四方田犬彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ気難しいゴダール論が多い中で、さらっと読めるゴダール論の新書。
大島渚が
「(自己変革が)到底不可能な女に、自己変革しろと迫るのがゴダールの趣味なのかもしれない。どうもゴダールにはそういう不可能へ寄せる情熱のようなものがある。そして美女たちは結局逃げ、ゴダール自身はそのことによって必然的に自己変革を迫られるという、ゴダール自身にとってはある意味でなかなか都合のよいシステムが出来上がっていて、だから私は、女房に逃げられるという一種の才能もこの世にあると感嘆したのである」
と言っていたらしい。この文章を出発点として、ゴダールの奥さん又は周辺の女優について解説した本。彼女たちの詳しい経歴・人生とゴダールとの関係が主な題材。特に今の奥さんであるアンヌ・マリー・ミエヴェルについて初めて聞く情報が多く、興味深かった。名前こそよく聞くけれど、彼女の素性についてはほとんど聞いたことがない。彼女がゴダール映画において多大な貢献をしているとは聞いていたけど、彼女がどのういった経歴で何に興味を持っている人なのか、そこからゴダールが何を感じたのかについて、これまたさらっとでも詳しく書かれていて勉強になった。
ところでジーン・セバーグはゴダールを捨てたわけではないのでは? -
Posted by ブクログ
四方田さんによる書名どおりの内容の本。もはや「言わずと知れた」と形容したほうがよいかもしれないくらいに著名な一冊でございます。
書名が全てを表しているように、日本独自の感性である可能性もある「かわいい」に関して網羅的に述べている。それこそ、連綿と続く日本文化の中の「かわいい」を紡いでみたり、一般的に「かわいい」がどう捉えられるのかを論じてみたり、メディアがどう「かわいい」を利用しているのかを眺めてみたり、世界に広がった「かわいい」を見てみたり。四方田さん自身も述べているように、雑多な印象を受けないわけではありませんが、「かわいい」がこうして論われたこと自体が大切なことなんだろうなあ。
それから、これも四方田さんが述べていますが、サブカルチャー論についてはちょっと弱い気がする。東浩紀さんや福嶋亮大さんのような「使いこなしている」感を感じない。やはり寿司は寿司屋に任せるのがいいのであって、日本料理屋では限界があるのかもしれない運転。
【目次】
第1章 「かわいい」現象
第2章 「かわいい」の来歴
第3章 大学生の「かわいい」
第4章 美とグロテスクの狭間に
第5章 小さく、幼げなもの
第6章 なつかしさ、子供らしさ
第7章 メディアのなかの「かわいい」
第8章 「萌え」の聖地
第9章 「かわいい」、海を渡る
エピローグ 「かわいい」の薄明
あとがき
注