四方田犬彦のレビュー一覧

  • 世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020

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    週刊誌に書かれたコラムをまとめたもの。
    時系列に並べて読むことにより、時代の流れがよくわかる。
    そして、著者の人生経験と叡智に圧倒される。

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    2023年04月25日
  • 世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020

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     過去十年、腹を立てつづけた四方田犬彦!がおもしろい。
     今は、きっと、もっと腹を立てていると思うと、ちょっと笑っていられない気もする。でも、もっと、腹を立てていてほしい。

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    2022年06月10日
  • 「かわいい」論

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    終始「かわいい」の話題だけで一冊の本ができるのがすごい。文学の視点が入っているので、そういうのが好きな人にちょうどいい一冊です。アウトサイダーアートというものを初めて知りました。

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    2021年09月11日
  • 「かわいい」論

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    ネタバレ

    かわいいは美とグロテスクの境界領域にあり小ささや未成熟、懐かしさといった性格を持つばかりではない。

    かわいいは
    ・一方では他者依存のための戦略としての媚態であると解釈され、
    ・もう一方では少女たちにおける意味作用に結実する以前の指示行為、すなわち「かわいい」と指差して叫ぶと言う身振りそのものと考えられている。それはかかる身振りを儀礼として受け止めることでなされる親密な共同体の確認行為である。

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    2021年07月08日
  • 復刻版 少年滿洲讀本

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    日中戦争下の1938年に刊行された少年向け満洲紀行。父親が出張ついでに、長男・次男と満洲在住の姪(その名も満洲子)を連れて全土を旅行する設定である。「青銅の基督」の作者がこういうものを書くようになっていたとは知らなかった。

    「満洲」の風俗や産業を分かりやすく伝えると同時に、当時の日本が他のアジア地域をどう見ていたのか(少なくとも、どう見ることが模範的とされたのか)をまざまざと描いた1冊である。

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    2020年08月29日
  • ゴダールと女たち

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    ゴダールの映画は何本観ても何回観ても難しい。
    「女たち」でフォーカスしてもまだ難しいが、少しずつゴダールの深みに入る手助けをしてくれる一冊。

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    2019年09月27日
  • 「かわいい」論

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    2015.11記。

    「かわいい」とはそもそもなんなのか。

    古代ギリシアが「調和・均衡」を最も尊び、また西欧でも「成熟」こそ優れたものと捉えていたこととの対比において、古くは枕草子に「かわいいもの。スズメがちゅんちゅんと寄ってくるところ」とあるように、小さく、かよわい、といったものに対する愛着は日本人の感性に深く根ざしている。

    しかし議論がより迫力を増すのは、「きれい、美しい」よりも実は「グロテスク」のほうがより「かわいい」に隣接した概念である、といった辺りから。グロテスクさを直視しない社会的な装置、イデオロギーとしての「かわいい」の可能性が検討される(いびつなものを「かわいい」と呼ぶなど

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    2019年01月05日
  • ゴダールと女たち

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    ゴダールと、彼を取り巻く女性たちから作品を語る書。

    女性から霊感を得て、(彼女たちに逃げられながらも)常に進化し続ける。そんな切り口がおもしろかった。
    読みやすく作品を概観するのにちょうど良い。
    ゴダールは好きだけど信奉者のベタ褒めや小難しい批評はちょっと、、という方におすすめ。

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    2016年08月29日
  • 「かわいい」論

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    アウシュヴィッツの「かわいい」絵の話がかなり印象的。何かで読んだことがあるけど、アメリカが第二次世界大戦のときにディズニーアニメを捕虜に見せてアメリカの力を示していた、という話とちょっと似ているなと思った。
    私自身もかわいいものや人が大好きで、「可愛いは正義」という言葉を使うことがある。ああ、これって怖いな、って少し私の可愛い神話が揺らいだ。

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    2014年05月08日
  • 映画史への招待

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    「映画」、というもの、映画史や映画を論ずるということの範囲をできる限り拡げて考えて見る。時には、そのような姿勢で映画を楽しむための一冊です。

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    2013年07月06日
  • 「かわいい」論

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    「カワイイ」、「KAWAII」が日本、世界を問わず飛び回っている。そんなかわいいに注目したのが今回の本だ。かわいいだけで1冊の新書にするとは、寝ても覚めても頭の中からかわいいが離れなかったに違いない。

     メディアの中の「かわいい」では、メディアに注目して「かわいい」について述べている。メディアが説くかわいいについて著者は以下のように述べている。「幸福感であり、消費主義であり、生理的年齢に対する精神の勝利である。また手の届くところに置かれた祝祭であり、選ばれてある私を巡る秘密めいた快楽である」。かわいいも1つの消費を喚起するために装置なのかとふと思った。かわいいがこれほどもてはやされるのはどう

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    2013年04月21日
  • 「かわいい」論

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    結構おもしろかった。
    ってか、不用意にかわいいっていうのやめる。
    ネコを見ても、服を見ても、「いつここ」も。
    バカみたいですから。

    日本人に特有の「かわいい」という概念に対し、ポケモン、MD、ミニチュア、おばあちゃん、などあらゆるものを分析した。
    また、それをいう対象について、中高大の男女から、秋葉原~池袋~夜の新宿の人たちまで分析した。
    「かわいい」っていうことに対する目線がいいなと思った。

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    2012年04月20日
  • 「かわいい」論

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    ネタバレ

    現代の若者の「かわいい」の感覚、今の「かわいい」に至るまでの来歴や、海外での「かわいい」の受容され方についてなどなど。
    日本ではとりわけ小さなもの、幼稚なものを愛でる傾向がある。
    一瞬を永遠にとどめたフィギュア。
    ノスタルジア。
    旅の証拠としての小さなもの、スーベニール。
    かわいいとグロテスクは表裏一体。

    セーラームーンは、ティーンの変身願望。戦うことよりもどう変身するか、変身シーンが一番大事。清楚なセーラー服に身を包んで戦うのは、肌を露出させたセクシーな大人の女たち。

    女性は自分が「かわいく」ありたいから「かわいい」ものを傍におく。自分のためのかわいい。
    男性はかわいいものを愛でたいとい

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    2012年02月23日
  • ゴダールと女たち

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    ゴダールを巡るミューズ達の肖像を描くのだが、実は現在のパートナーであるアンヌ・マリ・ミエヴィルの存在の重要性に正当にスポットライトをあてた初めての書物かもしれない。ミエヴィル以降のゴダール作品のぶっ飛び加減は、確かに60年代の作品の比じゃないもんな。ただまあ、目を覚ましていられらたら、なんだけど。

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    2012年01月09日
  • 「かわいい」論

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    ネタバレ

    最近、よく目にする「かわいい」という概念について、様々な面からの見方を示して考察している。
    3章から7章までの、アンケートやメディアなどをタネに「かわいい」の色々を暴いていく様は非常に面白かった。「かわいい」というのは、その言外に非常に多彩な意味を含み持っているのがよくわかる。

    ただ、(筆者本人もそう意識しての上だが)、終盤に入って問題提起だけして答えまで書かないという部分が割と目立ち、もうすこし詳しく書いてくれるとありがたかった。多分新書程度の本では書ききれない問題なのだろうけど。

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    2011年12月20日
  • 「かわいい」論

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    「かわいい」は今や日本のサブカルチャーとして確立された言葉だ。「かわいい」とは何だろう。世界の「かわいい」と「かわいい」を取り巻く日本の状況や経済、女性誌やオタクカルチャーから読み解く。「かわいい」ものが好きな女性のひとりとして、とてもおもしろく読みました。まさかイタリアでセーラームーンが放送されていたとは。

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    2011年11月24日
  • 「かわいい」論

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    雑誌の描くかわいいが面白かった。知らず知らずのうちに思想を植え付けられてるんやな。スーベニールの効果については卒論にも使えそう。もっと90年代後半のことを知りたくなった。かわいいの起源。

    かわいい=無垢で残酷で小さいもの。これって、少女と同義語じゃないかな?

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    2011年12月18日
  • ゴダールと女たち

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    ゴダールをめぐるミューズたちを中心に展開されるゴダール論。
    ジーン・セバーグとアンナ・カリーナの章の冒頭に、岡崎京子のイラストが使われている。
    あとがきに、岡崎京子への献辞が、述べられているのが切ない。

    正直な話、ゴダールの映画は、ほぼ半分くらい寝て観ているので、ストーリーのダイジェストを読むと、「あぁ、あれはそういう映画だったのかと」理解できるのはありがたい。『アルファビル』とか『女と男のいる舗道』とか。

    著者は、近年のゴダールの作品に高い評価を与えているが、必ずしも映画に政治性や批評性を求めていない、自分のような怠惰な映画ファンには、なぜ敷居が高いのかも理解できた。映画に「セックスと政

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    2011年11月09日
  • ゴダールと女たち

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    病院の待合室などで読みました。ことさらゴダールファン!!というわけではないのだけれでも楽しめました。
    『女は女である』をもう一回みーようっと。

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    2011年10月04日
  • 人、中年に到る

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    ガブのリアル本棚には1989年刊の『ストレンジャー・ザン・ニューヨーク』という本がある。大学生の頃『朝日ジャーナル』の連載を毎号楽しみに読んでいて、単行本として出た時すぐに書店に買いに走ったもの。1989年のこの一冊以来、著者の本を二十年余りも読み続けてきたのだから、思えば長い「お付き合い」になる。そんなわけで、今回このような本が出たと知り、帰国が待ちきれずすぐに購入ボタンをクリック!

    本著に収録されているエッセイは、先人の言葉や古典作品を引用しつつ、著者本人の過去や現在をあれこれ綴ったものなのだが、四方田本の「忠實讀者」であるガブには、正直うち数編に書かれていたものは、すでにどこかで読んだ

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    2011年01月06日