在と学生時代を交互に描きながら物語は進む。

    人生を諦めたように日々を過ごしている朔子の元に突如現れたのは中学の同級生・あさひの姉を名乗るギプスをした女性。

    ある事がきっかけで亀裂が入った朔子とあさひの人生の歯車が再び動き出す。

    きっと誰もが経験した事があるに違いない幼さゆえ取った行動に後悔を抱えている人も多いだろう。

    心の鎧を脱ぎ去り解放された二人の再会が待ち遠しい。

    鮮やかな赤い傘の下で微笑むあさひの姿が目に浮かぶ。

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    2025年09月27日
  • ギプス

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    人と人は、みんなちょっとした行き違い、勘違い、思い込みで、ちゃんと伝わらないことがある。
    この物語はーーーー。

    読んで良かったですよ。

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    2025年09月22日
  • ギプス

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    後悔と痛みを抱えて大人になったかつての親友同士は、目に見えるものが全てじゃないと分かるには幼くて、行き違ってしまった過去があった。
    今なら分かり合えるかもしれない、会って話をしよう。心のギプスを外して、一歩踏み出した彼女たち...その先に鮮やかな日々が待っていますように。

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    2025年08月23日
  • ギプス

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    思春期に、人は良くも悪くも色々な感情を手に入れることになる。傷つき、誰かを傷つけてしまう。それを越えて大人になる。
    諦めて生きることに慣れてしまっても、そうさせてくれない出会いがあったりもする。人とのつながりって不思議だなあ。

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    2025年08月12日
  • ギプス

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    初読み作家さん。
    ギプスが本心を隠す鎧のようであったり、弱い心をなんとか支え守ってくれるものであったり、場面ごとに様々なものに感じられた。

    話の展開とともに、拗らせ、凝り固まり、諦めてしまった心が、ゆっくりと解きほぐされていくようだった。

    なにものにもなれなかった白がラストに色づく描写には痺れました。

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    2025年08月04日
  • 未知生さん

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    全体的に不思議なあっさりとした著者の文章が好きです。
    主人公について、多くの人物の観点で語られたり、それぞれの人生にどのような関わりがあったのかを淡々と読んでく感じが面白く、ついつい読み進めてしまいます。
    かといって、もう今日はここまで、って思った時点で読書をやめても、次はまた新しい気持ちで読める、やっぱり不思議な本で、私は好きです。

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    2024年10月01日
  • レースの村

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    日常の話から、どんどん不思議な世界へ入ってく没入感を体験しました。
    特に幽霊番、時間の都合で一気には読めなかったのですが、続きが何故か気になってしまう感じでした。
    なんとなくオチを求めていたのか、えっここで終わっちゃうのか…(=自分はもっとこの世界観にいたかったのかも)、と感じました。

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    2024年08月11日
  • 未知生さん

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    連作短編。亡くなったみちおさんの思い出を振り返る話。
    読み進めていくうちにだんだんと彼のことが分かっってきて、みちおさんの掴みきれないキャラクターに惹かれた。
    最後の章は少し驚いた。

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    2024年05月09日
  • 未知生さん

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    他人から見た自分なんて人それぞれなんだなー。
    いい人のつもりでもそうじゃないと思われる場合もあるし、悩みとか隠してたら悩みない人、とか。
    未知生さんってタイトルが全てを物語っているではないか!
    人との付き合いはある意味都合のよい思い込みかも‥

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    2023年12月10日
  • レースの村

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    ありそうでなさそうで、やっぱりありえるかもと思うちょっと不思議でノスタルジーな短編集。
    この世界観好きです。

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    2023年10月16日
  • レースの村

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    特に『幽霊番』に惹きつけられた。

    小学生の頃、蟻の列を足で妨害して
    虐めたことを思い出した。
    前に進めなくなった蟻が、慌て、ウロウロし始め、何匹もが犇めき合っていく姿を
    好奇心で見つめていた。
    あの時の背徳感が好きだった。
    そして自分は酷い人間なのかなと
    子供ながらに思った。

    幽霊に、あえて罪深いことをする時の感情表現が
    まさにあの頃の私にそっくりで
    少し背筋が凍ったような気さえした。

    小説の良さは、映画などでは表しきれない
    心や感情を言葉で説明してくれることなんだと
    気づくことができた。


    『空まわりの観覧車』
    穏やかな夫婦でいると、食べ物や趣味に関して
    自分の好きなのか、合わせた好

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    2021年07月12日
  • 想いであずかり処 にじや質店

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    主人公の女性の性格が苦手で、少々イラッとする部分やなんでそんなこと言うかな?という点がありました。
    しかし、にじや質屋に訪れる色々な人の物語は面白く、楽しめました。

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    2020年03月18日
  • 想いであずかり処 にじや質店

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    ネタバレ

    大切なものと引き換えに、願いを叶える質屋さんの話。騙されて?お店に行き、図らずも願いを叶えてもらったことで、お店で働くことになるのですが、2人の関係性を教授とともに見守ってます。
    続編を是非お願いしたいです。
    まだまだ願いを叶えてもらう話を読みたいですし、教授がお店に来ることになった経緯や、お兄さんとの再会、そして2人の関係進展を見たいです。

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    2019年12月21日
  • 中指の魔法

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    片島麦子の初めての本になるのだろうか。
    ほぼ1年前に文庫オリジナルで出版されている。
    読み終わって、最初に考えたことは、この人は他にどんな本を書いているのだろうという事だった。
    おばあさんと孫の話はたくさんあるし、児童文学若しくはファンタジーの定番ではあるけれど、それでも面白かった。

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    2014年06月17日