加藤一二三のレビュー一覧
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ひふみんが羽生さんをだしに自分がいかに天才かをこれでもかと語る。
なにせ出だしが、かつて私は、「神武以来の天才」と呼ばれた。だ
奥ゆかしいひふみんは自分のことを「天才」といったこともない。もしかしたら家の中では言っているかもしれないが、少なくとも外ではない。
ただ思ったことはある。掛け値なしに、虚心坦懐に、謙虚に自分の将棋を見つめた結果「天才」!と思ってみたのだそうだ。
じつは大山康晴に「加藤一二三は大天才である」と言われたことがある。(中略)そこで問題は、羽生さんを「大天才」と呼べるかどうか、ということである。(中略)羽生さんは「秀才型の天才」だと私は見ている。ここで言う秀才型は研究がスタイルになっているタイプもう一つの「対応型」はここ一番のときに集中して研究するタイプだと、うーむよくわからない流石に大天才ひふみんは一筋縄ではいかないのだ。ついでに大山さんは「天才」と呼ばれることはないとまで書いている。
天才は早指しが得意だが大長考も出来る。ちなみにひふみんは相手の封じ手の後、夜5時間、翌日2時間考え妙手を見いだした。ひふみんはこの話をいたるところで吹聴している。
天才は劣等感を抱かない。じつはひふみんもそうだ。中原誠に18連敗してもここでこうさせば勝っていた。それほど差はなく負けたのはたまたまだ。
「天才は盤を見た瞬間に最善手が浮かんでくる」これはひふみんに言わせれば、文系ならではの特徴である。うーむ、違うと思うがひふみんが言うならしょうがない。研究を続ける秀才型は理系の特徴なんだそうだ。そうだったのか・・・。
天才も木から落ちる。2012年達人戦の準決勝でひふみんは二手指しの反則負けをしてしまう。どうもそのときひふみんは現実感が無かったらしいのだがその理由は対局者の森内さんがモスグリーンの背広を着ていたからだと言うのがひふみんの分析だ。
将棋史に残る驚愕の一手
1989年NHK杯の準決勝当時高校生の羽生五段と対戦したひふみんに67手目の5二銀が待っていた。解説の米長さんが叫ぶ「おおっ、やった!」ひふみんも叫ぶ「ウヒョー!」
ちなみに名人戦で詰みを見つけたときにも叫んでいる「ウヒョー!」
ひふみん伝説は猫にえさをやって訴訟を起こされたり、対局中に相手の後ろから盤を覗き込んだり、駒をたたき割ったり、滝を止めたりと数えきれないらしい。
そんなひふみんが無人島に持っていきたいものは・・・羽生さん。どこまでもおちゃめだ。 -
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最近、将棋が面白くなって来た。
自分のレベルというのは、小学生でも勝つ事はできないかもしれないくらい弱いと思う。昔からNHKの将棋中継を観るのは好きだったし、将棋の盤面の変化を眺めるのは好きだった。
最近は便利な世の中となり、インターネットで、昔の対局を観る事が出来たりする。そうすると、昔は意味がわからなかった指し手の意図がおぼろげではあるけれど、なるほどと思える様にはなって来た。
特に加藤一二三九段と羽生善治四段(当時)の対局は、米長九段の解説の叫び声が今でも印象に残っている。ド素人でさえあの対局が凄かったと感じる事が出来たけど、その当事者である加藤一二三九段は対する羽生善治氏に対してどんな気持ちであったのか、興味があった。
そんなタイミングでこの本を見つけたからには、読まない訳にはいかない。
この本を、大変面白く読むことができた。
ちょっと将棋を勉強したいと思わせる面白さがあり、良い本だと思う。将棋を勉強する事で、棋士の思考の流れをつかめる事が少しでもできたなら、この本の面白味がさらにわかるかもと思わせる一冊じゃないのかなと感じた。 -
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グーグルで「5二銀」という三文字を検索すると、そこにズラッと並ぶのは、羽生善治が五段時代の1988年にNHK杯で加藤一二三と対戦した時の「伝説の鬼手」5二銀の話である(動画も多々あり)。
しかし本書「将棋名人血風録」において著者の加藤は言う、この手は確かに妙手ではあるが奨励会の二・三段でもちょっと考えれば思いつく、したがってあの5二銀をもって羽生を天才と呼んでは羽生が可哀想である、と。
この加藤の指摘が負惜しみではないことは、本書全体に一貫している加藤の謙虚な生真面目さから分かる。とにかく真面目な人である。
その一方で、加藤のその生真面目さ・愚直さに起因する天然ボケ?ぶりも、本書中に遺憾なく発揮されている。まさに「ひふみん」という愛称にピッタリの、意図せぬユーモアが随所にあふれている。
本書のテーマはもちろん歴代の将棋実力制名人12名(加藤自身を含む)にまつわる諸々のエピソードと加藤の考えである。この12名の時系列での紹介により、名人世襲制廃止以降のプロ将棋界の歴史が私のような素人の頭にもスーッと入るところが素晴らしい。
なお本書には、東京地裁平成20年(ワ)第2785号猫への餌やり禁止等請求事件において加藤が敗訴した件に関する記載は当然ながら無いが、この事件にも、本書から窺える加藤の人柄そのものが出ていると思う。 -
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昔の将棋の世界には変わった人が多いが、その中でも加藤一二三九段は、トップクラスの変人の一人である。滝を止めたとか、対局相手に向かってストーブを全開にしたとか、うな重しか食べないとか、ネクタイが長すぎるとか、対局者の後ろに回り込んで独り言をつぶやきながら検討を始めるとか、アレなエピソードを並べ始めると、もうどうにも止まらない。いくつかについては、本人にも自覚はあるらしく、本著の中で釈明していたりもするのだが、それがなんとも腑に落ちない。明かされた理由が、本人以外にわかる理由になっていないのである。
そんな一二三九段は、有名な棒銀原理主義者でもある。本書にも、棒銀について述べた箇所がいくつかあるので、引用しよう。
「私が棒銀を好むのは、銀という駒が好きだからである。金が守りの要であるとすれば、銀は攻めの駒だといえる。だから棒銀はすごく緊張感があるし、うまくいけば解消できる。それで飽きずに棒銀をさし続けているわけだ」
「タイトル戦で激突した多くの棋士が大山さんに勝てなかったのは、いま思うと大山流の振り飛車に対して、棒銀を指さなかったからである」
「羽生さんには、『羽生の頭脳』シリーズという名著の数々がある。棒銀の本を読んだが、大変有益だった」
引用箇所から、何かを感じ取っていただければ幸いである。本書は、加藤一二三九段という不世出の天才のエッセンスが凝縮された、まぎれもない名エッセイだ。 -
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ネタバレバラエティでも有名なヒフミンこと加藤一二三。彼は18歳でA級八段となった《神武以来の天才》《秒読みの神様》と称された将棋界のレジェンドです。
本書は将棋の歴史がコンパクトにまとめられた良書です。
以下は、私の備忘録。
・一世名人 大橋宗桂(1612年)
・三世名人 伊藤宗看
・以降、大橋家と伊藤家の子孫が名人を世襲
・九世名人 大橋宗英は江戸時代最強
・実力11段 天野宗歩
・13世名人関根金次郎と阪田三吉のライバル関係
・関根の東京将棋連盟設立(1925年)と実力制名人の導入(1935年)
・将棋界を二分した神田事件(神田辰之助)
・初代実力制名人は木村義雄
・現代の棋士系譜は、関根系列門下(中原誠、加藤一二三、藤井聡太)と阪田系列田門下(内藤國雄、森安秀光、谷川浩司、久保利明)が主流
・その他、木見金次郎系列門下(升田幸三、大山康晴、村山聖、佐藤康光)、井上義雄系列門下(丸田祐三、森けい二、郷田真隆、福間香奈)、川井房郷系列門下(米長邦雄、渡辺明、丸山忠久、藤井猛)、神田辰之助系列門下(灘蓮照、桐山清澄、豊島将之、西山朋佳)
・木村義雄名人による順位戦創設(1946年)
・王将戦の3番手直り(三勝した方が香車を落とす)升田幸三が木村名人相手に実現、1965年に廃止
・将棋界のタイトル独占(升田幸三3冠、大山康晴5冠、羽生善治7冠、藤井聡太8冠)
・順位戦で毎年昇段したのは、加藤一二三と中原誠のみ
・丸田祐三理事は棋士の給与体系を確立した功労者、彼の名言「何かを決めるときは、決めた人間が損をするようにしろ」は今の私利私欲まみれな政治家への提言ともなっていますよね~
・山田道夫が棋士同士の研究会を最初に始めた
・大山康晴は69歳でガンと戦いながらA級在位のまま亡くなった超人
・他にも、木村義雄、塚田正夫、大山康晴、升田幸三、中原誠、加藤一二三、谷川浩司、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之、(佐藤天彦、豊島将之、渡辺明、藤井聡太)などの名人位系譜や当時のライバルたちのエピソードも満載
タイトルの「求道心」は、著者のクリスチャンとしての矜持と願いが込められています。 -
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加藤一二三と渡辺明のインタビュー、対談。
どちらもデビューが中学生の天才棋士。
インタビューも個性がでていて面白い。
渡辺明は論理的に分析している。
加藤一二三は達観した哲学者のよう。
インタビューの言葉に垣間見れる、厳しい世界。
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一四歳でプロになるような人間は、初段、二段、三段と進んでいく間には一手を指すのに三分以上考えるようなことはまずない。プロになるだけの資質があるならそれができる。逆にいえば、子どもの頃から一手一手、長く考えているようでは、プロにはなれないということだ。
(加藤一二三)
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プロ棋士になれるような子は、将棋を覚えた直後からその片鱗を見せるものだ。その次の段階で問われるのが「本気で打ち込むことができるか」ということだ。
プロになったすべての棋士に共通しているのは、子どもの頃から「尋常ではないほど、のめり込める熱意を持っている」という点である。
(渡辺明)
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